■長文失礼:「手が小さいために指の股を切る」 | 60代からのジャズピアノ。【オンラインレッスン可、初心者、シニア対象。脳トレ・認知症予防コース有り。】

■長文失礼:「手が小さいために指の股を切る」

そんなシーンをドラマや映画で見た事がある方は多いと思います。  

でもあれは嘘です。そういう手術をしている病院もありません。ドラマや映画が作り出した都市伝説です。  


もし本当に指の股を切る手術をしようと思ったら大変です。  

手にメスを入れる訳ですから相当なリスクが生じます。

様々な神経が集中している部分ですので、もしかしたら手術中に神経を切ってしまうかもしれません。プロの整形外科医師がそのようなミスはしないとしても、手術後は手は多少なりとも腫れるでしょう。  

腫れが収まり抜糸も済ませ、手が落ち着いてピアノが弾けるようになるまで相当な時間がかかるはずです。指の股を切る程の決断をするピアニストが、ピアノを練習できない日々が続くのは非常にプレッシャーですし、耐えられない事でしょう。  



世界的クラシックギタリストの村治佳織さんは、練習ができなくなるという理由から遠足も修学旅行も行った事がないようです。でもその代わりに様々な国際コンクールで優勝をし、世界的なクラシックギタリストになったのです。  

世界を行く音楽家は1日たりとも練習は休んではいけませんし、逆に言うと、それができる人が世界的な音楽家になれるのでしょう。  

こんなシビアな世界の中で、手術が終わって手が落ち着くまで何日も練習ができないというのは、世界を目指す音楽家にとってはかなりなマイナス要素になります。  



そもそも指の広がりに指の股は関係なく、広がりを制限しているのは「中手横靭帯」という組織です。この靭帯を切断したら、元々持っている正常な指の動きの多くを失い、握力も落ちるかもしれません。

それに、切ったところで世界に通用する一流のピアニストになる保証はありません。  

私は手が小さく、私(=男性)より手が小さな男性は今まで会った事がありません。大体一般的な女性と同じくらいですが、そんな手術が実際あっても絶対受けません!(笑)



手の小さい私であっても9度音程(ドからレまで)は届きますし、普通にピアノを弾き、普通にピアノを指導する分には不便を感じた事はありません。  

世界的ピアニストの中村紘子さんはオクターブしか届きません。やはり手の大きさは二の次で、練習第一という事です。  

手術にかけるお金があるならば、よりいい先生についたり、一流の音楽家が出演するコンサートをたくさん見るなどの自己投資にかけた方が現実的ですし、そもそも、手が小さい事を悩んでいる暇があったら練習をするべきです。    


ちなみに、手が大きすぎると、鍵盤の奥行きが足りなくてかえって弾きにくいそうです…。手が大きかったら大きかったで、不便はあるものなのです。


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