時速180キロの初速度だと、3.8m先の巻き藁では、狙いより2.8cm下に矢が刺さります。
これは、空気抵抗には多少の問題はありますが、重力による落下を考慮した値です。

普段、的の中心に矢が中る為には、テッポウ魚の的付けで、相対的に的のやや上を狙っています。
そのやや上という重力を考慮した微妙な狙いを調整しているのが、テッポウ魚と同じ小脳の自動計算です。

昨夜は、重力を考慮せず、的の中心に狙いを付けた射を数本やってみました。
距離は、3.8mで7・8本でしょうか。
それらがちょうど的の中心から、下へ2.8cmのところに刺さりました。

まあ、不言流の射の精度にも拠りますが、ほぼ同じ穴に刺さり続けた経緯を考えれば、14キロの弓で時速180前後の初速度が出ていたことになります。
ちなみに、初速度が140キロの場合は、5.7cm下がります。
この場合、初速度が40キロ減少すると、矢所の落ち具合は2倍以上ですね。

こうしたことを総合的に考えると、初速度180キロは、まずまずの値だと、思います。
以前は、16キロの弓でしたが、握りの所を好き放題に削りましたから、こんなものでしょう。
矢の重さに負けず加速しているという感覚が在るので、今の弓力でも十分です。
それに、和帽子で親指が痛くなりませんし、強い弓ほど矢筋を狂わす幅も広がりますから・・・。

ただし、的前に立った時、矢筋を水平にして射ると、この初速度では地面と安土の境目辺りに飛んでいきます。
それで、水平より矢摺籐の狙いで7・8ミリ上に射なければなりません。
こういったことを考慮すると、やっぱり初速度が200キロくらいになる弓が好いと思います。

ただ、殆どの射手は、上鉾の戻りのせいで矢が浮き上がって射出されるので、このケースには該当しません。

それなりに条件をそろえて実験すると、特別な器具を使うことなく凡その数値を色々と把握することが出来ます。