御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに4




「ああ、あの時の・・・・」横綱はすぐ思い出したようだった。


追いついてきたねえちゃん。


オレは、横綱にぶつかった。横綱は、がっしりオレを受け止めた。



御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに1





オレは、渾身の力を込めて横綱の体を押した。


地面に投げつけてやろうと思った。


でも、横綱は山みたいにでっかくて、ずっしりしていて、微動だにしないんだ。







御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに3



横綱が、ぽんと軽く押しただけで、オレはヨロッとふらついた。


ちくしょう!!


オレは何度も何度も横綱に向かっていった。


横綱はでっかい胸にオレを思う様ぶつけさせ、力を入れて押すオレを受け止めた。


ちくしょう!!


がむしゃらに向かっていった。


力がなくなって、へとへとになるまで・・・。


くそーっ!


ちくしょうーっ!


ぶつかっていく度にオレをがっしり受け止めてくれる、


力強くて、暖かい、横綱の胸・・・。













「うわああぁぁん!ねえちゃーん」


「もういい、もういいよ、葉太。強かったね!ねえちゃん、見てたよ、葉太の強い所!」






御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに7






「横綱!待ってろよ!オレが大きくなって、おまえを土俵下に叩き付けてやるからな!


それまで、引退するんじゃないぞ!」


横綱は、オレに手をあげて、ニッと笑うと去っていった。




御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに2










とうちゃん・・・・・・。


オレ、とうちゃんってしらないけど、もしいたら、あんな感じかな。




























それからしばらくして、横綱・かぼちゃ山の結婚パレードがにぎやかに行われた。


老いも若きも、みな、若い二人の前途を祝福した。



御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに6




わたしは、遠くから、一目ふたりの姿を見ただけだった。


おめでとう。横綱。


おしあわせに・・・・・・。


わたしはいま、あなたと同じくらいしあわせです・・・・。





御馳走☆デリシャス☆恋童話-おしあわせに5


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