◆Wii:「ディザスター デイ オブ クライシス」
◆Wii:「ディザスター デイ オブ クライシス」

当ブログ初のゲームレビューは「ディザスター デイ オブ クライシス」です。

一時は発売日が決まりながらも延期となり、その後発売日未定が続き、突然今月25日に発売。

「災難」が続きながらも高い注目を集めた今作を小生なりにご紹介していきたいと思います。



▽考え抜かれたステージ演出・緊張感ある演技が盛り上げるストーリー


「ディザスター」のゲームシステムは一口に言うと、

「バイオハザード+タイムクライシス+マキシマムチェイス+おどるメイド・イン・ワリオ」

といえば、ゲームに詳しい方ならわかりやすいでしょうか?


「バイオハザード」のようにマップ上を目的達成のため探索し・・・

「タイムクライシス」のように物陰に隠れながらオートスクロールで敵と撃ち合いをし・・・

「マキシマムチェイス」のように目的地まであらゆる手を使ってかっとばし・・・

「おどるメイド・イン・ワリオ」のようなリモコン操作で災害を乗り切っていく・・・


ゲーム的に「ディザスター」独特の目新しいシステムなどは使用していないため、

上にあげたようなゲームをご存知の方ならすんなりプレイできる作品だと思います。


なかでも特筆すべきは「カーチェイスステージ」の楽しさ。

基本的に火山の噴火、洪水、津波などの災害から逃げきることが目的となるのですが、

今作のカーチェイスステージはギミックが豊富で、またカメラワークにも優れています。


カメラワークは過去の名作映画を参考にしているようですが、だからこその迫力がありますし

また火山岩が車に直撃して爆発するタイミングなどのギミックはひとつひとつ計算されているので

没入度も半端ではなく、本当に映画の中のアクションヒーローになった気分を味わうことができます。

ステージ自体も短めで、力技でぶっとばしてもなんとかなる難易度なのもうれしかったですね。


声をあてている方々の演技も非常にしっかりしており、

同系ゲームでたまにある「ゲームよりも演技で白けて面白くなくなる」ということはありませんでした。

ストーリー自体は王道的な展開なので、演技が駄目だとすぐに白けてしまう危険性大ですが

「ディザスター」は最後まで緊張感を切らさずにプレイすることができました。


「ディザスター」はゲーム性もさることながら、綿密に計算された演出・ギミック・ステージ構成が光り

ゲームでしかできないパニックアクションムービーの見せ方・楽しみ方を提示した作品だと思います。

パニックアクション映画が好きな方にこそ、ぜひプレイしてニヤニヤしていただきたいです。



▽本当に何か探すだけの「探索ステージ」・せわしない「スタミナゲージ」


ただシステムまわりをみると、今作は残念なところが多々みられますね。

特に「探索ステージ」と「スタミナゲージ」には問題が多いかなと思います。


まず、ほかのゲームなどでもよく見られる「スタミナゲージ」という概念ですが

今作の「スタミナゲージ」はなにもしなくても時間が経つと徐々に減り、

ゼロになるとスタミナが回復するまでライフが減っていくというものです。


しかしスタミナを回復させるためには「回復アイテム」を使う以外に方法がなく、

回復アイテムを獲得するにはマップ上に点在するオブジェクトを壊して探すしかありません。

スタミナゲージ自体も減る速度がかなり早いため、常にゲージの減少を気にしなければならず、

探索ステージでは気がついたらアイテムを探すためオブジェクトを壊してばっかりになります。


またスタミナゲージはシューティングステージでも時間の経過とともに減っていくため、

「物陰に隠れていたらスタミナがなくなって撃たれていないのに大ピンチ」になることもありました・・・


結局のところ、スタミナゲージは別のゲームでよくある「時間制限」と同じもので

「バイオハザード」に時間制限が常にあると考えていただければわかりやすいと思います。

スタミナゲージによりせっかく作り込まれているマップをゆっくり探索することができず、

特に探索モード中は常にせわしない感じでプレイしなければならないのは残念です。


さらにプレイヤーキャラには成長要素があり、プレイ中獲得したポイントを

スキルの獲得や武器の購入・強化に充てることができるのですが、

スキル用のポイントと武器関連に使うポイントは別々に設定されています。

このためスキルを獲得するにはマップ内のわかりづらい場所にいる被災者を探して救出し、

武器ポイントが足りない場合、ステージの合間に射撃場などでポイントを稼ぐ必要があります。


被災者の救出はまだわかるのですが、射撃場はまったく本編と関係ありません・・・

映画のようなストーリー展開を楽しむゲームながら時間のかかる経験値稼ぎが求められるため、

プレイしていて「ポイントはいいから早く先に進みたい」と思うことも多々ありました。


なお探索ステージ中は敵とのバトルや被災者の救助などのイベントも起こりますが

イベント前必ず「ムービーなどが入ってモードが切り替わる」か「ボタンを押す動作」を要求されます。

いきなり敵に襲われたり災害に見舞われアクション要素を求められることは一切ないため、

探索ステージでは本当に何かを探しているだけの、あまり楽しみのない状態が目立ちました。

もう少し探索ステージならではの楽しめる要素があれば、もっといいゲームになったと思います。



総評として、ゲームシステム面で荒さは目立ちますが

演出面はすべてを帳消しにするほど素晴らしく、

他のパニックアクション作と比べても突出していると思います


アクション映画が大好きな方には文句なくお勧めできる作品です。

ぜひ、大きな画面でプレイしてほしいですね。


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