『退治や排除とかじゃなくて、
そろそろ共存する道を考えませんか?』
と、オニ目線で節分を語ってみました。
・・・今回は童話にチャレンジです。
見えたイメージを絵にしたら、絵本の挿絵みたいに
なっちゃったのでそれならばと。
ちょ~っと長いけど、龍出てきますから!
読んでみてください‼
『かしこいうさぎ』
「ねぇねぇ、ねぇってば。」
たっくんが森を探検していると、
うさぎが話しかけてきました。
「追いかけっこしようよ。」
そう言うと、うさぎはあっという間に
走り去ってしまいました。
「ちょっと待って!」
たっくんもあわててうさぎになって追いかけました。
たっくんは自分がすごく速く走れることにびっくりしました。
(走るのって楽しいな。
体がバネみたいに上手に動いて、体中の細胞がぷちぷちよろこんでいる。)
うさぎは見たことないほど速く走り、なかなか追いつけません。
(よぉーし!)
たっくんは風になりました。
びゅーんっと草木を揺らしてうさぎを追いかけます。
草木の心がたっくんに溶けるように入り込んできました。
たっくんはちょっとだけ草になってみました。
(そうか、草や木は自分で動けないから、風にゆられるのがうれしいんだ。
ゆられた刺激が奥まで伝わって、やっぱりぷちぷちぷちぷちよろこんでいる。)
うさぎは川のほとりで水の中をのぞき込んでいました。
たっくんも横にならんでのぞいてみました。
「ねぇ、水になってみる?」
うさぎが言ったとたん、たっくんはもう水になっていました。
水の中にはたくさんの生き物がうごめいていました。
目に見えない小さな生き物もたくさん。
水は生き物ぜんぶをとっても大事に思っていました。
たっくんは小さな生き物になってみました。
(小さい生き物たちは、みんなでひとつの心なんだ。
ひとりの気持ちをみんなが分かってる。なんだかぼく、この感じを知っている。)
たっくんは運動会のダンスのときや、
音楽会でみんなで合わせるときの感じを思い出していました。
小さい生き物たちは、いつもそんな感じで生きていたのです。
うさきは大きな木の根元から、木の中に入っていきました。
たっくんも追いかけました。
木の中は真っ暗でした。
(こんなに真っ暗だと、自分の体が溶けちゃったみたいな気分。)
ものすごいスピードで木の中を上っていきます。
たっくんは自分が走っているのか、うさぎが走っているのかよくわからなくなってきました。
すると、細い光の線がたくさん出てきて、空に向かってぐるぐる昇ってゆきました。
たっくんは光になりました。
光は束になって透明な、光の龍になりました。
そしてエイッと空へとジャンプするように舞い上がりました。
(あの龍はさっきのうさぎだ!)
「また遊ぼうね。」
うさぎだった龍はそう言うと、空に溶けてゆきました。
おしまい。
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実際のイメージの中では、
このうさぎは『ねぇねぇ』じゃなくて
『ついて来い!』と走り出したので、
この身に覚えのあるエラそうな命令口調、
さては龍だな、とすぐ分かりました。
龍は馬や鳥以外にも変身できるのかなー
と考えた日の夜だったので、
お返事だったんだと思います。
うさぎ、風、草木、水、なんでもありだってことね。
もうちょっと絵が上手になりたいね。
次回はもっとずっと短いお話です。
『開始』のペガサス↓
の、その後を絵本風にしてみました。