聖歌隊 〜 2倍の祈り | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
地元パロッキアの聖歌隊にはいり、かれこれ4,5年が経つだろうか?

どうせ、ミサに出て歌うのだから、聖歌隊に入ったところで同じ。週に1度の練習ならばなんとかなるだろう?と軽く考えて入隊。練習は常に平日の夜9時から。指導者である司祭やシスターたちが夜しか時間が取れないのだから、仕方ない。しかも、彼らは下手したら、一般の社会人よりも仕事をしている。お給料というお給料もないし、生涯を神に捧げる決心が揺らいではできないもの。

ところで、昨年の秋あたりから、ミサにおける聖歌の選曲係となった。

月一度の日本人ミサでも聖歌の係になり、毎月ミサの前に、神父様の元へ直接出向き、どの曲を歌うか一緒に選択をしたものだ。カトリックの典礼は3年で一度一巡するので、A年、B年、C年のミサ及び聖歌の選曲リストは表になっているので、現在はそれを参考にしている。

教会によって、またその指導者によって、聖歌の選曲は司祭がしたり、係に託したりするようだが、地元パロッキアに関しては、今までは、音楽担当のシスターや神学生が選曲していたが、私のような一般信者に振られたのだからさあ大変。叩き台となるサイトはあるが、あくまでも例。やはりその日の朗読場所を読み、黙想し...なんていって選曲していると、どれだけ時間を費やすことか!
 
その後、表にして司祭にメールで送付し、どこがどう変更するかは、すべて任せるのだが、練習の時点で、それが知らない曲だったり、難しかったりしようものなら、「誰が選んだの?」「なんでこの曲?」と聖歌隊のメンバーからブーイングが入る。初めの頃は、長女と同い年の大学生の女の子と協力して選曲していたが、たまたまた私が不在の練習日に、ブーイングの嵐に遭い、激怒、そして落胆。もうやってられない!といってその任務を降りてしまった。

さあ、どうする私?私もまず時間がないんですけど... せっかく選曲したところで、訂正ばかり入るのならば、専門の聖職者の方々がやったほうが時間も省けるし、良いのでは?そして、遠回しに私もこの係から外して!と書いたが、うまく伝わらず。いや、伝わっていてもわからないふりをされたのか? しどろもどろの私に、「貴女しかいない」「貴女の信仰の助けになるから」と言われてしまうと、しゃーないなー、とついついいってしまう。苦笑 結局、細々と苦し紛れに任務続行中。けれど、一度受けたことならば、やはり喜びをもってしたい。

...というわけで、早くも四旬節に向けて、選曲のため勉強中。ミラノは全世界の「ローマ典礼」とは違い「アンブロジアーノ典礼」。当日の聖書朗読の箇所も違うので、手引きの本は手放せない。それを読んでまずテーマを心に留めることが大切。もちろん、それ以前、アンブロジアーノ典礼のカレンダーを把握しておくことが大前提だ。そして、それぞれの行列やら意味、特徴の理解。カトリックの幼稚園及び小学校と隣接しているので、時に、幼児たちも一緒に歌うこともあるし、オルガンだけでなく、ギターも取り入れたテンポの速い曲も入る。

「詩編と賛歌と霊的な歌により、感謝して心から神をほめたたえなさい」(コロサイ3:16)

共同体のささげるミサの中で、信者全員が心を一つにして歌う聖歌は大切な祈り。ただ、我がパロッキア、というかイタリア人、人と心を合わせる前に、私!私!と主張する人、多し。人の声(歌声)、聞かないし...苦笑

聖歌に関わる奉仕者は、本来、聖歌の選曲以外に、自らが神への賛美と感謝を捧げながら、共同体が積極的にミサに参加できる様促す役割があるが、なぜか聖歌隊内での、心の一致のため、歌いながらも目を白黒させている今日この頃..