11月27日に発売となった「ウイニングイレブン2009」。

小生も発売日にPS3版を購入してきました!!


そこで今回は、軽く触ってみた感じをレポートしてみたいと思います。


◆PS3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2009」 ◆Xbox360:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2009」
◆PS3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2009」
◆Xbox360:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2009」


■圧倒的に攻撃側が強いゲームバランス


今作では選手のAIやモーションが一新されていますが、

一番恩恵を受けているのが攻撃側です。

ロングパス・センタリング・スルーパスへの反応が格段に良くなっており

特にセンタリング・スルーパスに関しては操作しなくても

自動でボールへと走りこみ、簡単に守備側を振り切ってくれます。


しかも今作のシュートは以前のシリーズに比べ決まりやすくなっています。

パワー調節さえできればほとんどのシュートが枠に飛ぶため

普通に打てばわざわざR2ボタンを押さなくてもかなり精度が高く強いシュートが打て、

こぼれ球を押し込むことも容易に狙えます。

おまけに攻撃陣はこぼれ球への反応も素早いため、

シュートを打てればかなりの高確率で得点のチャンスとなります。


攻撃が圧倒的に強い理由、

もう一つは守備側のボールへの反応の悪さです。


攻撃側は浮き球・ルーズボールへの反応が素早いことはお伝えしましたが、

逆に守備側の反応はものすごく悪いです。

特に浮き球への対応は信じられないほど悪く、

基本的にコンピュータはほとんど対応できないと思って間違いありません。


今作のフライ系パスは高く上がりながら急激に落ちるためヘディングで対応しづらく、

しかもコンピュータに任せると最悪届かないボールへ勝手にジャンプすることも多いため

ボールを上げられた場合、高確率で走り込んできたFWなどにあっさり振り切られます。

さらにコーナーキック、フライスルーパスではたとえボールに反応できても

走り込んでくる攻撃側には対応できない(しない)ため、かなりの確率で競り負けます。


またウイイレの代名詞ともいわれるドリブラーの強さですが、

今作でもあまり変わっていないと感じます。

ボールタッチもドリブル側はとても細かく調節でき、

世界的プレイヤーであれば全員ドリブルスピードもかなりのものなので

一度振り切られてしまうとほとんど追いつくことは不可能です。


また一時期ウイイレシリーズで猛威をふるったミドルシュートですが

今作でも適当に打っても枠ギリギリを自動的に狙ってくれるため、

非常に決まりやすい印象を受けました。

特にPAライン手前くらいの距離であれば

角度に関係なく決まりやすくなっていると思います。


総合すると「ウイニングイレブン2009」ではフライパスへの対応の良さに

従来通りのドリブラーの強さが加わるため、攻撃側が圧倒的に有利なバランスであるといえます。

上手い人に一度ボールを取られると全く触れられないまま点を取られることはざらですが、

フライパスを駆使すれば一矢報いることは簡単にできる、そんなバランスです。


攻撃側の強さばかりが目立っていますが、唯一の弱体要素がショートパスです。

今作ではボールをキープしていると味方が勝手に走っていくため

横にパスを出すと受け側が「逆を取られる」かたちになりやすく、通らないことがよくあります。

守備側もフライパスには弱いですがグラウンドパスには従来程度の反応はするので、

細かくショートパスをつなぐサッカーはしづらくなっているように感じました。



■びっくりするほど安定性の悪い「NETWORK(オンライン対戦)」


新モード「レジェンズ」やオンライン対戦に対応しているオンライン。

小生もかなり期待していたのですが、

残念ながら安定性の悪さばかりが目立っています。


対戦中に選手やボールが消えたりワープしたりすることはザラ。

ひどい時にはルーズボールを追いかけていたら画面が止まり、

再開したらなにもしていないのに自分側の選手がボールをキープしていて、

しかも相手を振り切った状態になっていたことがありました。


またラグ(遅延)もプレイにならないほどひどいものが多発し、

画面が止まる・操作に反応しない・勝手に選手が動くことがよくあります。

選手が勝手に動く時はスーパーキャンセルでも止められないので、

チャンスのときに自分からラインを割っていく選手をただ見るしかない時は

本気で泣きたくなります。


さらに問題なのは、ラグの影響かAIの動きが1人プレイ時とオンライン時でかなり異なること。

特に守備時に顕著で、コンピュータとの対戦ではボールに反応していたAI守備が

目の前を転がるボールをただ見送ったり、かと思えばいきなり意味不明な動きをしたり・・・

守備時は常にスーパーキャンセルしていないとゲームにならない感じですね。


今作では接続相手ごとに回線状況がわかるようになっているのですが

相手の回線状況がどうあれ、ほとんど変化はないと感じます。

小生は「9」「X」のときにもオンライン対戦をしていて、その頃もラグなどはありましたが

ここまでプレイにならないほどの現象が多発したことはありませんでした。


つい先ほどまでもサーバーの都合で接続できない状態になっていましたし、

もうちょっとなんとかしてほしいというのが正直な感想ですね。



■総評:

『攻めの美学を追求するなら「2009」、リアル感を追求するなら「FIFA09」』


良くも悪くもサッカー「ゲーム」として進化しているウイイレシリーズ。

「2009」ではフライパス・ボールへの反応が強化されたことにより、

パスを回しているだけでテレビで一流選手が見せるような

美しいプレイを簡単に再現できるようになっています。

特にスルーパスが決まった時の気持ちよさは特筆ものです!


しかし守備側の動きはかなり問題が大きいですね・・・

AIの浮き球への対応は素人レベルで、

とても世界で活躍するプロのプレイを参考にしているとは思えません。

スーパーキャンセルをどのくらい使いこなせるかが鍵となっており、

攻めよりも守りでテクニックを問われるのが今作の特徴です。


「2009」は発売時期のかぶった「FIFA09」とよく比べられていますが

「FIFA09」が「シミュレータ」だとすると、「2009」は完全に「テレビゲーム」です。

リアル感という意味では「FIFA09」に軍配が上がると思いますが、

手軽に芸術的な攻撃が楽しめて、「ゲーム」ならではの爽快感を求めるなら

圧倒的に「2009」のほうが上だと思います。

「サッカーの魅力は攻撃だ」と思う方には鉄板の作品だと思いますよ!


あとはオンライン機能を、特にサーバーをなんとかしてほしいですね・・・