中国の旅
椎名誠の妻が小説を書いていると知ったので読んでみた。
自分の生まれた町、今は亡き両親の暮らした頃の面影を求めて旅をする。
ハルビンの華やかだった生活や、敗戦後の大変な生活などの話しは興味深い。
日本人達が中国内を逃げまわってた時、親が死んだので、小さな子供を2人、一緒に生き埋めにしたという話しはショックだったなあ。
在中外人ばかりの養老院を尋ねる事になり、残留婦人と触れ合う。
後半はこの人たちの話しが多くなる。
夫の椎名誠の文章は軽くて外に向かっていく感じだけど、妻の方は正反対で行動的なんが内に向かっている感じ。
字がぎっしり詰まった本だけど、スラスラ読める。
上記の本の中に12人の中国残留婦人が成田へ強行帰国したことが書いてあった。
そんな事があったんだと調べてると、この本に行き着いた。
強行帰国に至る経緯や帰国後の生活の様子などが書かれてある。
この人たちは中国でも苦労して、更に日本へ帰国後も言葉や色々な事で苦労する。
ほとんどは両親も亡くなっていて、兄弟も高齢になっていて、言葉のわからない人たちの世話は無理っと言う事で身元引受けを拒否されたり・・・
他に中国妻と結婚したが、妻の連れ子家族(完全な中国人の為)が日本にいるのが問題になり、その時の話。
昔よく中国残留孤児のニュースがよく流れていたなあという記憶しかなく、今回初めて詳しく知った。
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5ヶ月かけてチベットを馬で1周。
読んでる時に、これってどんな景色なんだろうと想像しながら読む。
写真も少し載せて欲しかったなあ。
地球って感じの景色がいっぱい楽しめたんだろうなあ。
550ページもある本で活字がびっしり詰まっており、なかなか読み進まなくて1週間ぐらいかかってしまった。
しかし、退屈はしなかった。
毎日の出来事を淡々と日記のように書いてあるのだが、飽きずに最後まで読めた。
本の表紙の絵は、旅に同行したチベット人が著者のテントに記念に書いた絵。
チベットを馬で旅をしていた時に書いていた本がこれ。
日本での生活や趣味、思ったことなどいろいろと書かれている。
自分をすごく持っている人だなあと思った。
チベットに何回も行っている著者。
白黒の写真集。
日本では見られない荒涼とした景色、広い空、いいなあ。
心が大きくなりそう。
この本は楽しかった。
渡辺一枝が馬でチベット旅行中に会った写真家。
写真家だったらこの時の旅の写真集を出しているのではないかと調べたら、この本を出していた。
旅行記なんだけど、写真もたくさん載ってて楽しめる。
文だけだと景色を想像しきれないが、美しい写真と照らし合わせて読むと実にいい。
カイラスまでトラックに7人のラマ僧を乗せる事になり、マナサロワールを一緒に巡礼する。
この時、ラマ僧たちは外人旅行者2人の荷物を持ってくれたり、一緒にお湯を沸かしてくれたり。
でも終始もの静かで、だれも不平ひとついわずに黙々と歩き続ける。
到着したカイラスの麓では僧たちは寒いのに野宿したり、食料を買いに遠く離れた町に食料を買いに行ったり。
う~ん、辛抱強いというか・・・
自分だったら不平不満ツラツラ並べて泣いているだろう。
チベット人は旅行者が3日ぐらいで歩く距離を1日で歩いてしまう健脚ぶり。
便利な生活は、体の機能も色々衰えてしまうんだなあ。
著者は、荒涼とした大地では信仰心なくして生きていけないということに気付いた。
そうかもなあ・・・
ちなみに渡辺の事は、この本には出てこない。