はるボカポカ
うつらうつらと
年寄りネコが目を細める
世間のことも知らないでさ
やがてあごが落ち
春はまだ来ないのに
気づいたふりで
のそりと起き上がる
それより老人のような本を読みながら
またどこかへ行こうか
愛くるしいコドモの顔であなたは笑うから
また逢いに行こうか
さっきのネコはまた寝ている
いちにちは長い
老人のような本を閉じ
ちいさなため息をつき
最大の出来事を期待しているんだ
今日は君の生まれた日
逢いに行かなくては
いくつになっても
男は女を追い越せない
君は子供の顔で微笑むから
春はまだ遠いのと