Route 66

Route 66

シカゴ~ロサンゼルス チャリで。

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LAの空港から日本へ帰ろうとしている。



この旅を始めたころは、LAに着くなんて想像できなかった。



あまりに途方がないから、あと何マイルでつくのかは数えないようにして、



がむしゃらに1日100キロのペースで刻んでいった。



そうしているうちに、昨日のことさえ懐かしく感じるようになり



通った道路も、畑や牧場や荒野や砂漠の変化のない景色も、出会った人たちも、



貴重に思えてくる。



あの時、あの道を選ばなかったら、彼らに会うことは出来なかったんだなと気づくと、



かなり不思議だ。



人生を楽しめ!って言ってくれた爺さん、メロンくれたおじちゃん、20ドルを渡してくれたおっちゃん、



鍵届けてくれた姉さん、金はいらねえと言ってくれた中華料理屋、チャリ横断中のジョーとスイス人のお二人、



不気味なほど親切なモーテルのご夫婦、ランチご馳走してくれたツアーご一行、アマリロの寿司屋のオーナー、、、、




昨日、LAに二十年間住んでいる日本人が言っていた、



アメリカ人は裕福だよ、余裕があるという意味で。



確かにそう。



汗にまみれた、ろくに言葉も話せなくて、なぜか自転車にまたがっているアジアの男にも、



親切にしてくれた。



ここまで、魅力的ならメキシコへ下って南米へ行きたい気もしてきたが、いけないいけない



日本へ帰ろう。