前記事「一糸に報いる」にツイッター上にて反論をいただきましたので、論戦を振り返りつつ総括したいと思います。

まずは、前記事から該当部分を抜き出してみます。

■一括工事で作業効率は上がるのか

一日五件以上の引き込み工事をどうやってこなしていくか考えてみます。
ソフトバンクの案件では一括工事にすれば作業効率が上がり、コスト削減にもつながるということになっています。 これに対して、詳細が不明で本当に作業効率が上がるのか疑問ということのようですが、作業効率化の具体的方法論について、私なりに予想してみました。

まず、工程および工事部隊を2種類に分けてみたいと思います。

まずひとつは、「電柱の架線から建物外壁まで光ファイバーを入線する工程」と、入線工事部隊。
もうひとつは、「建物外壁から宅内に引き込み回線終端装置に接続する工程」と、宅内工事部隊。

入線工事部隊は高所作業の有資格者とバケット車、交通整理員を配置します。
道路を占有しますので、渋滞を招かぬよう、工事時間は9~17時までか、場所によっては夜間作業となります。
ポイントは建物外壁までということ。事前に営業担当が工事の説明を行って引き込み場所の確認をしておき、また、関係者の了解をすべて得ておけば、家人が留守でも工事ができます。
工事側の都合のいい日程で一括工事するローラー作戦なら、移動のロスや道路使用許可申請の手間などが大幅に減り、効率よく作業をこなすことができます。

一方、宅内工事は家人の立会いのもとに行なわれなければなりません。
ですので、スケジュール調整が行いやすいように、9時~17時の班、12~20時の班に分けたり、休日をシフトして土日も工事を受け付けるなど、相手先の都合に柔軟に対応していきます。
このように宅内工程は、相手先の都合に合わせることで短期集中を目指します。

すごくシンプルな案件です。これによって、

入線工事部隊1部隊で、入線工事一日15件以上を目標にします。
宅内工事部隊2部隊で、宅内工事一日15件以上を目標にします。


以上が前記事で述べた各世帯への引き込み一括工事で効率を上げる方法論です。
では、ツイッター上の議論を追いながら、掘り下げて考察してみましょう。

ポイントは建物外壁までということ。事前に営業担当が了解をすべて得ておけば、家人が留守でも工事ができます。

外壁工事だろうと住人の工事後確認は必要。「家の外壁に傷が!あの時の工事のせいに違いない!」とかヤダモン

おるなあ。目立つキズがあれば着手前に写真撮りながら。やっちまった時はこちらから正直に言う。それでも言いがかりってのはあるなあ。

個人宅の外壁写真はプライバシーの問題があるので無理です。下手したら訴えられますよ。

マジか。ああ、工事に文句つけたら写真だされて「勘違いです」と諭されてしまい、ひとの家を勝手に写真撮りやがってプライバシーの侵害だと逆ギレ… ありそうだなあ。(^^;

じゃあどうするか? 「工事の模様をビデオに撮影し記録しながら行いますので、当日の立ち会いは無しでもOKです」と前もって伝えておく。これだぜ。

写真よりプライバシー情報が多いじゃないですか…。

「そうすると何かあった場合も、全額こちらで弁償させていたくことができますので」と前もって伝えておくなど、言い回しひとつでこちらの誠実さを伝える事ができる。また、パシャパシャひとの家の傷を探し写真に撮るよりも、ワンカットで作業風景を記録しているほうが自然なわけですし。そもそも窓越しに家の中を撮影したり取材目的ならプライバシーの侵害というのもわかりますが、工事目的で作業状況とともに建物外観を撮影するのがプライバシーの侵害に当たるのか、いちど裁判所の判断を仰いでみるのもいいですね。

工事時間分の映像を住人がいつ確認するんですか。

クレームが出たら、ひとまず「申し訳ございませんでした。すぐに工事担当者に確認をとります。また、作業を記録したビデオもございますので、確認が取れ次第、弁償させていただきます。」と伝えて怒りの矛先をかわす。後ほど、DVDに焼いた記録映像を渡しながら「担当者は工事には問題なかったと申しております。ビデオも確認しましたが、特に工事に問題はなかったかと思います。記録映像をお渡ししますので、もし、作業に不審な点がありましたらばお申し出ください」という感じかな。

いつまで誰が保存するんですか。

保存義務があるわけではなく、クレーム対策で自主的にやっていることなので。
作業記録用のHDDに日付を名前にしたフォルダをつくり、工事担当者の名前のファイル名でまとめてぶち込んでおく。
そして、3ヶ月くらい保管したら順次古いフォルダからフォルダごと削除でOK。

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屋内工事後に屋外要因の減損がでたら引き直しで二度手間。

どの位の発生率でしょうか? 数パーセントなら二度手間覚悟で。

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光の道は国策。やると決まってしまえば、それに対応すべくトップダウンで流れるもの。

メタルの巻き取りに必要な住人の意思は国の力でなんとかするわけですか。怖いなぁ

代替サービスを同程度の価格で提供する。それが回線会社の使命。

サービスの問題ではありません。工事業者が、個人宅に立ち入るための国の許可証を持ってるという事ですよ。

ガサ入れじゃあないし。^^; 説明説得しても工事許可が下りないところは、ひとまずローリング作戦からは外して個別対処だあね。それはしょうがない。

一斉工事の利点が消えてこれまた二度手間ですよ。最初から個別工事にした方がいい。緊密な長期計画において不確かな要因に左右されるような線は極力消すべきです

工事に非協力的な世帯は全体の何パーセント? 不確かな要素ではなく、いわゆる想定の範囲内というやつさ。

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強制大執行でもやんのか?w成田見てみろよ。

成田ですか。最近では地デジかな。経費を安く済ませるために、一括工事にご協力いただきたいのです。工事代はいただきません。

頂きたいって言っても希望なんか聞いてくんないよ。工事代タダどころか、金要求されるよ。

熱意と誠意、決意の説得あるのみ!

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緊密な長期計画において不確かな要因に左右されるような線は極力消すべきです

工事に非協力な世帯の割合ですけれど、工事費用が0円、電話基本料が据え置き、通話料はIP化で大幅に下がるとしますと、想定される割合は最大でも10%以下かな。根拠は例のA案B案アンケートですw

あのアンケートの信憑性は?

信憑性はないですなー。FYIといいますか、ま、憶測するための根拠程度です。いろんな人がいますので、誠意と熱意、ねばりの説得も全世帯FTTHへの鍵ですね。

説得の時間も人材も計上されてませんよ。スタート初日から全員工事でしょう?説得と工事を並行するなら一日の工事件数を減らさないと

専門の営業チームが工事の説明と説得を先に済ませ、おおよその世帯の了解が取れてから一括入線工事、個別宅内工事、一括メタル線撤去です。

営業チームってどこの会社のですか?説明なら全4000万世帯が対象。説明と言ったってルート確認が必要だから家の中に入らないといけないんですよ?何年かかるんでしょう?

五年ですね。松本氏は一班3名で計算していましたが、僕の分業案では入線班、メタル除去班は3名で、宅内工事班は熟練者1名かプラス見習い一人程度なので、人員にゆとりができます。その分を営業班にまわせます。地区ごとに営業回り、一括入線工事、個別宅内工事、個別入線宅内工事、一括メタル線撤去の段取りです。

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やったことがあるなら、地区毎に工事日を揃えて、まとめて一気に続けて工事を済ませて効率化、なんてことを全世帯を対象にできるわけがないことくらい、理解できるでしょう。

というわけで、「できるわけない」を「できる」にかえる方法論を、纏めさせて頂きました。いかがでしたでしょうか?
って、光回線の宅への引き込みの効率化について、水道事業者が既にしている方法論を中心に、纏めてみただけなんですけれどね。A^_^;)

それができるなら事業者の都合でADSLを光に変えると同意させるのはいとも簡単でしょう。 QT 引き込みの効率化

日程調整の秘策は如何でしたでしょうか? そう、効率化はいとも簡単にできます。
ひたむきにできると信じて取り組むなら、おおよそ不可能は可能に変わるものなのです。