「あ、あの人スカウター装備してる!」
と言った。
え、どれどれ。と指差す方向を見ると、50メートル位離れた所に、黒いTシャツでコチラに背中を向けている男がいた。
品物を物色しながらうろうろしている様子で、横顔にうっすらと不自然な装備が見える。
あ、ホントだ。やべー。あいつマジイカス。
その時はそれで終わった。
るるに店を任せ、他の店舗を見て回って、戻ってきて、さぁ店番を再開しようと言う時にそいつはやってきた。
殿下ブースを舐め回すように物色している男がいる。
男「おい、このジッポすげー良いヤツだろ。俺にはわかるんだよ。」
殿『あ、解ります?良いジッポですよー!』
男「お前これもっと安くしろよ。」
殿『3000円って書いてありますけど、1500円でいいっすよ!』
男「お前俺を舐めてんのかよ。1000円にしろよ。」
殿『いやいやいや~1500が限界っすわ~!』
男「買ってやるっつってんだよ、1000円にしろよ!」
ああ、俺絡まれてる…。
そしてるるを始め、手伝ってくれてる人達が引いてる…。
笑顔を絶やさず、相手の挑発を受け流しつつ対応してると
「お前、俺とケンカすんのか?言っとくけどな、俺すげーつえぇぞ。俺の戦闘力は62万だぞ。」
は?
「お前な、俺は相手の戦闘力が見えるんだぞ。お前の戦闘力見てやろうか?」
おもむろにバッグから取り出したものを装着する。
ああああああああああ!!!!!
さっきのスカウター男!!!!!!
一気に盛り上がる皆さんと予想外の食いつきにたじろぐスカウター男。
男は「シックス」と名乗った。
シックス「今からお前らの戦闘力見てやるよ。」
シックス「(カイネを指差し)そこの女。お前は戦闘力2500だ。」
シックス「(るるを指差し)お前。お前は戦闘力65000だ。なかなかやるな。」
シックス「(殿下を指差し)そしてお前、お前の戦闘力は15000だ。」
15000…中途半端だな…。
シックス「このジッポ、俺が買おう。お前が使っていたジッポをこの俺が使う。言わば魂を受け継ぐわけだ。それって凄い事だと思わないか?」
そう言って立ち上がった男のTシャツにフリーザ様が…
この男…
香ばしい…!
殿下のドS心に火が着きました。
以下、記憶に残っているやり取りを抜粋。(シ:シックス 殿:殿下)
シ「お前、俺の兄弟にならないか?」
殿『ヨロシクな、ブラザー!』
シ「お前、本当は強いだろ?」
殿『俺が強い?俺なんてお前の足元にも及ばねーよ!』
シ「実はお前の戦闘力は65万だったんだ。さっきは俺より強かったから悔しくて言えなかったんだ。」
殿『数値の上では俺の方が上かも知れないが、魂のレベルはお前の方が上だぜ!』
シ「なぁブラザー、500円くらい良いだろ?1000円にしてくれよ。」
殿『500円くらい良いなら2000円で買ってくれよ兄弟!』
シ「お前…やるな。」
シ「兄弟って言うからにはどっちが上か決めようぜ!俺、29歳。お前は?」
殿『俺?31歳!(嘘)』
シ「じゃあお前が兄貴だ。俺は弟分でいいぜ。」
殿『おう、よろしくな弟よ!』
ス「アニキ、よく見たらかっけーすね。」
殿『良いからお前ジッポ買わねーの?どーすんだよ!』
シ「このスカウター、ザーボンと一緒なんだぜ!」
殿『いーから早く買えよ!』
シ「(ザーボンネタに食いついたカイネに対して)お前に言ってんじゃねーよ!」
殿『シックス!てめー絡んでんじゃねぇよ!こっち来い!』
シ「(殿下の肩に頭を乗せて)アニキィ…」
シ「アニキには負けたよ。ジッポは1500円だな。俺が死んだ時、このジッポも一緒に棺桶に入れてもらう事にするよ…」
殿『チ○コアクセサリーも買ってけよ!俺とお揃いにしようぜ兄弟!』
シ「お前…やるな。」
(チ○コアクセサリーを前にして)
シ「うー…ん、(唯一まともなカエルを選び)これにしようかな。いくら?」
殿『500円!』
シ「(1000円札を出し)ん」
殿『お、二個も買ってくれんのか!はいよ、カエルとチ○コ!』
シ「お前…やるな。」
シ「(るるの頭をポンポンしながら)お前、俺とやんの?あ?」
殿『おいシックス、その人俺より年上だぞ』
シ「…すんませんでした。」
(シックスが取り出したサイフにタスポが。苗字判明。)
殿『おいシックス。お前、中川って言うの?』
シ「ちょwwお前マジやめろよwww」
殿『中川シックス~wwwww』
シ「ちょwwwwおまwwwwwふざけんなwwwww」
そんなこんなで最終値下げしないとマズい時間に。
空気読まずに居座りそうだったから、肩を組んで強制的に帰りを促す…
(歩きながら)
シ「俺、最後にお前と戦いたい。殴って良いか?」
殿『あー俺普段は自分からは絶対にやらないけど、冗談でもやられたらマジでキレるから止めた方がいいよ?マジで。やるなら手加減しないけどどーすんの?やる?』
シ「…お前には絶対に手を出さねぇよ。」
殿『解ればいいよ』
シ「ホントすんません。」
殿『良いってw』
シ「土下座すればいいっすか」
殿『ちょwwww』
そして堅い握手を交わしシックスは去っていった。。。
他にもいろいろオモロイ事言ってた気がするけど、記憶に残ってるのはこんな感じかなw
シックスの登場で、通常のフリマでは得られない何かを得られた。
そんな気がしたw