聖週間 2017 ~ 聖なる木曜日 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで31年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

ついに、カトリック教会の典礼の頂点である「主の過ぎ越しの聖なる3日間」に入った。


第1日目の聖木曜日はいわゆる、「最後の晩餐」のミサか「洗足式」が行われるが、それとは別に、伝統的宗教行事として、各教区の司教座聖堂にて「聖香油」のミサが執り行われる。聖香油のミサは、聖木曜日に各教区の司教座聖堂において司教と司祭によって共同司式されるもので、この中では司祭の約束の更新と司教による聖油の祝別が行われる。

 

「最後の晩餐」では、聖体を制定し、また「洗足式」では、イエスが弟子たちの足をお洗いになられたことを象徴とする儀式。これは本当の愛の模範を示すものと言われ、パパ様も刑務所を訪問され、受刑者の足を洗うことが恒例となっているが、我がパロッキアは毎年、「最後の晩餐」のミサを祝う。

 

聖木曜日は、聖体が制定された日だけではありません。確かに聖体の輝きは他のすべてのものを満たし、いわば自らへと引き寄せます。しかし、聖木曜日には次のことがらも含まれます。まずオリーブ山の暗夜です。イエスは弟子たちとともにこのオリーブ山に出かけます。イエスの孤独と、見捨てられたことです。イエスは祈りのうちに死の闇に直面します。ユダの裏切り、イエスの逮捕、ペトロの否み、最高法院での告発、異邦人であるピラトへの引き渡しです。このときにあたり、これらの出来事についての理解を少しでも深めたいと思います。なぜなら、これらの出来事のうちにわたしたちのあがないの神秘が行われたからです。イエスは夜の中に出て行きます。夜は交わりの欠如を意味します。それはわたしたちが互いを見ることのできない状況です。夜は無理解と、真理が覆われることの象徴です。夜は、光を前にして隠れなければならない悪が広まる場です。イエスご自身は光であり、真理であり、交わり、清さ、いつくしみです。このイエスが夜の中に入ります。要するに夜は死の象徴です。交わりといのちが決定的に失われることの象徴です。イエスは夜の中に入ります。それは、夜を圧倒し、人類の歴史の中で新たな神の日を始めるためです。(2012年、教皇ベネディクト16世の主の晩餐のミサ説教 抜粋)

https://www.cbcj.catholic.jp/2012/04/05/8588/     

この言葉は、我がパロッキアの聖木曜日のミサの式次第の内表紙にも書かれてもいる。

 

入祭の歌。”E lo credemmo abbandonato da Dio" (Sequeri)

 

 

あまりにも美しい旋律で歌っていて、涙が溢れてきてしまう。

Ora ti chiedo umilmente, mio Dio di perdonare il mio cuore insicuro:  

dammi la forza di accogliere ancora la Tua parola, il Tuo gesto d'amore

「神に見放された彼を信じ」

私の神よ、今あなたに、伏して赦しを願います。自信のない私をお赦しください。あなたの御言葉、あなたの愛の行いを再び受け入れる力をお与えください...

 

Inno Giovedì Santo  "SCIOGLIAMO A CRISTO UN CANTICO"

 

 

日本での聖木曜日のミサの様子は全くわからないが、こちらはアンブロジアーノ典礼の詠唱。(福音書朗読の前はアレルヤ唱を歌うが、四旬節は「詠唱」を歌う) 

 

 

 

 

また、ローマ典礼では、ヨハネ13:1-15章を読むが、アンブロジアーノ典礼はマタイ26:17-75(時に途中省略)を読む。

 

拝領祈願の後、司祭は裁断上の聖体に献香してから、翌日の聖体拝領のために聖体を別の安置所に移したため、ミサ閉祭後も祈りを捧げる人が多く、また告解待ちの人も多かった。

 

そして、祭壇上のすべてのものが取り除かれ、裸の状態となった。キリストの受難と死が始まったことのしるしとされる。

 

「受難と十字架から来る救いは、「だれもわたしから命を奪い取ることは出来ない。わたしはそれを捨てる。わたしは命を捨てることもでき、それを再び受けることもできる。これは、わたしが父から受けた掟である」(ヨハネ10:18)とあるように、イエスの神に対する信頼と覚悟の表れなのです。これから自分の身に起こることに対する、イエスの認識と承認とも言えるでしょう。」(レナト•フィリピーニ神父様著書「聖週間を生きる」より抜粋)

 

明日の聖金曜日は、この言葉を受け止めて過ごしたいと思う。

 

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