もう少しお付き合いくださいね。
わたらせ渓谷鐵道、名前だけは知っていました。
乗りたいという思いよりも、撮りたいという気持ちが最初は強かったと思います。
レトロな駅舎、素敵だろうなぁ・・・被写体になるものがたくさんあるだろうなぁ・・・って。
もちろん被写体になるものは、溢れんばかりにありました。
ただ美しい、心に響くというものだけが目に入ってくるんじゃなくて、目に見えないものもたくさん見えてきました。
上神梅駅にも座布団がありました。
ここ足尾駅にも座布団があるんですよ。手作りのようですね。
地元の方たちのあたたかさが伝わってきます。
座ってみたら、あったか~い気持ちになりました。大切にされるって、いいですね。
あったかいものも見えてくる・・・・・
新緑や桜がきれいな春、紅葉のきれいな秋がいい、どうせ乗るなら良い季節の時に・・・と言われていましたが、良い季節という言葉が、どうも私にはしっくりこないのです。
どの場所でも、その季節の、その時の良さってあるんですもの。
わたらせ渓谷鐵道も、そうでした。今は閑散期、観光シーズンではないけれど、じゅう分過ぎるほど感動をいただきました。
まだ葉っぱをつけていない木だってきれいだし、これから咲き乱れる満開の桜を想像するのも楽しいし、また来たいって思う気持ちが持てることも幸せだし・・・・・言いだしたらキリがないです(笑)
こんなことを思い出しました。奈良に住む叔父が言っていた言葉
「紅葉の季節の奈良や京都も確かにいい。でも、一番いい時は大晦日だよ。大掃除の後、静まり返っていて厳か。静かでいいよ。」
私が中学生の時、修学旅行に行く前に聞いた言葉だけれど、叔父の言っていることが今はとってもよくわかるんです。
いい時間っていうのは、あっという間に過ぎ去るんだよなぁ。時間を巻き戻したくなっちゃう・・・・・・
神戸駅にも、座布団がありましたよ。丸くてかわいらしい座布団が。
どういう想いで作られたんでしょうね。駅に来る方が少しでも寛げるように・・・かしら。
降り立った瞬間、満ち足りた想いで大きく深呼吸をしました。
ちょっと冷たい空気をいっぱい吸い込みました。心の中はぽかぽかでした。
ずっと撮りたかった鉄道写真が撮れたことの満足感
地元の方のお心遣いや愛を感じられた感動と
そして、
「神戸駅で待ってるよ。」と言い残して、私をひとり電車に乗せてくれた同行者への感謝の想い。
たくさんの想いが交錯して、胸が熱くなりました。
いたいた、待っててくれましたよ。
「お待たせ~!楽しかった。」
「おお、そっか・・・・・」
長い記事にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。