5月になり、新生活を送られていらっしゃる方も少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。
さて、こちらのお客様は、
お引越し後の新生活で住宅環境が変わり、
雨の日以外は乾燥が激しく、常に加湿器をかけているそうです。
乾燥はピアノにも影響が出てしまいました。
弦を打つハンマーの支点が緩み、正確に弦を打つことができません。鍵盤を押した力でハンマーが弦を打ちますが、支点が緩んでいるために、弦まで到達する間に横ブレをおこしてハンマーがフラフラと安定しない状態です。
このような場合に、実際お弾きになっていて感じる症状は、
◆鍵盤がブルブルする
→ハンマーの横ブレが鍵盤を押した時に指に伝わってくるため
◆音が出にくい、音が出ない、音がおかしい
→勢いをつけて鍵盤を押すと、その力でハンマーの横ブレが大きくなるために、正確に弦にあたらない。又、隣の音の弦にもあたってしまうため
ハンマーの動きの支点となっているピン↓
右側に抜け出ているのが見えますが、本来は部品の幅できっちりと入っているものです。木部やピン穴のクロスが乾燥で広がり、ピンが抜け出てきてしまっています。運動支点がズレたこの状態で弾き続けると、穴の片方の緩みがひどくなり症状が悪化していきます。
このピンは取りつけ前は、一方の先端が細くなっている構造です↓
尖っている方向から穴に差し込み、穴のクロスとピンの回転の抵抗力を調整していくことで、クロスを傷つけることなく取りつけることができます。それゆえに、一度抜け出てきたピンを再度押し込むことはできません。
今回のピアノの場合、抜け出ているピンが多く、
他の支点にも緩みが多く見られたために、全てのピンを交換しました↓
乾燥や湿気、温度差等、環境による不具合は再発する可能性があります。故障に至るまでの生活環境で改善できる点や今後注意できる点を探りご注意いただきます。
●新型コロナウイルス感染防止対策
sora-note空音では、
以下の通り、継続対応を致しております。
【感染防止対策内容】 ワクチン4回目接種済:BA.4-5
〇うがい・手洗いの徹底
〇外出時のアルコール消毒液の携帯
〇勤務中・ご訪問調律作業中のマスク着用
〇ご訪問直前のアルコール消毒
〇マスク着用徹底のためお茶などのお心遣いは全てご遠慮させていただいております
〇発熱や風邪の症状・だるさ・嗅覚や味覚の異常等がみられる場合はご訪問を控えさせていただきます
●皆様の安心・安全確保を目的に対策を徹底して参ります。何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
キャリア20年の女性ピアノ技術者が、安心の技術を提供させていただきます。お客様の大切なピアノを、女性ピアノ調律師ならではの細やかさで、丁寧にメンテナンス致します。
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