今さら語る「プロレスニュース」の裏話 | バーグマンのブログ

バーグマンのブログ

「一般社団法人 日本ハンバーグ協会」理事長&ハンバーグマのグーグー原作者&なつかしエンタメライター&キャラクターデザイナー
バーグマン田形のブログ
(ハンバーグ&プロレス&ファミコン&ジャンプがメインでしたが、現在休止中…)

あなたは知っているか!?
90年代の「全日本プロレス中継」を盛り上げた、福澤“ジャストミート朗”氏による「プロレスニュース」を!

ジャストミート

“怪物”“完全無欠のエース”ジャンボ鶴田の時代から、ジャイアント馬場御大に「(凄すぎて)解説できない」と言わしめた『四天王プロレス』黄金期に掛けて、賛否両論巻き起こした名物コーナーである。


「プロレスを観た事がない人も何かこう『おやおや?』と思ってくれるようなコーナーを作ろうじゃないか、と。それはいわゆるプロレスの間口を広げる部分」

「プロレスをこよなく愛される方からは『プロレスを冒涜している』というご意見もいただきましたけど、でも決して舐めているつもりはなく、プロレスファンを一人でも増やそうという気持ちがあったことは声を大にして言いたいです。」

福澤“ジャストミート”朗 談 
(2010年発行 Kamipro 146号より)

プロレスに興味を持っていない人を振り向かせるのは大変難しい。
そこで、通常の試合中継にプラスアルファを加えたのだ。

・プロレスラーの声色を真似る
・特徴的なフレーズでキャラを濃くする
・渋い職人レスラーや、強豪とはいえないレベルのガイジンレスラーをもピックアップ
・試合のハプニングを面白おかしく紹介

プロレスニュースは、まさに「おやおや?」と思う仕掛けにより、わかりやすく面白いエンターテインメントに仕上がり、新たなファンの拡大にひと役買っていたのである。

しかし、今と違って、プロレスファンの頭も固かった時代である。
福澤アナへの風当たりは意外と強かった。
…まぁ確かに、声色の真似とか小バカにした感も否めなかったけど。

当時、新日本プロレス所属の馳浩が
「あのアナウンサー、ふざけすぎだよ! 会ったらブン殴ってやる!」
と週刊プロレスでコメント。

新日本プロレス派と全日本プロレス派の対立がまだまだ激しかったこの時代、馳に煽られる形で「全日本プロレス中継」を拒絶する過激な新日ファンも存在したのであった。
後の辻“ヒャッホー”よしなりアナの方が数倍タチが悪いのに…。

しかし、この頃の馳は「ギブUPまで待てない!!」でも、山田邦子にキレて番組寿命を縮める一旦を担ったりと、エンタメプロレス反対派の急先鋒だったなぁ…。

ともかく、そんなプロレスニュースの裏話を今さらながら大紹介!


「ジャストミート!」のフレーズは、リングサイドで初めて観たスタン・ハンセンのウエスタンラリアットがきっかけ。

「『こんな感動的な、圧倒的な迫力の技があるんだ』ということを知って、その『バチーン!』という音もさることながら、汗がブワーッとしぶきのように飛ぶ光景を、なんとかそれにふさわしい言葉でお茶の間に届けたいと思ったんです。そこで最終的にたどり着いたのが『ジャストミート!』だったんですよね。」

ちなみに、この表現は2010年のもの。
翌年にはこのように答える福澤アナであった。

「(ハンセンと対戦相手の)汗がミストになってテレビ用の照明に映し出され、そこに虹がかかったんです。レインボー!これはかっこいい!これをなんとか表現したいということで、試行錯誤して、最終的に行き着いた言葉が『ジャストミート』だったんです」

どぉ~ですか~?!
これ見よがしがしに、ドラマチックに洗練されたエピソードとなっているのである。
さすが、“ちょこざいな男”福澤朗である。
とりあえず、ハンセンさまさまである。


プロレスニュースは視聴率10%を超えたことがある。

「深夜で視聴率2桁獲らなかったら小橋建太選手のムーンサルトプレスを受けます」と公約してしまった福澤アナ。
最高平均視聴率8%と検討しつつも、結局1年間10%を超えられず…。
が、『毎分視聴率では10%を超えた』と言うことでギリギリセーフに。

「プロレスラーのフィニッシュホールドを素人が受けちゃ、やっぱりいけないっていう意識も働きましたよね。」

まだまだ一本気なファンが多かった時代、下手に受けてしまっていたら、辻“ヒャッホー”よしなりアナのように反感を買ったこと必至!
なので、これはイイ落としどころだと思う。
ムーンサルトプレスは受けなかったが、後に「とんねるずの生ダラ」で闘牛というより危険なチャレンジをする福澤アナであった。


「ファイヤー!」の誕生は大人の事情から。

『高校生クイズ』の司会に抜擢された福澤アナに、上司から「ジャストミート禁止令」が下った。
理由は、同番組はライオンの一社提供であるが、ライバル会社の花王が当時「ジャスト」と言う洗剤を発売したため。
そこで「ジャストミート!」が封印されるハメに…。
スポンサー様は大事である…。
そこで、先代司会者の福留功男アナの「燃えてるか!」のフレーズの進化系として「ファイヤー!」を生み出したという。
以降、それをプロレス実況にも取り入れ、打撃系なら「ジャストミート!」、絞め技や関節技が決まると「ファイヤー!」と叫ぶようになったそうだ。


どぉ~ですかぁ~!??
20年ぶりぐらいに「プ・プ・プ・プロレスニィュゥ~ス!」って叫びたくなりましたか!??


21世紀のプロレスをもっと世間に知らしめるためにも、プロレスニュース、必要だと思うなぁ…。