◎ゴスペラーズの「ハモれメロス」を見て | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ゴスペラーズの「ハモれメロス」を見て

【Gospellers’ Make Harmony, Meros】

(ネタばれにはなりません)

鑑賞。

ゴスペラーズの最新ツアー、「ハモれメロス」を2014年10月26日(日)、神宮外苑の日本青年館で見た。ライヴの内容、セットリストなどについては、最終日11月25日以降まで書かないでくださいということなので、ネタばれにならない程度に。

今回のライヴというか、演目は、シアトリカル・ツアーと題されている。舞台・演劇と音楽が融合したエンタテインメント演目だ。ストーリー、物語があり、それをメンバーがセリフで演じ、そのストーリーに付随してさまざまな曲が歌われる。ただミュージカルではない。舞台(Play)と音楽パフォーマンス(Music Performance)がひとつの舞台になっているもの。

このタイプは1997年以降続いてきた劇場公演「アカペラ・シリーズ」の延長線上にあるもの。1997年「アカペラっぽいの好き」、1999年「アカペラ人」、2000年「アカペラ門」、2001年「アカペラ街」、2003年「アカペラ港」の5本を今はなき新宿のシアター・アプルにかけてきた。このあと、シアター・アプルが2008年末で取り壊されるときに、特別に劇場公演があった。ツアーで行くと、2003年以来11年ぶりとなるという。

ちょうど今、ユーミンの帝国劇場でやっている演目『あなたがいたから私がいた』もしばらく前に見たのだが、これは演劇のシーンとシーンの間にユーミンの歌が実にうまく挿入されている、やはり演劇と歌の融合作品だった。これはどちらかというと、劇の部分が多いが、一方、ゴスペラーズのほうは音楽が多い印象だ。

大きい会場、たとえば、普段コンサートをやる国際フォーラム(キャパ約5000人)のようなところでは、「芝居が伝わらない」という物理的な問題があり、1000人キャパの会場での公演となる。以前だとシアター・アプル(キャパ800)くらいがちょうどよかったらしいが、それが今はないので、今回、都内はこの日本青年館になった。

この会場に来たのは僕も本当に久しぶり。1980年代にはちょくちょくライヴを見にやってきた。すぐ思い浮かぶのが、キッド・クレオール&ココナッツはここで見た。1983年のことのようだ。ほかにもいくつか来たと思うのだが、すぐには思い出せない。1979年にオープンしたこの約1300キャパのホールはアマチュアのバンド、セミ・プロのバンドが、例えば、小さなライヴハウスの次に目指す会場で、ここで成功すると、次に渋谷公会堂や中野サンプラに進む、そんな会場だったという。確かマーチンもここでライヴやってたんじゃなかったかな。しかし、本当に久しぶりに中に入ったが、なんといっても、席が小さい、狭い!ぎゅうぎゅうだった。3時間近いライヴで、おしりが筋肉痛になった。(笑) あれだと、お相撲さんは座れないと思う。楽屋などもかなり昭和の雰囲気を漂わせているそう。

さて、結論を一言でいえば、「ほんと、おもしろい!」に尽きる。もう一度、見たい。(できれば前から3列目以内で。←ウソウソ) 構成も、パフォーマンスもストーリーもとてもよくできている。村上さんは「笑わせる劇じゃないですが」と言うが、けっこうポイントポイントで笑わせてもらった。そういう意味でもおもしろい。

この脚本は、村上さんの早稲田の先輩で小池竹見さんが書き、演出。これまでの「アカペラ港」をずっとてがけてきている旧知の仲だから息もぴったり。曲は村上さん自身が時代に沿った多数の曲の中から選び抜き、脚本の中に落とし込む。タイトルはいくつかの案を小池さんが出してきて、その中からこの「ハモれメロス」を選んだという。

最後村上さんが、「20年もやってこられたのは、みなさんのおかげです。そんなみなさんに恩返し(お礼返し)をするには、ライヴをたくさんやるしかないという結論に達しました」というようなことを言った。ファンの方ならご存知の通り、彼らはこの28本におよぶ「ハモれメロス」を2014年11月25日(火)に終えた後、休む暇もなく12月21日から3月末まで34本におよぶツアーに出る。(追記。その後第二弾32本が発表され計66本のライヴに)

ゴスペラーズは、今年は六本木のビルボードライブでのライヴをやったり、この「ハモれメロス」をやったり、通常のツアー・ライヴをやったり、もちろん「ソウル・パワー」を筆頭に各イヴェントに出たりと、本当に現役全力疾走感がすごい。グループもどんどんひたすら走って走っていって欲しい。メロスのように。

(追記)

あ、そうそう、現在公開中の映画『ジャージー・ボーイズ』を見てから見ると、2倍楽しめるでしょう。映画を見ないで見ても、十分楽しめますが。ただこれを見ると、『ジャージー・ボーイズ』をまた見たくなります。

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セットリストは、公演後、ロビーにて発表されます。

また、セットリスト、内容などについては、2014年11月25日終演後に解禁となりますので、11月26日以降にまたご紹介する予定です。

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過去記事(一部)

ゴスペラーズ@シアター・アプル
2008年11月23日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10168430607.html

映画『ジャージー・ボーイズ』について
『ジャージー・ボーイズ』~フォー・シーズンズの栄枯盛衰
2014年10月21日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11941744693.html

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ゴスペラーズ坂ツアー2014~2015“G20”

2014年12月21日(日)さいたま市文化センター大ホールから2015年3月28日(土)中野サンプラザホールまで34本。チケットは、12月21日~1月25日分が10月25日発売開始。1月30日~3月28日分が11月29日発売開始。

詳細はこちら↓
http://www.5studio.net/


ENT>LIVE>Gospellers>Hamore, Meros

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