そこは、見渡す限りの草原だった。
どの方角へ向かって進めば良いのか分からなかった。
僕はバックパックを担いだまま、途方に暮れていた。
一つだけ分かっていた事…
それは、“進む方向を間違えれば死ぬ”という事である。
もうどの位、この場所に立ちつくしていたのだろう?
赤い服を着たお兄さんが近づいて来た。
お兄さんは口を開いた。
「こんな所で何してるんだ?俺に付いて来い」
僕は頷き、赤い服のお兄さんの背中を追って歩き出した。