今回の熊本地震から様々な教訓をまめ八は得ることが出来ました。

コレから折々に直下型大規模地震の教訓を自分や子ども達への忘備録として、そして皆様方に少しでもお役に立てて頂けるように残していきたいと思います。

今回は、エネファームについて述べてみたいと思います。

 

まめ八の家は、3年前に新築した際に都市ガスを使用するエネファームを導入しました。

その頃は、東日本震災の記憶が未だ強く残っており、更に原子力発電所の操業停止の結果、電力不足が深刻な時期で太陽光発電やエネファーム、エコキュート等の自家発電システムの導入が流行りでした。住宅メーカーも、ガス会社や太陽光パネルメーカーと結んで様々なキャンペーンを展開し、ローコストでこれらの自家発電システムの導入を薦めていました。

まめ八は、家を建てるにあたって、東日本震災の教訓から、オール電化システムのような家のエネルギーを電力だけに頼る事は避けたいと考えていました。

また、それまで大きな地震が発生したことが無い熊本では台風による被害の方がより現実的な脅威であり、停電になったらダウンしてしまうオール電化システムよりも都市ガスを使用するエネファームの方がリスクが少ないと判断したのです。加えて電気調理器よりも火力が強いガスコンロの方が良い・・・という奥さんからの要望もありました。

トコロが、想像もしなかった大地震が発生してみると、まめ八のこの判断は完全に間違いであった事が分かりました。

水道、ガス、電気などのライフラインで一番最初に復旧したのは電気でした。災害が発生した際に最も途絶しやすいのは間違いなく電気なのですが、地震に限って言えば一番早く復旧したのも電気でした。

まめ八の家の場合、電気が不復旧するまで半日もかかっていません。

次に復旧したのは水道でした。

そして、ライフラインの中で最も重要であるのは水道である事も思い知らされました。

水が飲めない、トイレが使えないという事は、電気やガスとは比較にならない程深刻な事態でした。

我が家では、奥さんが非常用飲料水を常備してくれていたお陰と自動販売機でジュース(水やお茶は直ぐに売り切れてしまいました)を買う事が出来たので生きていく上で必要な飲料水に困る事はありませんでした。

また、食器の洗浄については震災発生以降、お皿の上にラップを敷くことによって出来るだけ食器を汚さない工夫をしてしのぎました。

断水によって最も困った事はやはりトイレでした。

阪神淡路震災や東日本震災の記録を本で読んでいたまめ八は、常々奥さんにお風呂の残り湯を捨てないように言っていました。また、奥さんも風呂の残り湯を洗濯に使用しているので地震が発生した際には前日のお風呂の水がたっぷりと残っていたのです。

コレが幸いしました。

お陰で我が家ではトイレの水が不足することは無かったのですが、バケツで水を流しても汚物が完全に流れるワケではありません。その為、トイレに入ると悪臭が酷くて窓を全開にしなければなりませんでした。コレに加えて、水道が復旧するまでにお風呂の残り湯が残っているのか・・・という不安が常に付きまといました。

もし風呂の水を捨てていたら・・・と今思い返すと背筋がゾッとします。避難所で生活した職場の同僚の話では、節水の為、トイレを5人が使用してからバケツで水を流すように求められていたそうです。

ただ、手や顔を洗う水が無かった事は本当に辛かったです。

水道は、地震が発生して3日目に復旧しましたが現在でもあちこちに漏水箇所が残っている事から水道管の水圧を上げる事が出来ないみたいで完全復旧とまでは至っておりません。

また、マンション等の集合住宅では震災によって揚水ポンプが故障したり、給水管が壊れた為に水道が復旧している地域でも断水が続いている世帯が多いようです。

今回の震災でよく耳にする事は、“マンションは地震に弱い”という事です。一見すると鉄筋コンクリートのマンションの方が戸建ての木造住宅よりも強そうな感じがしますが、実際はそうではありませんでした。先に述べた断水もそうですが、最も深刻な問題は壁にヒビが生じたケースが極めて多かった事です。避難所になっていた職場の建物を目視検査にやってきた建設業者の話では、鉄筋コンクリートの建物は、建物にかかる力を逃して構造物(建物を支える柱など)を守るために意図的に壁が割れるように設計してあるのだそうです。特に窓周辺には補強が為されていないので窓周辺に×の字型のヒビが入った建物を多く見かけます。

トコロが建物は無事でも、雨が降るとこのヒビから侵入した雨水によって雨漏りが生じています。

従って、マンションの住民は内外装をやり直さなければならなくなるワケです。(勿論、マンションの殆どは管理組合で地震保険に加入しているので経済的には大きな負担を負う事はないようですが。。。)

さらに、まめ八が、マンションは地震に弱いと感じた理由は、まめ八がお世話していた避難所に避難されてきた方々の大部分がマンションの住民だった事にあります。

避難されて来られた人々が口々に言われていたのが

“揺れが凄くて怖いので逃げて来た”

というものでした。

当たり前の話ですが、地震が発生した場合、高いトコロの方が酷く揺れます。大きな地震になると恐怖で夜も寝られない程揺れるそうです。

コレからマンションの購入を検討されておられる方はその辺りの事も予め知っておいた方が良いと思います。

 

さて、まめ八の家で震災1週間が過ぎても未だに復旧していないのがガスです。

ガスが使えないと食品の調理が出来なくなりますが、この点はカセットコンロで代用しているのでそう大きな問題ではありません。

一番困っているのがお風呂に入れないという事です。

奥さんと子ども達は、この1週間の間に2回ほど熊本市周辺の温泉施設やスーパー銭湯に行って凌いでいますが、仕事があるまめ八にはそんな時間はありません。熊本市周辺の温泉施設やスーパー銭湯は何処も人が殺到し、長蛇の列が出来ています。券売機まで30分、脱衣場まで1時間半、シャワーまで20分並ばなければならないそうです。仕方が無いので、水シャワーを浴びて過ごしています。昨日、プロパンガスを使っているまめ八の母の家の水道が復旧した事からやっと温かいお風呂に入ることが出来ました。

 

お風呂に入れないって結構辛いモノがありますが、地震発生から1週間が過ぎましたが未だにガスは復旧の目途さえ立っていません。明日は、家族でお風呂に入りに行くつもりです。

ガス会社は

「自然災害に強いガスエネルギー・・・」

という謳い文句で、エネファーム等のガス給湯システムをPRしていますが、確かに台風や水害の場合には電気よりも強いかも知れませんが、殊、地震に限って言えばガスが一番脆く、しかも復旧に多大な時間がかかる事を知っておいた方が良いでしょう。

コレから家を建てられる方、あるいはリフォームの際にエネファーム等のガス給湯器の導入を検討されている方はこうしたリスクも頭に入れておかれた方が良いと思います。

 

最後に、震災直後に深刻だったのがガソリン不足です。

地震が発生して数日間は、ガソリンスタンドに車が殺到し2時間待ちなんて当たり前の状態でした。そして直ぐにガソリンが尽きて閉店してしまうお店が相次ぎました。

ただ、まめ八の家では、たまたま震災発生の前日に満タンにしていたのでエスティマの方は問題なく、ソニカも燃料タンクの半分位、ガソリンが残っていた上、まめ八が避難所のお世話で殆ど運転しなかった事が幸いしてガソリンの事で心配する事はありませんでした。

 

さて、今回の震災を通じて、地震に対するライフラインの安定度を、耐久性と復旧に要する時間も含めて種類別にランキングしてみると、耐久性の高い順に

① 下水道

② 自家発電装置が付いたポンプ付き自家井(井戸)

③ プロパンガス

④ 電気

⑤ 上水道

⑥ ガソリン

⑦ 都市ガス

の順になります。

 

日本では、何時何処で地震が発生しても不思議ではありません。

まめ八のこの教訓が皆様方のお役になれば幸いです。