先ず、書店で目に付いた本で何気なく買った本です。

「天地明察」 冲 方丁(とう うぶかた)著 
 ”明察(めいさつ)が正解の意味で用いられるところから付けられたタイトルですが、囲碁をもって将軍に仕える若者が、800年の間に2日間のずれが出来ている暦を日本の風土に合わせる家庭で発見工夫。旧暦を墨守しようとする大きな勢力を破り、大和歴が、朝廷と幕府によって採用されるまでの、22年間。主人公と関わる人達の苦闘と善意が・・・

 読んでいて、正しいと分かっていても、事を改めることの難しさ。理不尽な圧力や勢力争いは、現代と変わらないと思いました。
作者が
「”明日も生きている” 明日もこの世はある” 天地において為政者が暗黙の内に暗黙の内に交わすそうした約束が暦なのだ」それに続く数行が、この本での通奏低音で有ると思います。



 中村哲医師のアフガニスタンでのお働きは、ご自身の著書で知っているつもりでしたが。

「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」 中村 哲  澤地 久枝 対談

 パキスタンとアフガニスタンでの医療援助から始まり、アフガニスタンで、餓死者が出ることを食い止めること。其の為には、農業が出来るようにということで、何よりも必要な水の確保。
 井戸を掘り、水路を作ることにより、20万人分の食料、小麦の耕作が出来るようになったこと。その事業は、まだ終わりではなく、中村医師はアフガンの人達と約束をしたからと、アメリカによる空爆の危険にさらされながら、他の日本人のボランティアを帰し、たった一人で、現地人を指導し働いておられる。中村先生の他の著書では、ご自身のことを余り語られないので、澤地久枝氏が聞き出されたことで、その道が如何に困難を極めることであるかを知り、同時に、まるで対岸の火のように眺めている私が居ることに気付かされます。
 そんな状況でも、先生が温かく見守っておられる現地の人達との厚い信頼関係。先生の唯一の趣味、音楽を聴くことの描写は、特に好きであるというモーツアルト。深く心に残る場面でした。


 ビッグイシューという隔週のホームレスの人達がターミナルなどで販売しる雑誌を作り上げた著者

「ビッグイシューの挑戦」 佐野章二 


 毎月1日と15日に発行される、ホームレスの人達が、街頭に立ち販売している雑誌。其の立ち上げ、企画をされている佐野さんの何と暖かく、自立心を何よりも大切にしている方だろうと思う。ホームレスの人達が、路上ではなく、畳の上で生活が出来るように自立し生活を確保できるように。援助や補助ではなく、働きによって得ることの出来る報酬という考え方が、私は素晴らしいことだと思います。人々が、単に援助される事や、施しを受けることによって、誇りや自立心を失ってほしくないと、心から思います。雑誌「ビッグイシュー」の内容がとても真面目で、私は毎刊購入して居ますので、この本で、その意味と面白さを改めて知ることが出来ました。有り難うの心を込めて



ブログのご縁で、翻訳された本を購入させていただいた本。

「奇跡のハーブ ホーリーバジル「トゥルシー」ーその薬効と治療法」 ヤシュ ライ著 大矢泰司訳


 ブログがご縁で、知ることが出来た、福島県にある マンダラミュージアムの館長 大矢 泰司さんの名前は、ホーリーバジルの学名の中に、入っている。インドでは「比類なきもの」という意味の、イタリアハーブのバジリコとは縁戚である”トゥルシー”は、部屋に置いておくだけでも爽やかな香りがし、お茶にして飲むととても美味しく、本に書かれている薬効が素晴らしいことを知ることが出来ました。「トゥルシー」が家庭に有れば、人々の健康にとても役立つことだと思います。私たちは、日本の野草の薬効を利用してきました。今、丁度花を咲かせているドクダミ、春に摘むヨモギの若葉、オオバコやツクシ等々。私はそれらに、このトゥルシーを加えたいと思います。

 話は、飛びますが、訳者である大矢さんは、チベット仏教の造詣もとても深く、一度、ミュージアムを見学させていただきましたが、展示されている、マンダラは、チベット僧が岩絵具を使って描いた、素朴さが有るけれど心に響くマンダラでした。
 
 

 それぞれの経緯でやってきた本達が、読んでみて楽しく、是非、此処に照会させていただきたいと思いました。
  天地明察/冲方 丁
     
     ¥1,890
   人は愛するに足り、真心は信ずるに足る――アフガンとの約束/澤地 久枝
    
¥1,995
  ビッグイシューの挑戦/佐野 章二
    
¥1,500
  奇跡のハーブホーリーバジル「トゥルシー」
    
¥2,625