"スポーツをする場"としての中学校の部活動 | SPORTS PLANET スポーツプラネット

"スポーツをする場"としての中学校の部活動

こんにちは。nonと申します。現在大学4年生です。
先日は神宮球場の平日デーゲームに関する記事を書かせていただきました。
プロ野球が好きで、特に球場でのイベントや企画に興味があります。また、地元埼玉県のスポーツについても関心があり、今後はそれらを中心に書いていこうと思います。

ですが…
今回は少し趣向を変えて、中学校の部活動について考えてみたいと思います。
実は、先日まで公立中学校で教育実習を行っていました。
みなさんの中にも、中学校の部活動を通して本格的にスポーツに取り組み始めた方が多いのではないでしょうか。
スポーツビジネスという当ブログの趣旨からは少し逸れるかもしれませんが、今回は自分が教育実習をする中で感じたことを中心に、”スポーツをする場”という観点から、中学校の運動部について、クラブチームにも触れながら考えたいと思います。
なお、プライバシー等もあって具体的な事例が出せずに抽象的になってしまうこと、各地域・学校等によっても差があることをご了承ください。

まず、中学校の部活動について思いつくメリットをざっと挙げてみたいと思います。
①好きなスポーツを毎日出来る
小学校でも学校のクラブ活動やスポーツ少年団、習い事としてスポーツをする場があったとしても、決まった曜日や時間でしか行えないことが多いのではないでしょうか。その点、中学校で部活に入ると、ほぼ毎日部活動としての時間と練習場所が確保された形でスポーツが出来ます。毎日行うことで、基礎的な体力や技術の習得、継続が必要な練習を行うことが出来ます。
②費用面
ユニフォームや道具など練習や試合で必要なものの購入はしなければなりませんが、それ以外の場合に掛かる費用は、外部でスポーツをする場合と比較して安価で済みます。

さて、このようなメリットがある中で、中学校の部活動に存在する問題点とはなんでしょう。

①指導者の質
先生の中にはある競技の部を強くするのが上手い先生がおり、その先生が勤務している間にはレベルの高い環境でスポーツが行えるでしょう。しかし、中学校の先生は5年程度のサイクルで異動をしています。そのような先生がずっと一つの学校にいるわけではなく、先生が異動した途端に、部が途端に弱くなってしまうことも稀ではありません。

②やりたいスポーツが出来ない
中学入学と共に部活に参加することはスポーツを本格的に始めるチャンスですが、いざやりたいと思っていた競技が進学先の中学校にあるとは限りません。近年の少子化の影響や、その時代の流行などもあり、人数の集まらない部は廃部になってしまうケースが少なくありません。私自身も中学時代、やりたいと思っていた競技の部が入学する前に廃部になってしまい、とても悔しい思いをしました。また、私が在籍時には強豪だった部も、先生の異動や流行の波にのまれ、数年前に廃部になり今では存在していませんでした。

このようなことを考えると、中学校で好きなスポーツをすること、また、それを高いレベルで行うには、在籍するタイミングでその学校にやりたい競技の部が存在しているか、そして優秀な指導者となる先生がいるかなどの『運』によって決まってしまうと言っても過言ではありません。

そのような状況に左右されず、好きな競技をしたい。高いレベルで行いたい。学校以外でもスポーツをしたい―そのような生徒に対しては、クラブチームの存在があります。有名なものとしてはサッカー、野球はシニアやボーイズなどのチームが古くから存在します。実際、実習校の陸上部に所属する男子生徒の3分の2は、このようなクラブチームに所属してスポーツを行っていると聞きました。
クラブチームの中にはプロのコーチが指導しているクラブもあり、レベルの高い環境で行うことが出来ます。また、生徒はその競技をやりたくて来ているので、意識やモチベーションの高い仲間と共にスポーツをすることが出来ます。

また、スポーツ競技の多様化で、中学校の部活動の範疇に留まらない活動を行いたい生徒も増えてきています。実習校の生徒の中にも、学校にはない競技を外部で行っている生徒が数多くいました。このような生徒にとっては、クラブチームは非常に大きな存在になってくるでしょう。
ほんの少しだけ、無理やり(笑)ビジネスと絡めると、クラブチームの経営は、サッカーなどの下部組織が整っている競技以外では、地域の人々のボランティアで成り立っていることが多いと聞きます。近年の少子化の影響として、家計に対する子ども一人当たりに向ける支出の割合は、増加傾向にあります。このような生徒が現在全国的にどの程度存在しているかは不明ですが、ニーズがあるようであれば、ビジネスとして確立し、生徒や親に対してアプローチをしていくことも面白いのではないかと思いました。

話を部活動に戻すと、教育的な面では、学校で生活する友人と共に目標を目指すことの大切さを知ることが出来ること、社会で必要な上下関係やマナーを身に付けられることなどが考えられます。体力の増進や技術の体得はもちろんですが、中学校の部活動はこの面が強いとも言うことが出来ますし、部活動の経験のある方はそれを身をもって感じていることと思います。

皆さんは”スポーツをする場”としての中学校の部活動をどう考えますか?