６．高校生の部活動経験が規範意識の形成に及ぼす影響
［目的］高校部活動の経験が規範意識の形成に及ぼす影響を検討すること。
［方法］予備調査で得た情報を基に作成した「公共規範意識」「自他規範意識」からなる暫定版規範意識尺度、部活動コミットメント尺度、被規範指導尺度他で構成された質問紙調査を実施。
［結果と考察］主な結果は、以下の通りである。
１．因子分析（主因子法・プロマックス回転）による検討の結果、高校生の規範意識には「学校生活を含む公共規範意」と「自他規範意識」が認められた。２．「部活動への所属状況」と「規範意識」の水準には差異が確認されなかった。３．「部活動へのコミットメント」の水準と「規範意識」の水準との間に正の相関があることを確認した。４．「部活動へのコミットメント」と「規範意識の指導」との間に正の相関を認め、特に規範意識の指導の中でも「価値の指導」との関連を認めた。以上の結果、「部活動へのコミットメント」と「規範意識の指導」の双方からの影響が高校生の規範意識の形成を促進している点が示唆された。
キーワード：高校生、規範意識、コミットメント、規範意識の指導、価値の指導