第二百九十二話、2009クロスバイクのススメ、その2
前回に引き続き、2009年モデルのクロスバイクを比較検証してみようと思う。
今回は、
6万~10万のモデル――中級編
高級ロードバイクほどでなく、かといって安物でもない。
この価格帯はまさにクロスバイクの王道。
名車が多いのもこの価格帯だ。
中にはエントリークラスのロードバイクより走るモノもある。
全部ピックアップするとキリがないので、
有望な売れ筋クロスバイクや、ダークホースな狙い目を中心に列挙しようと思う。
(注)主観的チョイスなので、漏れている車種、見逃している車種などある点はご容赦を。
あくまで代表選手なので、コレ以外にもいいバイクはあります。
メーカー | 読み | 車種 | 定価 |
GIANT | ジャイアント | Escape R1 | \99,750 |
Escape R2 | \78,750 | ||
SEEK R1 | \94,500 | ||
SEEK R2 | \68,250 | ||
LOUIS GARNEAU | ルイガノ | LGS-TR LITE E | \71,400 |
Cannondale | キャノンデール | Quick4 | \72,000 |
GT | ジーティー | TRANSEO3.0ディスク | \68,040 |
SCOTT | スコット | SUB 30 CLASSIC | \72,450 |
FELT | フェルト | SPEED 50 | \68,040 |
SCHWINN | シュウイン | SUPER-SPORT | \72,450 |
MERIDA | メリダ | GRANDROAD-T1 | \62,800 |
GRANDROAD-S500 | \98,800 | ||
KONA | コナ | Dew Plus | \66,150 |
GIOS | ジオス | Pure-Flat | \73,290 |
JAMIS | ジェーミス | Coda Sport | \89,000 |
Coda | \65,000 | ||
SPECIALIZED | スペシャライズド | Sirrus | \75,000 |
TREK | トレック | 7.3FX | \73,000 |
7100 | \62,000 | ||
Bianchi | ビアンキ | Cielo | \63,000 |
CENTURION | センチュリオン | CROSS LINE 50 | \71,400 |
Corratec | コラテック | Shape Wave | \72,450 |
UNIVEGA | ユニベガ | TERRENO 300 | \92,400 |
FUJI | フジ | ABSOLUTE2.0 | \88,200 |
イチオー注意点として、販売店にもよるがかなり値引きされる場合もある。
具体的にナンボ? というのはお店の方に迷惑がかかるので控えるが、1万以上の値引きをしてもらえるケースもあると聞く。
ただ、ブランドによっては対面販売で一切値引きの効かないものもあるので、「値引きしてくれるんでしょ?」、と思い込むのはNG、要注意だ。
特にブランド直営のコンセプトストアなどは、全くといっていいほど値引きが効かない。
(何らかのサービスはあるかもしれないが……)
この辺、ブランドとお店によってかなり事情が違う。実際に店舗に足を運んで、実勢価格をぶっちゃけ聞いてみるコトをオススメする。
以下がスペック比較表。
車種 | Fギア | Rギア | 変速数 | ギア比 | 車重 | タイヤ | サス |
Escape R1 |
50/39/30T | 11-26T | 3x9s | 1.15 | 10.30kg |
28c | |
Escape R2 |
48/38/28T | 11-32T | 3x8s | 0.88 | 10.90kg | 28c | |
SEEK R1 |
48/36/26T | 11-34T | 3x9s | 0.76 | 11.60kg | 32c | |
SEEK R2 |
48/38/28T | 12-32T | 3x8s | 0.88 | 12.00kg | 32c | |
ルイガノ LGS-TR LITE E |
42/32/22T | 11-30T | 3x8s | 0.73 | 11.40kg | 32c | |
Quick4 |
48/38/28T | 11-32T | 3x8s | 0.88 | 不明 | 35c | |
TRANSEO3.0ディスク |
48/38/28T | 11-32T | 3x8s | 0.88 | 不明 | 35c | 有 |
SUB 30 CLASSIC |
48/38/28T | 11-30T | 3x8s | 0.93 | 11.4kg | 32c | |
SPEED 50 |
48/38/28T | 12-28T | 3x8s | 1.00 | 10.48kg | 28c | |
SUPER-SPORT |
48/38/28T | 11-28T | 3x8s | 1.00 | 不明 | 28c | |
GRANDROAD-T1 |
48/38/28T | 12-27T | 3x8s | 1.03 | 10.90kg | 32c | |
GRANDROAD-S500 |
44/32/22T | 11-32T | 3x9s | 0.69 | 11.40kg | 35c | |
Dew Plus |
48/38/28T | 11-34T | 3x8s | 0.82 | 不明 | 42c | |
Pure-Flat |
46/36/26T | 12-28T | 3x8s | 0.93 | 11.00kg | 30c | |
Coda Sport |
50/39/30T | 11-32T | 3x9s | 0.93 | 11.59kg | 28c | |
Coda |
48/38/28T | 11-32T | 3x8s | 0.88 | 11.93kg | 28c | |
Sirrus |
48/38/28T | 12-25T | 3x8s | 1.12 | 10.40kg | 28c | |
7.3FX |
48/38/28T | 11-32T | 3x8s | 0.88 | 11.00kg | 32c | |
7100 |
48/38/28T | 14-34T | 3x7s | 0.82 | 不明 | 35c | 有 |
Cielo |
42/32/22T | 12-25T | 3x8s | 0.88 | 12.00kg | 32c | |
CROSS LINE 50 |
42/32/22T | 11-32T | 3x8s | 0.69 | 12.70kg | 35c | 有 |
Shape Wave |
48/38/28T | 11-30T | 3x8s | 0.93 | 11.00kg | 32c | |
TERRENO 300 |
48/38/28T | 11-32T | 3x8s | 0.88 | 13.1kg | 35c | 有 |
ABSOLUTE2.0 |
48/36/26T | 11-32T | 3x9s | 0.81 | 不明 | 28c |
この価格帯でもやはりジャイアントは強い。
が、高級ブランドも名車を投入してくるので、一人勝ちとはいかない。
走行能力の高いのは、
GIANT Escapeシリーズ、スペシャSirrus、TREK FXシリーズ。
とうとう今年はキャノンデールまで参入してきた。
相変わらず激戦区だ。
このクラスで難しいのは、単純にギア比・車重だけで決められないことだ。
たとえば、
Escape R1 はインナーロー 30-26T。
フロントトリプルのロード並のギア比で 1.15。
しかし車重が軽いので案外坂はこなせるが、脚力・肺活量が必要になる。
ただ車重10kg台は本当に軽く、さすがに速い。
CROSS LINE 50 はインナーロー 22-32T。
MTB並のギア比で 0.69。
車重は重いが坂は楽にこなせる。
ただ車重が邪魔して若干遅い。
遅くても楽な方を選ぶなら、単にギア比が軽ければいいという感じだろうか?
ちなみにセンチュリオンは頑丈で有名なドイツブランド。
(ま、この価格帯で本国製造なのか疑問だが……)
また、
GT TRANSEO3.0ディスク、
のようにディスクブレーキ装備の車種もチラホラ。
ディスク好きにはたまらないスペックだが、その分高価になる。
以上のように適正が分かれてくるので、
自分の好みと適正をある程度把握してから、候補を絞り込んだ方が無難だろう。
性能的にはどれも相応なので、あまり神経質になる必要はないが、方向性・味付けの違いはある。
特に車重10kg台は本当に軽い。
走行能力も高いので、高速巡航が好みなら10kg台の車種が狙い目だ。
しかし他の車種も極端に性能差がある訳ではないので、ぶっちゃけ好みで選んで構わないと思う。
私も現在のクロスバイクを買う時は、かなり目移りした。
実は購入直前まで――
アンカーCA900 (2009年度は値上げで、この価格帯のエントリーに含まれていないのが残念)
ジオスCantare
ジャイアントEscape R1
ジェーミスCoda Sport
の4機種で迷っていたが、最後は Coda Sport に決めた。
決定打は何だったかというと、
クロモリパイプの美しさ――だ。
レイノルズ520パイプの脚線美、クロモリの塗装面の綺麗さ、正直これにやられた!
あと、鉄なので少し重めだけど、トレーニング用にはむしろ好都合。
クロモリの乗り味を味わってみたかったという理由もある。
(こっちは後付けね^^)
って、性能で選んだんちゃうんかいっ!
と鋭いツッコミ入りそうだが……
実のトコロ、私が最終選考まで残した上記4機種は性能面では何の不満もない名車ばかりだ。
先にスペックで絞り込んでるから、決め手は見た目だ。
カラーリングが気に入って買った――というのも珍しいことではない。
結局、最後には自分が気に入る一押し萌えポイント(?)――で決まる。
(そんなもんだ^^)
次はフラットバーロード編――
同じ価格帯で高速巡航を味わえる一押しの名車が勢揃いする。