浦島花子 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
ついに2週間の自主隔離を終え、外出した。朝夕霧が出るミラノ。とくにプチ郊外のサンシーロ地域は午前中はこんな感じ。8時台は正面のサンシーロは全く見えない事もある。
 
さて、外出初日はまず郵便局へ。イタリアの郵便事情は、書いたら本になるくらい、話題が突きない。笑 特に近所の郵便局の局員の態度は悪いし、また何度も強盗の襲撃に遭っているという最悪な場所。郵便局へ行く際は、時間と心に余裕を持っていくべきだし、逆に、さらっとしかもいい局員に当たると、数年分得した気分になってしまうくらいだ。笑
 
その郵便局がアプリで予約ができるようになったと聞いた。別にアプリをダウンロードしなくても、郵便局のHPから近くの郵便局を特定し、予約ができるのだ。朝の8時過ぎの時点で午前中指定で予約を入れると、10:15と出てきた。その前はいっぱいなの?どうもある時間帯に予約ができ(人数制限あり)その時間に入り口でQRコードを翳すと番号が出てきて、随時呼ばれるのだ。
 
予約の15分前に郵便局の隣に住んでいる友人と荷物の受け渡しの約束をしていたのだが、受付番号が見えたのですぐに別れたが、あれよあれよというままに支払いが済んだ。ひとり中にいたおばあさんが、予約番号もなくカウンターに行き、断られていた。それはそれで空いていたので受け付けてあげればいいのに...と思ったが、帰っていかれた。そして何か変だな...と思ったのは、空いていたばかりではなく、静かであったということ。とにかく接客でうるさいこともあれば、局員同士のおしゃべりだったり、常にざわざわしている局が、シーンとしていたこと。予約の時間には用事も済み、出られたのだから奇跡だ!と思ってしまった。
 
今後も郵便局は予約制しにて人数制限をして欲しいものだわ。あれだけ快適だと気分も良くなるものだ。
 
そのあと、スーパーへ出かけた。
 
とにかく、イタリアの状況が全く把握できていなかった。しかもロックダウン中のレッドゾーンだ。スーパーに行くまでどこも人がまばらのように見えた。昨年まで見たこともない八百屋やレストランが出来ており、「前なんだったっけ?」と思っても思い出せない。
 
スーパーに入ると、入り口に消毒用のジェルが置いてあったが、それほど大きくもなくポンプ式で触るのが嫌だなあと思った。考えてみれば郵便局には消毒類は置いていなかった。
 
入り口でマスクをかけていないおばあさんがいて、店員にマスクをもらっていた。
 
野菜は以前から直接触れるのは禁止だったので、ビニールの手袋をつけたが、どうも買い物カゴを直接触る気がせずマイ手袋を出した。日本のスーパーでは買い物用のカートもカゴも消毒済みとわかるようになっているし、徹底的に消毒している様子をみているので安心だったが、それこそカゴやカートを消毒して欲しいと思った。
 
まずチェックしたのはマスクと消毒類。消毒も以前から常に売れている商品だが、匂いがきつくて日本の除菌ウエットティッシュを持ち歩いている。
 
 イタリア人は水色の不織布のマスクをよくしているが、大人用は50枚で7.5ユーロ。日本円して950円弱。子供用は10枚で1.5ユーロ。190円弱と日本に比べかなり安いかも。
 
それほど買い物は無かったが、とにかく隔離から解放され、久々のイタリアのスーパーを堪能したいと思ったが、かなりお年寄りが多く帰ることにした。
 
それにしてもキャッシャーはどこも列。あれっここって自動キャッシャーないの?と思ったら利用している人がほとんどおらず。買い物しながら会計をチェックしていく電子決済然り。列を開ける距離はなし、有人キャッシャーでの対面パティションなし。日本は感染対策が過剰なのか?と感じてしまうくらいだった。
 
久々サンシーロの前を通って、散歩がてら大回りしようと思ったが、牛乳を買い忘れた事に気づき、敢えて家の近所のパン屋に行くことにした。そこの親父さんが隔離中の私を外で見た!と言っていたと聞いたのでちょっと文句を言って来よう!と思い(爆)元来た道を戻ることにした。
 
そこから、まあ知人に会うわ、会うわ。「ワーオ、T子。おかえり〜!長く日本に行ってて最近戻って来たって聞いたわ。」と言われた。えっこの人誰だったっけ?苦笑 FBでは近所のイタリア人の友人がわんさかいるが、彼女はその中にはいない。あらー噂になってたわよ〜、と言われた。誰だ???
 
また長男の高校時代のクラスメートのマンマに遭遇!「まあお久しぶり!元気にしてた?」と聞かれ、この10ヶ月の家族の話を説明。ちょっと買い物に出ると、必ず誰かしらに捕まってしまい長話になってしまう。
 
そして、例のパン屋に行ってきた。親父さんは、夫に「先週、奥さん、店の前を歩いているのを見たよ。彼女はいつも変わっている帽子をかぶっているからすぐにわかるんだ!」と言っていたのだという。お店に入ると、いらっしゃいではなく、「おかえり〜!」と声をかけられた。私はにやっと笑い、「今日が帰国後はじめての外出なんですけど〜!」というと、「僕は君を見たとは言ってないよ。変わった帽子をかぶっている人を見た、と言っただけだよ!」とニヤニヤしている...。あいかわずいい加減だ。
 

家の近くに戻って来ると、どこからともかく、にゃーといってロメオがやってきた。「おー久しぶり‼︎」やたら太って、私の足に絡んでくる。もう家に入れないよ!というと、私に並んで歩き始めた。しかし、道中、路上に縦列駐車している車のバンパーの匂いを片っ端から嗅いでは、マーキングをし始めているではないか!

 

 
 
ロメオは飼い猫ではあるが、ほぼ一日中外をうろつき悪さばかりしており、アパートのおばあさんにしょっちゅう怒鳴られている。私がアパートに入ると、ドアがしまる寸前中に入ってきた。さーっと我が家の前の階段をのぼり私を見下ろしている。「今日はダメだよ、バイバイ!」というと、人の顔をじっと見ていたが、私が家の中に入ってしまうと、ドアの外で開けてにゃーん!と甘い声で鳴いていた。爆 すると、アパートのうるさいおばあさんがエレベーターから降りてきて、また怒鳴られ外に逃げて行った模様。苦笑
 
午後に、私が不在中何度もデザートを作っては運んでくれたというフランス人の友人に頼まれていただし醤油と柚子を持って行った。何度も電話しても出ないので、直接行ってインターフォンを鳴らすと在宅していた。(彼女の住んでいる家まで)上がってきて!と言われたが、車を止められないから、というとベルギー人のご主人と共に降りてきてくれた。「お〜!!」両手を広げてハグするジェスチャー。爆 すぐに荷物を渡して帰るつもりが長話。これまた彼女に捕まると帰れなくなる....

 

10ヶ月ぶりのミラノの地元の日常。昨年春の悲惨な状況をテレビやビデオで見ており、三度?四度?ロックダウンということで緊張していたが、ある意味、以前のままのところも多かった。さすがに、皆緊張疲れが出ているのかもしれない。とはいえ、逆に私が日本から戻ったそのギャップにアジャストするまでリハビリが必要そうだ。

 

ところで、大好きな白のヒヤシンスを買ってきた。白いヒヤシンスの花言葉は、「控えめな愛らしさ」「心静かな愛」。深くて静かで穏やかなエネルギーに満ちた愛を感じる。愛は感情の延長線上にあるという。若い時は、情熱的な、あえて不安定な愛のエネルギーに惹かれたものだが、今は年相応(笑)温かな安定したエネルギーに包まれていたいと思う今日この頃。

 

昨年はヒヤシンスを上手に咲かせられなかった。その球根も芽が出なかったようだ。購入したヒヤシンスは室内におけばすぐに開花するだろうが、寒い中ゆっくりゆっくりその成長を楽しみたい。

 

浦島花子のリハビリ新生活はこれからだな。