鼻炎を漢方でどう治すか 勉強会をしてきました | 札幌中医学講座 漢方的食事で体質改善

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☆鼻炎を漢方でどう治すか 勉強会をしてきました


2月14日(日)、札幌市中央区で小太郎漢方製薬さま主催の勉強会がありました。


年に4回ほど、まつもとがご依頼をお受けしてお話ししているもので、今回は「鼻炎」がテーマです。


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毎回その季節にありがちな身体の悩みを選び、そのお悩みの「パターン分析」「治し方と選択する処方」を整理していきます。


パターン分析とは、つまり、「弁証」。


治し方を考えるとは、つまり、「論地」。


この「弁証論治」が、中医学のキモです。


テキトーに「効能効果」欄見て、それっぽいの出しとけ! では、治るモノも治りません。




毎回恒例の「症例検討」からスタート。


一例目:花粉症・42歳男性

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「ご相談者さまは店頭で、こんなことを訴えられてます。


ハイ、これだけではデータが足りないですね。


では先生方、『自分だったら、何と質問するか』訊いてってください。


どうぞ!」


自信がなくっても、いいんですよ。


自信があったら、勉強会なんて来なくていいですもんね~。




先生方からの質問(「問診」)が出揃ったところで、この病気が「五臓でいうとどこの不調か」を見抜いていただきます。


これは「病位を特定する」ということ。


治し方を考えるときの出発点なんですが、意外とここをすっ飛ばしていきなり漢方薬をつかんでしまう方も多いんですね。


というより、駆け出しの頃のまつもともそうでした。


だから、臨床力が伸びないんです。




本当はその次、「その臟がどんなバランスの崩れをしているか」「じゃあ、どうやってバランスを回復させるか」の2段階、考えることがあるのですが。


漢方相談初心者クラスなのでここは免除。


「選択する漢方処方」を答えていただきます。


ここまで考えて、一旦棚上げ。




二例目:いつも鼻をグスグスさせている・4歳女児


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これも同じように、


「問診」

 ↓

「病位の決定」

 ↓

「選択する漢方処方」


を順に考えていきます。




この例では、「口のまわりがカサカサし、風邪を引くとそれが赤くなって拡がり痒がる」という症状がありました。


この「カサカサ」を肺腎陰虚ととらえ、滋陰剤を選択するという回答も出ました。


これ、店頭でよくある選択だと思うんですが。


実際は「微少炎症」なので、滋陰すると悪化することがあります。


バリア機能を強化する(益衛固表)と治ります。


「カサカサ」が常に「乾燥」=「うるおい不足」だと固定観念があると、選択を誤ってしまう危険があるんですね。


乾燥だったら、風邪を引いても赤くはなりません。




そして、今回のテーマに沿って、


・鼻炎が起こる仕組み

・仕組みごとの治し方


を講義しました。


たかが「鼻炎」、されど「鼻炎」。


津液の産生と輸布、排出。


これが「何」によって「どう」崩れたかが、「鼻炎」の本態です。


それと、もともとも体質の弱点ですね。


ちゃんと分析、できていますか?




ひと通り「鼻炎」のパターンと治し方&処方を勉強したところで、初めの症例に戻ります。


すると、さっきまでと見え方が違ってきますね!


自分の固定観念を一旦ハズして、理論から冷静に分析すると、こんなによく分かります。


一例目は、割と正解に近かったんじゃないですか?


外邪の種類は「風熱」、素体に「痰湿」がある方ですね。


祛風清熱の処方に、痰湿を取り除く処方や生薬を組み合わせてご紹介したい例でした。


二例目は、残念ながら、先生方の回答には、陰血を補う処方がよく登場してました。


この方には、益肺固表の処方に、脾胃の運化を高める処方をプラスすると、よく効きます。


が、どちらの例も、食事内容を変えないと効果が出ません。


必ず食事指導もしてくださいね!




というように、「漢方相談を始めたい!」「漢方相談のプロになりたい!」「自己流を矯正したい!」という方のためのこの「小グループ勉強会」ですが、次回は(多分)5月に開催予定です。


小太郎漢方製薬さまのご厚意で、一般の方でも受講可能です。


講義では、「プロ」か「一般」か申告していただいて、「一般」と申告された方には当てませんのでご安心を^^


くわしい日時が決定しましたら、またこちらでご案内いたします。




講座のあと、話し足りない受講生とちょっとお茶。


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困ってる症例を持ち寄ったり、ちょっとした情報を交換したり。


こんな時間も、また、いいんですよね……














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