サクラの花やゲンジボタルの幼虫の上陸よりも早く、ボクに春を知らせてくれる香りがある。


 フワ~っと、少し冷たいそよ風に乗って、香りが届く。


 この香りは、どんなに頭がボ~っとしていても『春!』を印象的に教えてくれる。ユーミンの『春よ、来い』も流れてくる。


 昨日、早々と沈丁花が咲き始めた。今年は、香りよりも早く、開花を目撃してしまった。例年にない、少し不満が残る春の訪れだった。仕方がないという感もある。今年の春は、人生の転換期が訪れるため、気も心もせわしなく、日々次第に、落ち着きも、心の余裕もなくなってきていることが分かる。すごく大きな期待と、それよりも一回り大きな不安で、押しつぶされそうになっている。


 また、一方で、


 大学を出てから19年目の香りは、19歳のときのこの香りの思い出がよみがえらせる。そして、2回目の人生を歩み始めるような気がしてくる。


 いくつもの香りの思い出があるが、沈丁花の花の香は、大学のキャンパスの若かりし春を思い出させ、人生の初心を思い起こさせる。

 

 

 さて、明日は、2次試験前日程の試験日だ。受験生の方は、日々の努力の成果を、存分に発揮してほしいと思う。ここ一番、出し惜しみなどしても得はない。春になると、合格したものたちだけにしか声をかける余裕がなくなるので、今、エールを送っておこう。

 

 大学合格は、人生のゴールではなく、経過地点だけれど、通過しないと次へ進めないこともあるので、試験に臨んで、実力を出し切ってください。