L'Oratorio estivo 2017 オラトリオ ~ その5 第2週 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで31年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

毎日が異常に早く、夏のオラトリオも2週目が既に終わろうとしている。


先週末から担当司祭が中学生を連れてアオスタの山に出かけていた。
 
第1週目は子供達は140人前後だったので、2週目は中学生の一部が減って100人ちょっと。なのに、なぜか怒鳴りまくっているアニマトーレ。とにかく、言うことを聞かない子供達ばかりなのだ。また、顔をしかめてしまうくらい、この子たちの家ではしつけというものが存在するのか?と思ってしまうくらいひどい。だからと言って、怒鳴りまくることで良い結果が出るわけもなく、かといってどうすべきか?頭を抱えてしまう。自分の家の子達を棚にあげる気はないが、苦労はしているものの、まだマシだ!と思えてしまう。きっと現地校でも教師軍は彼らに手を焼いていて、ある意味、もう見て見ぬ振りをされている子供達なのかもしれない。可哀想といえば可哀想だ。とにかく、地域柄 、外国人ばかり。イタリア人の方がマイナーに思えてしまう。
 
オラトリオ第1週、1日遅れて入ってきた7歳のパオロは、私のことを大好き!といって抱きついてきたにもかかわらず、翌日からは怒鳴れっぱなし。彼は常に怒っていて、眉間にしわを寄せている。「パオロ、何をしたの?」と言っても、両腕を組んで、怖い顔をして「あっちへ行け!」「うるさい!」と言う。会うたび、声をかけても常にこの調子。大きな水鉄砲を持ってきていたので、さすがにそれは取上げられ、帰る時に返すから、といってバールの棚の高いところに隠されてしまった。その時、私はバールの中のキッチンで洗い物をしていたのだが、「鉄砲を返して!」といってきたので、「夕方ね」と言ったら、怒って外から鍵を閉められ閉じ込められてしまった。大声を出して やっと外から開けてもらうと、今度はバールの外にあったゴミ箱が2つ倒されていた。
 
その翌日、昼食中、パオロが高校生に付き添われ、食堂から遠く離れた廊下で食事をしていたので、また、「何をしたの?」と聞くと、仲間と喧嘩をしてコップに入っていた水を相手にかけたと言うのだ。毎日そんな感じで、食後、掃除をしていたら、また別の高校生に連れられてきて、この子に掃除を手伝わさせてください、と頼まれた。「罰か?」「パオロさあ、家でもいつもマンマに怒られる?」と聞くと、「全然」と言う。「学校ではブラーヴォなの?」と聞くと、「そうだ」と言う。(本当かなあ?)僕は何人?と聞くと「イタリアーノ」とつぶやく。ああ、「イタリア生まれだものね。」というと、「シチリアーノだ」という。えっそうなの?じゃ、マンマは?と聞くと、「エリ トリア人だ」という。エトルリア?と思ったが、あれは古代イタリア人だ。エリトリアってどこだ?母親はカトリック信者だと言っていたが、エチオピア人に似た雰囲気があった。あの辺か?苦笑 「じゃ、パパは?」と聞くと、「シチリアーノ」という。イタリア人じゃないんだ。苦笑 確かに濃い顔をしている。掃除をしながら、おしゃべりをした。アニマトーレのいうこと、聞かないとダメだよ!というと、恥ずかしそうに「うん」と言っていたが、昨日は来ていないようだった。(逆に不在だとすぐわかる!いてもすぐにわかるが!)
 
それでも、多少似たり寄ったりのイタリア人もいて、本当に神経が磨り減りそうになってしまう。
 
そして、お昼の配膳はもう戦争のよう。私とだれか大人がパスタをお皿に入れていき、それを高校生たちがお盆に乗せて配り始めるのだが、無駄なくタイミングよく渡せるよう、努力してくれているのがわかる。人間要領だけじゃないと最近書いたが、この場合は、今年は皆が要領よく動いてくれて素晴らしいチームになった。配膳後、大急ぎで立ちながらパスタを流し込む?が、椅子を持ってきてくれたり、水を持ってきてくれたり、イタリア人の高校生男子は優しい。合間をみてリンゴを切ったり、ヌテッラを塗ったパンをおやつに準備するが、その後に掃除。これまた時間との勝負。今年はテキパキとし、お互いをカバーしあえるメンバーで本当にラッキー。
 
 
工作のラボラトリオでは第1週が、曼荼羅塗り絵。そして2週目は、トイレットペーパーの芯を使ったペン立て。小学校低学年対象で、なんと全員外国人。でも私のグループは非常にお行儀も良く、微笑ましいグループだった。来週何するの?声をかけてもらえて非常に嬉しい。