PS Homeで妄想三昧

       wハート☆ PS Homeで妄想三昧 に
                 いらっしゃいませ~ 
wハート☆

私のPS HomeのIDは
「cocomoon」ではありません。
ブログ用に付けた名前です。
まるちゃん風


Homeに同名の「cocomoon」さんがいらっしゃるそうです。

ご迷惑がかかるといけませんので、ここに書いておきますね

ホームのIDは、まったく別の名前デス
SAYU女の子
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Playstation homeよ永遠に。あるユーザーの独白(part3)



~最終話~


未だ、現実で会った事のない
あの世界を知る「我が同志たち」

本当にいるのだろうか?

だが、偶然訪れた知らない街に
「彼女」はいた。

そう・・・だから今、私のそばをせわしげに
行き交う人々の中にも、きっと彼らはいるのだ。




<写真を“君の名は”風に加工するアプリ>
があるそうだが

2年前のあの日以降、私の脳内には
<現実を“PS Home”風に加工するアプリ>
標準装備された。

・・アプリじゃないが。
まぁでも、アプリの様な物だ。。

そして、それは彼らの脳内にも存在し

ふと立ち止まり、遠い目をする時

そこにあの世界を重ねて見ているに違いない。




賑やかな電気街を通り抜け
次にスマホが示す脇道に入ると

そこには、打って変わって人通りの少ない
昔ながらの個人商店が並ぶ
小さな商店街が現れた。

いつの間にか夕日は沈み
辺りは夕闇に覆われつつあった。

あちこちの店で灯りが灯り始めている。



昔ながらの縄のれんに
赤提灯のある居酒屋や

こじんまりとした洋食屋に花屋。

色褪せたマネキンを飾った洋服店。

その隣は布団屋なのだが
なぜか店先でタイ焼きも売っている。



なるほど、今の時代
布団だけでは商売にならないのだろう。

しかし布団とタイ焼きとは・・・
全く接点のない唐突すぎる選択だが

それぞれに個性を持った
古めかしい個人商店が立ち並ぶ

この小さな通りにあっては
さほどの違和感もなく見える。



私が暮らす、昼と夜の区別もない様な
けばけばしい街とはまるで違って

小さな店々に灯る灯りが
暖かく優しい。

どこか懐かしい通りを歩いているうちに

足早に駅を目指していた
私の足取りも、自然と緩み

のんびりと、風情を楽しみながら歩いていると
疲れていた心がほぐれて行くような気がした。

その時。

私の足元で、パタパタと小さな足音がし
何か黒い影が駆け抜けて行った。



「猫か?」薄暗い道に目を凝らすと

もうずいぶん先の方にまで行っていたその影が
急に、ハッとした感じで立ちど止まり

街灯の灯りの下まで移動すると、こちらを見た。

蛍光灯の灯りが照らし出したそれは
・・・緑色をした小さなカッパだった。

あれは・・・私がハザマで初めて釣った、あのカッパだ。



・・ああ、わかっている。
今私は可笑しな事を言った。

そう自分で自分に言い訳をしながらも
その可笑しな物体を凝視した。

やはり・・・あれはカッパだ。

薄暗い夕闇の中、まるでスポットライトのように
蛍光灯に照らされツヤツヤとしている。



カッパは私に向って、小さな手をブンブンと振り
何やら口を動かしている。

が、ここまで声は届かない。

目を凝らし、カッパの口元を
食い入るように見て
その動きを真似て声にしてみた。

「お・ひ・さ・し・ぶ・り・っピ?」


カッパには私の声が届いたのか
満足そうに頷き

小さな体が揺れる程に
一生懸命ブンブンと手を振ると

通りの先へと駆け出して行き

夕闇の中をすぐに見えなくなった。



「おひさしぶりっピ・・・」
今、「ぶりっピ」って言ったよな。。

そうだ!忘れるはずもない
この語尾は!
間違いない。あのハザマの、あのカッパだよ!

ああ、わかっている。
今私は可笑しな事を言っている。

・・・どうやら私の脳内アプリが
バージョンアップしたらしい。

<NPCが見える機能>が追加されたようだ。


やれやれと頭を振り
けれど、どこか愉快な気持ちで歩き出す。

手元のスマホは
ここを抜けると、駅はすぐそこだと教えてくれている。



なんだかこの散策を終えてしまうのが
惜しくなった私は

スマホをポケットに押し込み
今来た道を振り返った。

さっき見た居酒屋の軒先に吊るされた
“おでん”と書かれた赤ちょうちんに目をやる。

私は、普段一人で居酒屋に寄る事はない。

夜に任せた様な街の喧噪も苦手だ。



しかしだ。私は足を居酒屋へと向けた。

久しぶりにおでんでも食って帰ろう。
さて、何を頼もうか。

ふと頭に、ある言葉が浮かんだ。

「大根に厚揚げ。いーも(ロック)で。」

ネオンのゲームも途中で止めた私は
よくこのオーダーをしていた。



よし、これを頼もう。

しかし、もう少し頑張れば良かったな。
“吟醸なみだめし
”くらいは言ってみたかった。
 
などと考えながら、居酒屋の引き戸を開けると

狭い店内におかみさんと客が一人。

驚いたことに彼らは
私がよく知っている人達にそっくりだった。


ー女将さんは、ヒゲのない屋根裏のNPCにそっくりでー

女将 「あら~!いらっしゃいませぇ~」



客の男は、顔も体つきも
どこかで見た事があると思ったら

ネオンの奇天烈堂の、あのNPCにそっくりだった。

男性客 「や、どうも、どうも。」



その夜、私は幸せな気分だった。

 PS Homeは終了したが
あの世界は、いつも私や彼らと共にある。

ふとした瞬間の、風や匂いが運んでくる事もあれば
季節や場所、はたまたそっくりな人になって現れる事もある。

人生の中で、そんな瞬間を持てる
私は、私達はきっと幸せなのだ。




居酒屋を出て、ぶらぶらと駅に向かう。

少しひんやりとした夜風が、何とも心地いい。

ー今夜はぐっすり眠れそうだ。ー



ーその頃ー

彼女”こと、ムン子

ムン子
「いや、ないわぁ~!この私にPS4勧めるかなぁ~?

PS HomeのないPS4とか・・・ない!ない!ないわぁ~!」




おわり猫村2


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