大切なのは、キャンペーンの規模感。
キャンペーン戦略をプランニングするには、
その規模感を把握して、それに応えられるだけのキャンペーンに仕立てる必要があります。
例えば、日用品の雄、花王の洗濯用洗剤「アタック」は、年間1億個うれているそうです。
(何かの本で読んだだけなので、正確な数字は違うかもです、すみません)
そうすると、アタックは1日に大体27万個売れてることになります。
月別のシェアでものを捉えるために、月の売り上げ個数を数えると、810万個になります。
さらに、アタックの月間のシェアが10%だったと想定すると、洗剤の1ヶ月の売り上げ個数総体は、8100万個ですね。
さて、お題がシェア10%→15%だとした場合、810万個の売上個数を1215万個にするということに。
つまり上乗せ分の415万個を1ヶ月の間に新しく積み上げねばならないということです。
そうすると、洗剤なんて大体1人1ヶ月に1個くらいしか使わないし、まとめ買いしたとしても2個までなので
それを少しだけさっ引いたとしても、350万人くらいに、新しくアタックを買ってもらわないと
シェアは5%あがらないことになります。
※もちろん既存顧客へのアプローチで個数を伸ばす可能性もありますが、広告屋として新規で考えます。
以上のように考えると、350万人に購買行動をとらせるキャンペーンが必要になり、
(これは事実上かなり難しいと思いますが・・・)
そのためのファネル設計が必要になってきますねぇ・・・。
さて、逆にマンガのようなターゲットが非常にセグメントされた商品のキャンペーンについて考えてみます。
現在少年ジャンプの売上部数は250万部、ヤングジャンプは100万部などと言われているそうです。
これは週の売上ですね。月にすると4倍の1000万部と、400万部になります。
お、個数と部数で比べると、アタックとジャンプは1000万を超えるくらいの売上になるんですねぇ・・・
ジャンプのシェアを60%と仮定して(※仮の数字です。ジャンプぶっちぎりだから勝手に想定)
5%シェアをあげようとすると、1000万部を1080万部にすることが必要になります。
ということは、週の売上部数を270万部にするということになり、
例えば、マンガの市場で言うと、20万部プラスオンで買わせることが
キャンペーンの目標になることもあるでしょう。
350万人に売るキャンペーンと、20万人に売るキャンペーン。
これが同じ仕組みのキャンペーンであっていいハズがありません。
考えてみれば当たり前の話ですが、市場規模によって同じシェアでも全く重みも違いますし、
キャンペーンの組み立て方(特に使うメディア)も大きく変わってきますから、
これまでみてきたような視点で市場規模、キャンペーン規模を想定しないと、
広告/キャンペーンは効いたハズだけど、モノは全く動かない/売れない、
という状況になりかねません。
目標設定とキャンペーンの効果を上記のような視点で
もう一度考え直してみることからはじめてみると、キャンペーンの仕組み自体への考えも
深まっていくような気がします。