自民党陥落の可能性が現実味を帯びてきた。

 解散前の右往左往、ドタバタ劇が目についた一幕。

 このブログ更新も、あまりの現状に熱が入らず、当ブログにおいて麻生総理就任後、初となる記事になる。

 宮崎県知事と自民党の迷走、大阪府知事の冷静で国政に打って出るにはまだ力不足といった謙虚な対応で対照的に映った感もある。

 しかし、両知事ともに今も変わらずアツい志を持った国民(県民・府民)目線の首長だと思う。

 東国原知事の行動が異様に映ったという人もいるかもしれないけど、そんな事はないと信じている。
 そもそも、東国原知事は早稲田に社会人入学すると決めた時から、国政に打って出る事は考えていたはず。
 しかし、国政を預かる為には、まず地方を知る必要があるという思いから宮崎県知事選に出馬を決めたのだろう。
 もちろん、それなら市区町村長からという話もあるけど、年齢的に、現実的に考えると、市区町村長数年、県知事数年歴任後に国政というプロセスは、あまりに時間がかかり過ぎる。
 のし上がって事を成す為には、好機を逃さない事は重要であり、「今の想いをそのままに」という初志貫徹にもあまりの時間の経過は障壁となるだろう。

 ただ一点、あの時点で今回の自民党からの誘いを好機と見てしまった点は不幸だけど。

 それを除けば、地方の現状を踏まえた上で国政に臨みたいという意思であるなら、民意を極力汲んでくれる政治家になる事は、今の東国原知事も変わらず間違いないと思う。

 一方、橋下知事は、謙虚に力量不足と言ってるけど、かなりの実力派であり、たとえ今、国政に打って出たとしても東国原知事同様、十分に国民の期待に応えてくれる政治家になると思う。
 更に東国原知事が浮足立ってしまったのと対照的に橋下知事は、冷静な対応を見せた点は更に期待を持たせてくれる。
 橋下知事が踏み切らなかったのは、好機には見えなかった事は勿論、たぶん府政の健全化と府民の安心を取り戻す為には、まだ時間が必要であり、今その職務から離れる事が本意ではないからだと思う。
 首長で連携して支持政党を選ぶという手に打って出たのは、やり過ぎの感はあるものの、腐敗した政治を立て直そうという強固な意思がない限り、そうした声を挙げる事はなかなかできるものではないので立派だと思う。

 2人が絶好のチャンスを得て国政に打って出る日が一日も早く来る事を願う。

 あと田中知事、さらに政局とこれまでの立ち位置からしてちょっと難しいかもしれないけど、猪瀬副都知事にも期待がかかる。

 どうしてこうも政治とは無縁のメディアに露出していた人々が期待されるかという点については、有名人だからというだけでは説明がつかないと思っている。

 有名人・著名人だからこそ、一挙手一投足が取り上げられる点は、利点ばかりとは限らない中、それでも支持するに値する「行動を伴った言動」があるからだと思う。

 これは最初から政治家、官僚から政治家となった人とは対照的に映る。
「パフォーマンスだけの言動」や「無責任な言動」は国民にとっては無益なばかりでなくマイナスだからだけど、後者はこうした人が多い印象が強い。

 さて、仕方なく?衆院解散にようやく踏み切った?自民公明連立与党も苦しい選挙戦になる事は誰もが否定しない事実だろう。

 麻生総理が両院議員懇談会で述べた言葉、麻生総理が経済優先で行ってきた施策は決して間違ってはいないと思われるが、そこまでの思いが何故実現しないの?決められないの?強行すべきところで強行できないの?わかってるのにどうして?という疑問がついて回った事が麻生批判につながっているんじゃないかと思う。

 麻生総理の意向が通っていれば、もう少しましだったのではないかと。
 つまり、自民党内がかなり腐敗しているのか、麻生総理に実際にやる気がなく腐敗議員の一人でしかなく両院議員懇談会後の会見の言葉は単なるパフォーマンスだったか、やる気はあったけど実行力(支持)がなかったのか、いずれかだと。
 いずれにしても自民党内の一部の中堅、若手、ベテラン議員を除く実質決定権を握ってしまっているベテラン議員たちがズレていて国民は眼中になく自分の事しか考えていないから、こういう結果になるのだと。

 いずれにしろ、こうしたベテラン議員たちが現役でいる以上、政権与党を任せるというのは、話にならないと思う。
 都知事は前哨戦にされたと憤ってるけど、その民意が都知事選や静岡知事選などで表れているのだから。

 もう一つ、特に前述の自民党内で実質決定権を持つベテラン議員たちが注目すべきは、市区町村長選などで30代前後の若手が少なからず当選していること。

 (金融危機による影響も一因となって)現状打破、しがらみ撤廃などの思いが如実に表れているといってもいいだろう。

 つまり、昔ながらの相変わらずの何も変わらない、変える気のない権力だけを持った人には飽き飽きだということ。

 党がどうのこうのよりも、そういう事を理解できない、する気がない自民党議員に嫌気がさしている事を肝に銘じるべきだと思う。

 それができなければ、立ち直る事は難しいだろう。

 そこで議員数で野党第一党の民主党におのずと期待がかかるわけだけど、党としては与党経験がないのでどうしても不安視される傾向にあるのも事実だろう。

 私も初志貫徹したとしても軌道に乗るまでに、思いを貫き始めるまでに、それが国民の目に見えてくるまでに最低でも3~4年くらいはかかるんじゃないかと思う。

 なぜなら、自分たちの利権ばかりに目がいき、国民に目が向かない人間が多い官僚との戦いがあるから。
官僚支配の政治を改革する事を挙げている官僚とのしがらみの少ない民主党であっても国家運営を滞らせることなく、官僚支配を打破していくには、それ相当の時間が必要だろうから。

 その時に、官僚への影響力という意味で党内から期待される1人が、小沢副代表だろう。
良い意味で正攻法で行くであろう、行かざるを得ないであろう他の民主党員とは一線を画した部分で期待するのは当然と言えば当然だと思う。

 その間、手を抜いたり、言動がパフォーマンスにとどまったりするようであれば論外であり、たとえ連立含め、8/31の選挙により与党となったとしても、支持率の急落は避けられない為、民主党にとっては、一時たりとも息つけないというほどの状況となるだろう。

 現状を打破する為には、疲弊した地方、疲弊した国民に頼らず、まずは、国民がよくぞそこまでやったね、というほど国政の無駄を徹底的に排除し、財源をねん出して、雇用、社会保障の見直しと立て直しを急ぐしかない。

 国の借金が膨らむ一方だから、歳出を減らすために、社会保障に手をつけましょうと考えるのはナンセンス。

 その前にやるべき事が山ほどあり、やらなければならないにも関わらず、やる気もなく、着手もせず、例外なく社会保障も削減しましょう、やっぱり消費税増税しかないよねという短絡的な発想では、立て直しすらできないと思う。

 そうした発想しか出てこないから、いつまで経っても変わらない、そういう発想しか出てこないから、自民党のように廃れていくのだから。

 金融危機に端を発した世界的な経済危機は、自然環境に目を向ける事を含め、様々な事を教えてくれる事態であり、今後も予断を許さず、相当長期に渡って長引くものだと思う。

 戦争の代わりに始めた経済は、性質的には戦争と同じ意味合いを持つので結果的に市場を広げ、しまいには食い尽すという事になる。

 食い尽したあとは、技術革新など付加価値をつけて既存市場に投入するのが「経済としての常とう手段」であり、逆に言えば、それ以外に道はない。

BRICSの中でも中国は未だ大規模な財政投入で痛手が少ないように見えるけど、毎年毎年そんなに財政投入できない上に、13億人超と言われる人口のほんの一部しかその経済的繁栄を享受できていないというアンバランスと生命の源泉ともいえる水の恵み黄河が干上がっているなどの点から、中長期的に見た場合、経済的な発展の市場として中国に期待を寄せるのは、いかがなものかと思う。

 その中国が、アフリカ諸国の原油などの資源を目的に経済支援などを積極的に行っている。
BRICSがある程度成長した今となっては、市場を食い尽くす経済の原理から言って、残す手つかずな市場はアフリカ大陸と紛争やまない一部地域のみだから。

 少し前までのスピード超過した経済原理を、未来永劫続けていこうとする事は、何を意味するのか。
 今の現状(生活レベル・社会レベル)を維持したいからという理由でその方向に邁進することは、未来の大人、今の子ども、これから生まれてくる子どもたちにとって幸せなことなのだろうか。

 エコをビジネスの好機と捉え、これまでと変わらぬ生産活動手法によって果たして地球環境、宇宙環境を回復させることになるのだろうか。

 もう少し、視点を変える必要はないのだろうか。

 今の日本の国家レベル、社会レベル、生活レベルを変えずに国の850兆円目前の借金を返すためにも経済に邁進しなければならなくなっている今の方向性は、借金を完済しても続ける可能性の高い今の方向性を見つめ直さなければ、そしてその先を今から見据えて対策を講じなければ、未来の大人たち、未来の子供たちの笑顔を想像することさえ難しくなるんじゃないだろうか。

 考え過ぎではなく、根本的な事を、本質的な事を「考えなさ過ぎである事に」気づくべきなんじゃないだろうか。

 後悔しない為に。