「はだしのゲン」を小学校の学級文庫で読み、
チェルノブイリ原発の事故を思春期の多感な時期に
経験し、「原子力の平和利用」への疑問を抱き続けて
育ってきたように思う。
子どもを持ち、これはいよいよ原子力を人間が使うということに
対して、いつか未来を壊す結末になるという予感から、
「脱原子力」の活動を身の丈でやってきた。
今、「予想された」汚染の未来が現実になり、
多くの同士たちが無力感に襲われ、私も同様に・・。
「原子力はやめよう」と言い続けてきたにも関わらず、
事故が起こってしまえば、何も知ろうとしなかった人たちと
同じ被害を受けなければならないわけで、本当に愕然とし、
これは「推進」とか「反対」という問題ではなく
「人間の責任」だったということを受け入れられるまで
2週間を要しました。
人間が、自分たちの欲望をかなえるために、
枯渇しない果てないエネルギーを求めた結果が
今ここにある。
原子力発電所の内部構造が
改めて、地球の内部深くから搾取されたウランなどの
鉱石からエネルギーを吸い取る装置に見えてくる。
(映画・マトリックスの中で人間からエネルギーを吸い取るカプセルにも似ている)
してはいけないことをした責任をこれから取っていくことになるのだろう。
大丈夫ではないけれど、覚悟を決めて、共にあるために
この原子力事故を受け入れて、共にあるしかないのだろう。
少しでも、早く、この人災が鎮まるように、
今は祈るしかないと思う。現場でいのちを削ってくれている人に、
また、汚染されていく大地や海や空や、未来に。