--------------------------------------------
      寺 号■千手院 清水寺
      山 号■音羽山
      通 称■清水観音
      所在地■千葉県いすみ市岬町鴨根1270
      宗 派■天台宗
      開 基■807年(大同2年)円仁
      本 尊■千手観世音菩薩
      札 所■坂東三十三観音霊場 第三十二番
      参拝日■2014.01.26
     --------------------------------------------

音羽山清水寺。山号、寺号とも京都の清水寺と同じ名前です。
このお寺は、まずは最澄が庵を結び、弟子の慈覚大師円仁が観音像を彫って安置したとのこと。
さらに坂上田村麻呂が堂宇を建立したとのことで、やはりこちらの清水寺も京都同様彼ゆかりでした。
京都の清水寺・兵庫御嶽の清水寺・清水観音で「日本三清水」といわれるそうです。

急勾配の坂を上り詰めたところにあるお寺。
私達は車で行きましたが、途中で一休みしている徒歩参拝者もいました。
そんな山の中に、こんな立派な堂宇があるとは驚きです。



大きな仁王門の前には、編んだわらじが奉納されています。
さすがは坂東の風格、漂う空気が違います。
納経所で御朱印をお願いするときには、粗相がないようとても緊張します。



朱塗りの四天門には風神・雷神が祀られていました。
鐘楼の鐘は赤く塗られています。塗り鐘を初めて見ました。



石段を上りつめたところに観音堂があります。
時代を経た風格に、ただ圧倒されるばかり。 



天井にまでびっしりと貼られた千社札。(いったいどうやって貼ったの?よじ登ったの?)
そしてところせましと飾られた奉納絵。
普段、ここまでの古刹には、なかなか巡り合わないものです。
眺めても眺めても、見飽きません。



連れが、なにげなく五色の紐を手に取りました。
「それは観音様とつながっている紐よ」と話します。
丑年特別結縁として、御前立本尊より伸びる堂内お手綱で、つながりました。



数ある千社札の中で、目を留めたのがこちら。
色付き、そしてイラスト付きという斬新さです。

『人生之流転 最後八信仰 二世安楽』
「讃州多度津町・黄金屋 第八十四世 吉田栄治郎」

カッコイイですね!
気になって、後で調べてみました。
明治末に生まれた讃州、つまり香川県の人で、この方は四国遍路を100回以上行っている人なんだとか。
100回て~!!
礼所に行くと、必ずと言っていいほど、この人の千社札を目にするのだそうです。

そんな人が、四国にとどまらず、坂東への巡礼行脚にも出たのですね。
84世なんて、歴史の長い名門ではないですか。
私もまたこの人の千社札と再会することがあるかもしれません。
興味津々です。また黄金屋さんのお札に会いたいものです。



途中の休憩所には、こんな大茶釜が。
これ、高野山でも見たことがあります。
縁日の接待に利用されるそうです。



百体観音堂には、西国・坂東・秩父礼所百箇所のご本尊の像がずらりと並び、その左には閻魔様がおわしました。
そういえば、地獄の釜が相手からこの日でちょうど10日たってた・・・



右には四十七士の像が飾られていました。
すべて木彫です。彫った方の思いの深さを感じました。
明治末期に、当時の住職が供養のために彫らせたそうです。



ここは文句なしの見事な古刹。感動を覚える参拝が出来ました。
さらに京都や奈良と違って、参拝客もそう多くなく静けさが保たれています。
こういうお寺を訪れることができるのは、すばらしいことです。

● 清水寺(清水観音)の手水舎