「玉三郎“美”の世界展」が同時に開催されていたので、少し早く劇場に行った。
綺麗な衣装を間近で見られて嬉しかった。(5月は、今月の舞台で使っている衣装を展示してあったみたい。うーん、そっちも近くで見たかった。) もちろん(!)、図録を買ってきた。


たそがれ時の空目なりけり-坂東玉三郎特別公演

16日に前方花道付近で観劇。


阿古屋
一度は見てみたかったお芝居。ようやく見ることができた。
襖の奥から秩父庄司重忠(愛之助丈)が登場。いかにも爽やかな捌き役という感じ。(ほぼ座りっぱなしだけど。)
続いて、岩永左衛門(薪車丈)も登場。人形振りで、眉毛がぴくぴく動いたりして、赤っ面のコミカルな役。台詞は浄瑠璃さんが代わりに喋ってしまうので、薪車丈の声が聞けないのは残念。
さらに榛沢六郎(功一丈)もやってきて、阿古屋(玉三郎丈)を呼び出す。


花道から阿古屋が登場。
チラシの通りのゴージャスな衣装で、孔雀の俎板帯をまじまじと見てしまった。
あの重い衣装と鬘をつけて歩くのは大変そう。
岩永に対して、「(重忠と岩永は)雪と墨」と言い切るところは、揚巻を思い出した。
重忠は、あくまでも景清の行方を知らないと言う阿古屋を拷問にかけると言い、琴、三味線、胡弓を運んでこさせる。


ここから楽器の演奏が始まるのだが、思っていたより演奏時間がずっとずっと長かった。
現在、阿古屋を演じられるのが玉三郎丈だけというのも納得。
普段、胡弓の演奏を聞けることなんて滅多にないので、じっくりと拝見した。
何気なく弾いているけれど、バイオリンと同じで、素人が弾いたらひどい音になるんだろうなぁ。
私は愛之助丈のファンなので、普段は愛之助丈を見ていることが多いが、今回はひたすら玉三郎丈に見入っていた。
最後、「音に乱れがないから無実」ということで、全員が舞台で見得をして幕。


傾城
真っ暗の舞台に、赤いちょうちんがずらりと浮かび上がる。
次第に舞台が明るくなると、傾城(玉三郎丈)が赤に鳳凰の裾掛けに高下駄で、花魁道中をしている。
紫に孔雀の裾掛け、黒の裾掛けと2回お色直し?があり、うっとり見ている間に終わってしまった。
は~っ、綺麗だった。眼福。
カーテンコールがあり、玉三郎丈が舞台中央で正座をしてお辞儀。
鳴り物さん(って言うの?)を振り返って礼を促し、三方礼で幕。



まさに、夢のような世界だった。
憂き世のあれこれを忘れるくらいに、美しい舞台だった~ラブラブ!


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