戦国時代末期、天下統一を目前に控えた
秀吉の命を受け、北条氏攻略のために2万の
軍勢を率いて、成田長親(ながちか)が守る忍城(おしじょう)に押し寄せる。
その兵たった2千。しかもそれは農民や少年、老人などをかき集めた雑兵。
この絶体絶命の危機の中で、農民や百姓にまで「のぼう様(でくのぼう)」と
ばかにされていた長親が「底知れぬ器」を発揮し、形成を逆転させます。
槍も振り回せない、馬にも乗れない、田植えもできない、という
圧倒的な「でくのぼう」っぷりを発揮する長親と、なぜか無意識のうちに
それに魅かれてしまう家臣や領民たち。
史実にもとづいて書かれた作品なのですが、
歴史の教科書には出てこなくても、こんな人間味あふれるドラマがあったのか、
と何度も読みたくなる内容でした。
ちなみに彼(のぼう様)は、狙いすましているのか、それとも何も考えていないのか
予想もつかない立ち振る舞いで家臣や領民の心をしっかりととらえ、人心をひとつに
まとめあげたり、獅子奮迅の活躍をさせたり、あげくの果てには落城の窮地を1領民の
命をかけた働きで救わせるなどで周りを驚かせます。
リーダーには、実力があって経験も豊富で、「ああ、この人のように自分もなりたい」と
思わせるタイプと、足りないところがあって、「危なっかしいから自分達がしっかり働いて
組織を盛り上げていかないと!」と周りを動かすタイプがあると思いますが、のぼう様は
後者なのでしょうか。
企業という組織で働く人間として、リーダーについてもいろいろと考えさせられました。
欲張りかもしれませんが、個人的には両方の側面をもった人間になりたいです!