『元祖プロレス女子』!?山田邦子とは何か? | バーグマンのブログ

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あなたは知っているか!?
昭和プロレスファンの悪夢!?
「ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング」を!

「プロレス+バラエティ=面白すぎるスポーツ番組の登場!」といったコンセプトのもとに、山田邦子をメインパーソナリティとしたスタジオ収録のバラエティを中心にそれに試合中継を挟み込む構成とした。
これに伴い、試合は全て録画中継となり、製作もスポーツ局からバラエティ部署に変更された。また当初は、試合会場とスタジオとを二元中継の形で結ぶこともあった。
しかし初回から試合中の良い場面で「驚く山田の顔がアップになる」などの的外れな演出に、プロレスファンが猛反発
前週まで10%台あった視聴率が5%以下に落ちたともいわれている。
このバラエティー部分は後にスタジオでの選手へのインタビュー中心に変わり、末期には消滅した。
(ウィキペディアより)


1987年、プロレス人気に陰りが見え始めた頃、ファンの拡大=『プロレス初心者』を意識して従来の放送スタイルを一新!
プロレスの見せ方をバラエティ番組化したのである。
が、その試みがことごとく裏目に出てしまい、わずか半年で終了(元の放送スタイルに戻った)してしまった悲劇のプログラム…。

ちなみに、元の放送スタイルに戻った際のテーマは、CHAGE and ASKAの「狂想曲 ~ラプソディ~」
色んな意味で業が深いのである。


どんなときも『対世間』を意識している猪木は正しい。
ただ、このやり方は時代を先取りしすぎた。

プロレスを神聖視しているファンも多かった時代である。
「俺たちのプロレスを馬鹿にするな!」と従来のファンの一部は猛反発!
プロレスに興味を持っていない一般層はそのままスルーしたのであった。

落ちていくプロレス人気に対し、司会を務めた山田邦子氏は、翌1988年から1995年まで、NHK「好きなタレント調査」において、8年連続1位を独占!
全盛期にはテレビ番組のレギュラーも週14本も抱えるなど、名実ともに『国民的人気者』になるのであった。

もし、「ギブUPまで待てない!!」の新しいチャレンジをファンがもう少し気長にやさしく見守っていたら、この国民的人気者と共に、プロレスが市民権を獲得していただろうか?
そして、人気絶頂の山田邦子氏がプロレス大好きであったことを前面に押し出していたのであれば…?

そう、当時のプロレスファンの大多数は知らないのであった。
山田邦子氏が熱烈な元祖『プロレス女子』であったことを…。

山田邦子氏は「ギブUPまで待てない!!」を始めるにあたって、猪木からこう言われたそうである。

「猪木さんから『プロレスをよく知らない人との橋渡しをしてください』って言われて。『女の人とかも応援してくれるように』ってことで。」

猪木&馬場時代からプロレスを見続け、学生時代の寄席演芸研究会では、女子プロレスラー「マッハ文朱」から取った高座名「可愛家マッハ」を名乗っていたほど。
プロレスのことを知り尽くしたプロレスエリート!
『対世間』として、抜群の戦力である

そんな彼女の『プロレス観』がよくわかる、「TV Bros」平成27年2月21日号のインタビューを抜粋してみよう。

「汗を流しながらパンツ一丁で戦っている姿を目の前で見ることなんて、日常生活ではあり得ないから壮観です。会場に行けば、大声出して仕事のストレスを発散できるし、イケメンも見れるし。」

「藤波選手が出てきた時は、なんてハンサムなんだろう、と。」

「長州力さんの好き具合は別格といってもいいほどです。とにかく好きすぎて、昔『長州邦子』っていう銀行の口座を作ったことがあるんです(笑)。」


…ミーハーである。
なんだか『プロレス女子』というワードが持つ、偏見のイメージまんまのプロレス観である。
もし、このキャラクターをオープンにしたまま「ギブUPまで待てない!!」が続いていたら、25年以上も早く『プロレス女子』が会場に集っていただろうか…?


2月4日に「女子SPA!」に上がった記事、
「いい男に抱かれたい」願望が全開に!? “プロレス女子”急増のワケ
が、炎上した。

プロレスファンの女性からは、
「いい男に抱かれたくてプロレスが好きなわけじゃない」
「脳内ピンクと一緒にして欲しくない」
などの意見が寄せられたそうだ。

いわゆる『プロレス女子』は、“山田邦子的ファン”と“そうではないファン”に大別されそうだ。
そして、“そうではないファン”の方がきっと多いだろう。
ただ、メディアは“山田邦子的ファン”を望むんだろうなぁ…。