竹やぶ 柏本店 | 蕎麦巡記

竹やぶ 柏本店

蕎麦巡記
言わずと知れた有名店、「竹やぶ 柏本店」にお邪魔しました。
今日は蕎麦人 の管理人さんと同行です。

手賀沼にほど近い高台に店を構えていて、およそ4台分の駐車場に車を止めたあと、マンションで例えるなら3階分ほどの石段を登っていくと入口に辿り着きます。実は高台側にも入口があり、こちらの方が駐車場の台数が多い上に、階段も登らずに済むようですが、せっかくの訪問ならば、やはり一興ある石段ルートがお勧め。


石段を登る客を飽きさせない為か、道中にはお手製の不思議な演出が盛りだくさん。コマ犬の置物と、洋風のガーデンチェアが共存し、割り石のタイルワークには和風サイケ調のオブジェが埋め込まれていたり。そして、そもそも苦労して登るような階段ではないのですが、何故か途中途中に休憩所も用意されています。

正午すぎに入店。見たところ満席でしたが、どうやらタイミングが良かったようで、スムーズに座敷席へと案内してもらえました。注文は「蕎麦三昧コース」。コースの蕎麦は「せいろそば」と「田舎せいろ」が選べるそうで、今回は「田舎せいろ」を選択しました。

コースメニューの一品目は「荒挽そばがき」。コーヒーミルで挽いているとの事で、さすがに超荒挽きの蕎麦粉。仕上がり温度も丁度良く、蕎麦の香りが立ち登ってきます。また、最初から振ってある粗塩が、蕎麦の風味をさらに引き立てていました。
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続いては「田舎せいろ」。手挽き・挽きぐるみで、透明度の高い細切りの蕎麦です。見た目、田舎せいろと名付ける割には「素朴」よりも「洗練」寄り。味についてもやはり同じで、田舎そばに求める風味は感じられません。名称を「田舎せいろ」ではなく、単に「手挽きせいろ」にした方が誤解がなくて良いのではないでしょうか。つゆは程良く均衡が取れていて、この辺りはさすがと思わされましたが、そばがきで期待値が上がっていただけに、何ともこの蕎麦は残念でした。


三品目の「にしんそば(小)」は、甘辛く煮込んだにしんの甘露煮が美味くできていました。出汁は醤油の強い江戸風と思いきや、意外にも鰹のしっかり効いた関西風。にしんそばはそもそも京都発祥の種物なので、この関西風鰹出汁との相性が悪いはずはありません。小盛りとの事でしたが、蕎麦のボリュームは一人前相当だと思います。

最後のメニューは甘味の「みずあずき」です。おなじみの「水ようかん」とは違い、口に入れるとスッと溶ける、ギリギリの固め具合が素晴らしいです。甘さも控えめでサラッとしているので、食事の締めには最適だと思います。


有名でも無名でも蕎麦屋は蕎麦屋。このブログでは、知名度が店の評価に影響しない様に心がけて記事を書いています。そういった見地から評するに「近くにあればもう一度行っても良い店」といった所じゃないでしょうか。
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