星が語る『Star』~Astrology Cafe~ -10766ページ目

『ソ・ドヨン』について星は語る①


ソ・ドヨン ネイタルチャート

NHK地上波で放送中の『春のワルツ』に主演している俳優、ソ・ドヨン氏についての西洋占星術的な考察です。


出生時間が不明ですので、いったん正午生まれとして、ソーラーサインハウスを採用してチャートを算出します。


まず目を引かれるのは牡羊座に水星・火星・太陽・金星の4天体がステリウムを形成していることです。ソ・ドヨン氏は、大学に在学中に兵役を終了していますが、兵役に就いているころは、規律正しい軍人の姿に感銘を受け、自らも、訓練する立場の助教という地位を獲得したそうです。実用としての肉体の鍛錬を好む、あるいは、軍人・制服というものを好む資質がそのまま反映されています。牡羊座的な気質の非常に強い人物であると思われます。


彼は、かなりの長身ですが、家族はそれほど背が高いわけではないとのことですから、ソーラーサインハウスのように、水星が第1ハウスにあるならば、一族の中でもっとも長身であるということの説明になると思います。


韓国は教育熱心な国ですが、医者になることを期待されていて、大学では、とりあえず生物学を専攻するつもりであったということ、現在は、俳優であるということを考えると、水星は、第1ハウスにあるような気がします。


2003年に兵役を終了し、同時に、モデルの道を歩き始めます。


2003年ごろ、土星が天底通過していたならば、この時期から新たな道を進むことができるはずで、アセンダントが牡羊座、天底が蟹座ではないかという気持ちはますます強くなるばかりです。


こうなると、天頂は山羊座ですが、彼が、カトリックの信者であることを考えると、第9ハウスが射手座、第10ハウスが山羊座であることに何の抵抗もありません。


次に目を引かれるのは、火象サインで形成される、グランドトラインです。火象サインのグランドトラインは、多大な自信と、肉体的な活動、熱中、ドラマティックな能力と、非常に外向的な性質、強い知覚力、他者を鼓舞する能力を与えます。しかも、獅子座の月と、射手座の海王星が、牡羊座の火星・太陽・金星とグランドトラインを形成するわけですから、これは、彼をたやすく人気者にする資質であり、実体のないもの・幻想・芸術を自分の感覚を通して自然に、かつ、ドラマティックに、肉体でもって表現する資質でもあります。また、共演者から、感情移入の素晴らしさを絶賛されていましたが、役柄を理性で理解してしまうと、その役柄になりきることができるタイプであると思われます。感覚だけで演じるわけではなく、理解を必要としますが、ひとたび理解してしまうと、その人物になりきる能力を持っているように感じます。


ソーラーサインハウスの通り、海王星がカルミネートしているならば、魚座的な容貌を持つことになります。四季シリーズのプロデューサー、ユン・ソクホ氏が、最終作『春』の主演のソン・ユリ嬢が降板すると言っても(現実に、彼女は降板し、ハン・ヒョジュ嬢が主演にキャスティングされたのはオーストリア・ロケの一週間前という状況でしたが)、ソ・ドヨン氏の主演起用にこだわったのは、彼の目の深さと、クラッシックピアニストらしい外見に、ユン・ソクホ氏が惚れ込んだためだと言われています。


実際に、ソ・ドヨン氏の多彩な『涙』の演技は、素晴らしいものがあり、あまりにも、彼がボロボロ泣くために、スタッフが心配したほどであったというエピソードを思うと、魚座的な資質である、大きく潤んだ美しい瞳と、ミステリアスで芸術的なイメージが、彼の外見的特徴のひとつであると言えるように思います。


初主演作『春のワルツ』で、秘密の過去を持つピアニストを、その次の主演作品『物忘れ』が、トラウマから重度の健忘症に罹っている画家を演じているのは、彼の個性を活かせる役柄のイメージが、海王星的なものであるからではないかと思います。


出生時間が、ここまでで予想してきた、ソーラーサインハウスに近い、午前5時ごろであるならば、月は獅子座の22度であり、よりタイトに、牡羊座の3天体とトラインを形成します。


ユン・ソクホ氏が、人気アイドル・女優のソン・ユリ嬢を切ってでも守り通した、『主演ソ・ドヨン』でしたが、視聴率は厳しいものがありました。しかも、撮影中の2006年4月11日未明に、ダニエル・へニー氏と殴り合う場面の撮影中に、誤って、顔面を負傷し、あわや、放送中止というような局面もありました。顔面の怪我という、俳優生命の危機にさらされることになったのです。


2006年4月14日、ソ・ドヨン氏は25歳の誕生日に手術を受け、幸いにして、大きな傷も残らず、一週間の放映の中断があったものの、『春のワルツ』は、完成されることになりました。視聴率の低迷したこの作品の後、ハン・ヒョジュ嬢は主演の『空くらい地くらい』が高視聴率番組となったのに、ソ・ドヨン氏は『物忘れ』一本しか作品がなく、非常に不遇な印象を受けます。


彼が、ユン・ソクホ氏から抜擢を受けたのは、2005年の夏ごろです。この時期、土星は獅子座に入座し、彼の月が影響を受け始めました。直接の影響を受けるのは、まだ先になりますが、このころから、2006年の春ごろまでは、蠍座の木星と、水瓶座の海王星が、彼の月と、タイトなT字クロスを形成していました。感情的には、非常に厳しく感じる、何らかの具体的な事象が生じることになりがちで、その一端を視聴率と事故が担ったということになるのかもしれません。トランジットの土星は、現在、彼の月の上を通過しつつあり、そのために、運気は上昇に転じてはいても、個人的な感情の強い抑圧があるために、自信喪失や、外向性の欠如といった状況が継続しているように思われます。本来、せっかちなタイプですから、仕事が決まらないこと自体がストレスでしょうし、賞賛を必要とするタイプですから、評価が低いということ自体が更なるストレスとなっているのが現状ではないでしょうか。今年の9月以降、彼にとっていい仕事が新たに決まり、その結果、評価を受け始めることになるのではないかと思います。今年の秋から来年にかけては、かなり期待できそうな気がします。


事故ということだけを取り上げるならば、2006年4月11日はトランジットの太陽が、ソ・ドヨン氏のネイタルの火星にほぼコンジャンクションしている上に、トランジットの火星が、ソ・ドヨン氏のネイタルの海王星にオポジションでした。彼の怪我を誘い、同時に、彼の容貌を傷つける動きが起こるというタイミングでした。


トランジットの火星は、彼の容貌に対して、手術でメスを加えることになるという意味もありますし、トランジットの太陽は、彼の自我と人気も照らしつつ通過しましたから、放送打ち切りや、俳優生命の終焉といった、ネガティヴな結果にならずに済んだのは、当然であった、ということになります。


ソ・ドヨン氏は、日本での放送のために、主題歌を歌っています。この歌を聴く限り、非常に音感のいいタイプであるようですが、これも、天頂に近い海王星の作用であるように思います。