『見て、彼から貰ったの。』

そう言って僕に手をさし出すA子

その薬指には見覚えのある指輪が

窮屈そうにはまっていた

『良かったね、彼氏できたんだ?』

『うん。…でもね、彼には彼女がいるの。』

『えっ?それ大丈夫なの?』

『…私もね心配だったけど指輪くれたし、大丈夫。』

大事そうに指輪を撫でながら

僕の目を見て微笑むA子

『私の彼見たい?』

唐突に言うA子

『あっ、うん。見てみたいな。』

カバンから携帯電話を取り出し

画面を僕に向けると

『ほら、素敵でしょ。』

そこには僕と僕の彼女が写ってました

『隣がその邪魔な女なの。

だからここに来る前にその女から

この指輪を奪ってやったの。』

そう言ってテーブルの上に置いた

それを見て僕は絶句した

テーブルに置かれた白く綺麗な薬指には

ネイルが塗られていた

昨日嬉しそうに僕の彼女が見せてくれた

キラキラ輝くネイルが…