紫陽花の季節 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで31年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

   

 

紫陽花の季節になった。

 

日本にいた時は、紫陽花というと、梅雨時に咲くので嫌いだった。しかも、紫陽花は日当たりが苦手らしい、という記憶があり、「じめじめ」「暗い!」と勝手に思い込んでいた。

紫陽花の花は、植えてある土の酸性・アルカリ性によって、花の色が変るのは、有名だ。色素であるアントシアニンが、花に色がつき始めるにしたがって花の中で合成される補助色素、そして土中のアルミニウムの関係によって、花の色が決まるという。アルミニウムが吸収される(酸性)と花は青くなり、 アルミニウムが吸収されないと(アルカリ性)花は赤くなるという。

 

そして、紫陽花には驚くほど花言葉がある。「移り気」「高慢」「辛抱強い愛情」「元気な女性」「あなたは美しいが冷淡だ」「無情」「浮気」「自慢家」「変節」「あなたは冷たい」「一家団欒」「家族の結びつき」などなど。

 

ちなみに、「辛抱強い愛情」に関しては、二度と会えない日本人妻への思いが花言葉になった説、としてシーボルトの話がある。鎖国時代の長崎に来日していたドイツ人医師シーボルトが国外追放になった時(シーボルト事件。1828年)、紫陽花を祖国に持ち帰り「オタクサ」と名付けた。この名前は、国外追放、再渡航禁止処分を受けたシーボルトが、彼が愛した日本人女性•楠本滝を思い名付けたと言われており、そこから「辛抱強い愛情」という花言葉が生まれたとか...耐え忍んで咲く花...うーん、おしんのようだ。

 

個人的には、白い紫陽花が好き。花言葉は「寛容」。色が変わる紫陽花が「映り気」であるのなら、変化を受け入れる「白」というのがあってもいいんじゃないだろうか。

 

ところで、バラのように、「綺麗な花にはトゲがある」というが、「綺麗な花には毒もある」そうで、紫陽花にも毒があるという。花というよりもそれは「葉」にあるそうだが、青酸系の毒だと言う。食べると痙攣や麻痺が起こり、最悪の場合は、死んでしまうこともあるという。殺傷力が綺麗な花にはあるというから、女性同様、見た目の美しだけを見ていたら、痛い目にあうんだな。痛いどころか死に至らしめるほどの猛毒。とはいえ、以前あった婚活女保険金殺人事件の犯人は、決して美人ではなかったんだな。そしてまた、よくこの話をするたび、あの”練炭女”と呼んでいる人がいたな。爆 (関係ないけど)

 

話はずれたが、実家の近所には、あじさい寺と呼ばれるほど、梅雨時になると千本を超える紫陽花が咲き始めるお寺がある。その時期に帰国できないので、見たことはないのだが、それはそれは圧巻だろう。

 

そしてこのミラノのアパートの敷地内の紫陽花も咲き出した。これから徐々に花をつけることだろう。けれど、紫陽花といえば、やはり「梅雨」「雨」。情緒たっぷり七変化を楽しみたいな〜。


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