ライターvsブロガー | SPORTS PLANET スポーツプラネット

ライターvsブロガー

龍星ひかるです。SPORTS PLANETにお世話になってから1年以上が経ちました。先月の記事にて東京偉蹴で記事を書かせていただくことになりましたと報告致しました。これまではSPORTS PLANETへの記事はスポーツ現場の「リアル」をお伝えしてきましたが、今回は趣旨を変えて記者として歩み始めた私自身の「リアル」をテーマにしたいと思います。

率直に、とりまく環境、生活が一変しました。行動自体はこれまでと変わりません。週末になればサッカーの試合を観戦してマッチレポートなどを書いてます。しかしメディアとして関わるというただそれだけで、多くのギャップを感じることとなりました。これから書くことは殆ど・・いや、全部最初から分かりきっていた事です。分かりきっていたことですが、短期間で改めて実感したことでもあるので簡単にまとめます。

便宜上、今回はメディアに入稿しているライターのことを「ライター」、自身のブログなどで書いているライターを「ブロガー」と定義します。(スポプラのライターさんたちは・・?ちょうど中間かもしれません。)

プロライターの特権


先にライターになって良かったと思えることをサクッと書き並べます。まず、選手や監督など関係者から容易に直接話を聞ける点は外せません。あくまでも仕事としての話となりますが、記事に客観性をもたらす為にも必要なことです。僕はまだまだそのような用途として選手や監督のコメントを使用できていませんが・・。コメントを上手く活かせる記事を書けたとき、ライターにしか書けない記事になるのでしょう。

厳しい要求を受けることもライターの特権だと思っています。東京偉蹴で記事を書かせていただくことになってから、非常によく考えて文字記号を並べるようになりました。

また余談として、ライターだけでなくスポーツカメラマンも兼ねているのですが、ピッチサイドでの写真撮影は非常に楽しい時間です。

自由さが武器のブロガー


ライターがいかに特別な権利を持っているかというのは言わずもがなでしたね。ではライターがブロガーより優れているかと言えばそうではありません。ブロガーは雇われしライターには持ち合わせられない武器があります。それは「自由さ」です。

ブロガーが自由なのは報道に関する全責任を自身で負うので当然のことでしょう。もっと低次元の話題として、何時までにどんな内容な記事を何文字以内で書くという制限がありません。スポーツの場面に限れば、どの試合を見に行くかというのも好きにできます。当たり前ですよね。でも、この自由さというのは「伝える」上で必要なことの一つなのです。

ブロガーにしかできないこと


現代人はインターネットという超次元空間を獲得したことで、コミュニティの形態が変わったとよく言われます。誰とも共有できなかった趣味でも、インターネットを介せば必ず仲間が見つかるようになりました。どんなに小さくても人が集まれば市場となります。この原理を最初に上手く利用したのがショッピングサイトAmazonだというのは有名な話ですね。報道においてその市場を開拓したのは「ブログ」とそれを執筆する「ブロガー」だったと考えています。

ブロガーは企業ではありません。企業ではないからこそ自己満足のみを求め、金銭的な利益を求めません。だからどんなマイナーな情報でも自由に取り扱って損することはありません。しかしその報道で得をする人も同時に存在します。順序は異なりますが、そのブログを中心としてコミュニティが発生するからです。まだ知られていないスポーツの面白さを伝えていくには金銭に左右されず自由に情報発信できるブロガーの存在は不可欠です。

ライターにはライターにしか出来ないことがあります。同時に、ブロガーにはブロガーにしか出来ないことがあります。地域リーグの魅力はブロガーにしか発信できないと考えていたからです。

おわりに


僕はライターという一見して華形の職業に憧れて挙手した人物ではありません。(一度は憧れ、宣言していたのは事実です。あるいは便宜上、そうお答えしていたこともありました。)サッカー日本代表をもっと強くするにはJリーグだけでなく、地域リーグの面白さを伝えなければならない必要があると感じたから今に至っています。その手段の一つがブログ「ここからJリーグ」でありライター「龍星ひかる」です。

東京偉蹴もまた僕の願いを叶える手段の一つです。都リーグや関東リーグといった(大義での)地域リーグを直接報道できる機会を得ることが出来ました。そしてもう一つ、ブロガーだった僕がライターとして自立することで、ブロガーがライターを目指す人達の登竜門の一つとして認知してもらえるようになればと思います。その際の彼らの手段の一つとして地域リーグに目を向けてくれたら何と嬉しいことか。

僕はまだまだライターとして未熟です。ライターとしてどころか、社会人としても未熟さを痛感しています。勉強することは未熟トマトの葉緑体ほどありますが、少しずつでも毎日のように真っ赤なリコピンを生成出来るよう努めます。かなり端折りで言葉を並べましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回からはまた現場のリアルをお伝えできたらと思います。
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