枠組みをまとめる ~理論から実践まで~ 今はボイトレ

枠組みをまとめる ~理論から実践まで~ 今はボイトレ

発声好きの一般人がテーマにそって枠組みを考えて紹介していきます。


2012年の頃の「はじめに」記事案内の目次。大二病発症中だと思われる。楽しいので残しておく。
2014年8月にボイトレ関連の記事が上がり始める。図表をたくさん使い配色にもこだわったまともな内容なのでためになる。
2015年からは不定期更新。たまに浮上する。
Amebaでブログを始めよう!
舌骨上筋群前方引き上げ筋として取り上げましたが、最近気づいたことがあるのでここに書いておきます。


・おさらい

舌骨上筋群舌骨を上方に引き上げます、後方前方の向きの明確な区分は難しいですが、前方に引く筋肉のほうが沢山あります。しかし、後方に引く茎突舌骨筋を強く収縮させている人が結構いるため、舌骨が奥に入ってしまい喉仏の上がポコッと凹んでいる人を街中ではよく見かけます。

舌骨が奥に入ってしまうと咽頭共鳴腔が小さくなり、声通るチューブの中をギュッと絞ってしまったような感じになります。結果的には平たい声や響きのない声になりやすいです。もちろん、舌骨に大して甲状軟骨が大きいため凹んでいるように見える人もいますが、大半は茎突舌骨筋など後方引き上げ筋による働きです。

舌骨上筋群の使い方は主に喉頭を真上に引き上げて咽頭共鳴腔を縦に狭くすることで幼い声や女性の声の響きを作ることにあります。真上に持ち上げるのが大事で後方上に持ち上げると共鳴腔が非常に狭くなって声の通りが悪くなる感じがあります。

・発見
端的にいうと共鳴腔を変えないレベルではありますが、高音発声時に舌骨上筋群がそこそこ緊張していました。別に幼い声を作ろうとしているわけでもないのにです。今まで喉頭周辺を触りながら筋の収縮を確かめており、顎下周りをあまり意識していなかったために気づかなかったのです。

舌骨上筋群は片方が舌骨につき、もう片方はほとんどに繋がっています。顎下を指で中のように押すとよく感じられます。表面は前筋の調整が良くなってからほとんど収縮しなくなったのですが、実は深いところはまだまだ収縮していたんですね。なので、顎下深部に指を当てながら深いところまで収縮させないように発声フォームを探してみました。

とりあえず2日ほどやったところなのでまだ不安定なのですが、多少変化がありました。

①深部の収縮があるときは前筋の調整が甘くなる
②深部の収縮がないと調音がしやすく声の響きが良い


①はどういう理屈でそうなるのか良くわからないので私の個人的な癖かもしれません。前方引き上げ筋で声帯の伸展の代替をしていたことがあるのでその名残でしょうか。ともかく、共鳴腔を変えずにナチュラルな自分の声で歌うときは働かせないほうが歌いやすいと私は感じます。

②については舌骨を支えるであり、顎下深部というのは舌骨を繋いでいる筋肉もあります。舌骨上筋群ではなく、舌に繋がる筋肉の緊張を感知しているのかもしれません。それであるならば、の動きによる調音が滑らかになるというのは納得できます。

響きが良くなる理由についても怪しいのですが、息が流れやすくなるのではやり咽頭共鳴腔が広がり、喉頭蓋が立ちやすくなるのかもしれません。喉頭蓋は気道と食道の蓋で寝ているとまさに気道に蓋をしてしまうので、発声するときには立っていることが望ましいです。

真相はどうあれ、ニュートラルな状態で発声するときに顎下深部の収縮を確かめてみるのは発声の改善に有効だと思います。






「ミドルボイスが出したい」「ラルクのhydeのような声が出したい」のような理想の声を追い求めるためにボイトレ情報を漁っている人は多いはずです。yahoo知恵袋のカラオケカテゴリーを見ていると、ミックスボイスかミドルボイスが出したいという質問がかなりあります。

さて、そのための方法論とは?

・持論

私は、特別に理想の声があってそれを出すためにボイトレをやっているわけではありません。どちらかというと声真似が上手い人のように色々な声が出せるようになりたいと思ってやっています。

数年前はよくニコニコ動画をよく見ていたので、いわゆる多声類に憧れていて、赤飯、96猫、恭ちゃんのような人はかなり好きでした。恭ちゃんは歌い手ではなく生主ですが、面白さと声芸は間違いなくトップクラスですね。

とはいえ、理想とする声の形式は一応あります。それは、低音から高音までひとつなぎになっている安定してよく響く声です。まぁ、これは誰もが思う形だと思います。これを実現するために初期は、声区融合に関する本に始まり発声生理学やらなにやら一通り勉強しましたが、本に書いてあること、付属のCDの真似が中々出来ずに結局行き詰まってしまいました。

おそらく、喉の無駄な緊張が多すぎたせいです。必要な筋肉を使おうと思いながらも実際は違う必要のない筋を使ってしまう。しかも、無駄な筋は往々にして共鳴腔を狭めるとともに声帯の調整を阻害します。本来の機能が発揮できず筋力も育たないので無駄に力むばかりというような悪循環にハマっているうちはどうやっても上手く行かなかったように思います。

結局、長い時間と労力を欠けているうちに段々と成長してきてある程度の水準を超えたとき、だんだん変化を感じるようになっていきました。それは、前筋の筋力がついてきたことと、咽頭収縮筋と肩甲舌骨筋などの効果的に喉を締め付けてくれやがる筋肉がほぐれ始めた頃だと思います。

一番大きな変化は、ピッチ変化の抵抗がだいぶ減ったことで、それにともなって共鳴腔を作るという意識が出てきました。こういう意識をすると声真似がしやすくなったので、youtubeで声真似動画を漁ったりラジオやテレビ番組の声真似をしてみたりといったことが取り組めるようになりました。以前は似る似ないではなく越えられない壁で止まっていましたからね。やり方が皆目検討もつきませんでした。

こういう状況になってこそやっと、ブレイクを隠したり、理想的な声質に近づけるということが出来るようになりました。遠回りかも知れませんが、もともと歌が下手な私がそこそこ成長できる段階まで来れたということは下手な人にとっては良い方法論なのかもしれません。

・結論

結論だけ言えば、
①喉の無駄な筋肉の緊張を取る
②声の様々な調整を覚える
③理想の声に近づける

ということです。

時間はかかるかも知れませんが一番確実な方法論だと思います。
もちろん、歌がもとから上手い人やセンスのある人には役に立たないでしょう。
色々検索すると前筋の筋トレなるものが出てきたりします。

ひたすら高音を出したい人がこれらに取り組んだりするのでしょうか。

昔やったときは上手く行きませんでしたが調整が上手くなった今ならと振り返ってみました。

・最善の筋トレ

一番前筋に負荷がかかるトレーニングは、
柔らかい声質で出来る最高音付近で深く速いビブラートをやりまくる
だと思います。

柔らかいとは声帯が縮んだり緊張していないという意味で言っていて、前筋で声帯をよく引き延ばしている状態じゃないと意味がないです。叫んだり縮みが強いとまずビブラートが上手く出来ないです。早く深くはオペラ的なビブラートを目指します。小刻みで幅が小さいのは内筋で声帯を縮めて作っているように感じます。大きく揺らすには伸展が必要です。

まさにやりまくると次の日、輪状軟骨の両側当たりが少し重くなって急峻なピッチ変化がやりづらくなります。痛みを感じるほどではないですが、筋肉が疲労したような感じになります。

・意味があるのか?

前筋の最大筋力を鍛えるには効果的なのかも知れません。しかし、これができるなら別に強いて筋トレする必要性がないですよね。ある程度前筋が働いてるなら普通に歌っていているだけで音域は十分になるはずです。ストイックにひたすら高音を求める人向けじゃないでしょうか。

私はhiDぐらいでやるんですが、hiE以上の音っておかしな楽曲じゃないと出てこないですし、安定して出せたら凄いですが、実際歌を歌うにはあまり実用的でないですよね。むしろ中高音域を如何に上手く出せるかの方が大事なので、別のことをやった方が良いんじゃないんでしょうか。

必要な人はできない。できる人は別に必要ない。
前筋の筋トレなんて意味がないと思います。

前方引き上げ筋を知っている人は少なそうです。喉頭を前方に引き上げる筋のことを指し、具体的には甲状舌骨筋舌骨上筋群です。


・働き

甲状舌骨筋は名前の通り甲状軟骨舌骨を繋いでおり、舌骨の方が固定が強いので甲状軟骨を引き上げます。舌骨上筋群舌骨をつなぐ複数の筋肉をそう呼ぶようです。個別に種類があるのですが、簡単には舌骨を引き上げます。どちらも外から触れます。脂肪が厚いと難しいですが、大まかに縮んでいるのか緩んでいるのかぐらいは分かりますね。

・効果

喉頭を引き上げることで咽頭共鳴腔を縦に狭める。これは男性にとって女性や少年の声道形状に近づけることに相当して声を幼くしたりアニメ的な声にする効果がある。また、喉頭が前方上に引かれることで声帯の伸展と閉鎖を副次的に助ける。ただし、この伸展や閉鎖は輪状咽頭筋輪状軟骨が後方下に引かれていないと起こらない。声帯は両端が引かれてこそ伸展し、伸展による副次的な閉鎖効果が見込める。

・自分の体感

この筋をよく働かせるようにするとホワイトベリーの夏祭りの真似が結構上手くいく。録音を聞いてもそこそこ似ているが少しうるさい。また、裏声になるとこの筋群と後方引き上げ筋が働いて喉頭がぐいっと上に上がることが多かったが、伸展が純粋にできるようになると、裏声でも共鳴腔を変えずに出せるようになった。録音で声帯振動の違いは感じられるが、響きの作りが前よりも近くなったのがわかる。高音にいくとまだつられて働いてしまうのでもっと分離できるようにしたい。

・無意識に収縮させてしまう場合
前筋閉鎖筋を補うことができてしまうため、それらの筋がなかなか育たない可能性がある。また、咽頭共鳴腔が常時縦に狭いと太い声や広がりのある響きが作りずらいように思える。これはあえて前方引き上げ筋を使って狭くして歌うときの体感としてだ。もともと縦に狭い人ならば上手く作れるのかも知れない。
また、高音でこの前方引き上げ筋が働くと非常に苦しくなる。前筋が使えないための代替運動としてこの筋を必死に収縮させたところで、前筋による伸展の効果にはまったく及ばない。どんどん苦しくなるだけでピッチはあまり上がらない。地声の張り上げに見られる一番つらいタイプだと思う。4年前ならまさにそうだった。喉は上がるがピッチは上がらない、ただただ苦しいだけというね。これはつらいよ。前筋で引き伸ばすのが大事です。

・収縮を抑制する方法

①引き下げ筋とバランスさせる
前方引き下げ筋となら比較的やりやすいし、これで安定する音域も少しはある。しかし、それ以上はいけない。繰り返しになるが前筋の伸展には及ばない。ただし、後方引き下げとしっかり引っ張り合えれば結構伸展をさせられる。こちらは上手くないがそれっぽいものは確認できる程度。梵声さんのやるアンザッツ6がまさにこのタイプだが、前筋もふんだんに使っている。

②前筋を使えるようにする
ピッチを上げるために前方引き上げ筋を使うのはナンセンスで前筋で引き延ばすことが大事です。前筋が使えているならば前方引き上げ筋は自然と収縮させなくなっていくように思う。あくまで声質を変えるために使う筋肉じゃないでしょうか。
最近自分の発声で一つのブレイクスルーがあったのもデイリーをしっかりやっているおかげかも知れません。むしろそれ以外に変わったことがあまりないのでそのおかげでしょう。

ボイトレ本は目ぼしいものがあればだいたい買って読んで練習CDは聞いているんですが、中々練習CDを毎日全部やるというのはきついんですよね。時間が結構かかるし練習の意味がわかっていないと成果もモチベも出ません。何をどう訓練するのかがわかっていない練習はいくらやっても無駄だと個人的に思っています。

そこで、30分で終わる練習トラックを自分で作ってみました。これは作るまで結構手間でしたが、出来上がるとかけた手間もあるので中々継続して出来ています。色々なCDや音源の繋ぎあわせなのでここで公開するということは出来ませんが、大体の構成を書いておきます。

・デイリーの構成

5分はウォーミングアップで
・ブレス
・リップロール
・オペラのような声
・エッジボイス

をやります。

25分はピッチ調整の練習で
・「ドレミファソファミレド」の音階練習
・「ドレドレドレ」「ドミドミドミ」の音階練習
・エッジボイス始動の「ドレミレド」の音階練習

地声裏声の両方でやります。

・ウォーミングアップの中身

・ブレス
よくある「スー」というやつです。音源は拍打ちでだんだん長くしていくタイプです。
特定の筋が力まないようにバランスよく呼吸筋を使うことが重要です。

・リップロール
「ドレミファソファミレド」で音階を楽にやれる範囲で軽くやります。
音源はストリングスがドミソの和音を持続しピアノが音階を鳴らすタイプです。これは地声区から始めますが裏声区に滑らかにつなげます。息の量が少なくするのがポイントでしょうか。あと力んだら負けです。

・オペラのような声
いわゆる「喉を開く」練習です。音源は手本とする声がなります。youtubeで西洋のオペラ歌手で好きな人を選んでください。もちろんロングトーンですが、音程は低めのほうが良いです。
喉頭を緩まして下げること軟口蓋をしっかり上げることを意識して咽頭共鳴腔を大きくします。まだ舌骨を前に出すというのは上手くできないです。使い分けが大事なのでオペラ的な声と普通の声を交互にやるのがポイントです。

・エッジボイス
エッジボイスで声帯閉鎖の練習です。お手本はAKIRAという人の本のトラックから借りています。かなり質が高いエッジボイスだと思います。
声帯を縮めたり緊張させるのではなく、閉鎖させるだけという意識が大事ですね。横筋が働いてたら良いんでしょうが、これは知覚できているのかよく分かりません。

・メイントレの中身

以下の音源はyoutubeとCDから流用しました。基本はストリングスで和音持続、ピアノで音階です。
人によって音域をどうするが問題なので、地声と裏声を両方しっかり使うように調整するのが良いです。音階練習は意識してちゃんとやれば確実に出来なかったことが出来るようになってくるのでいいですね。

基本どれでも必要な筋肉しか使わない意識でやります。ピッチを正しく保ち息漏れをなくす最低限を意識してやっています。力んだら負けですね。音色を作るのは歌うときでいいんじゃないでしょうか。

・「ドレミファソファミレド」の音階練習
地声と裏声の両方でやるので始まりの音をオクターブ変えています。今は地声で伸展を働かせることに集中してるので地声は低音から伸展させることをかなり意識しています。裏声は低音でしっかり伸展を保ち閉鎖が抜けないようにしています。どちらでも息の抜けがない締りのある声が大事ですね。
あと「ソ」が低くなりやすいので気をつけます。「ミファ」は半音、「ファソ」は全音でつられますし、高音が辛くなってくるとなおさらフラットします。この意識を持ってれば成果はぐっと上がりますね。

・「ドレドレドレ...」「ドミドミドミ...」の音階練習
音源は、4分、8分、16分と倍々で早くする3パターンです。
この練習がとても大事。前筋の純粋な調整もこれで出来るようになったと行って過言ではないです。始まりの音は両方低めで裏声では5度上げています。とにかく強調したいのが、「喉を一切動かさないこと」です。別に普通に歌うときは自然に動かせば良いですが、練習するときは止めたほうが絶対いいです引き上げ引き下げ筋による固定ではなく、何の力も働いていないから位置が変わらないという意味での停止です。

この練習とそういう意識はもっと早く気づいていれば良かったんですが、長年気づきませんでしたね。薄々わかっていても実際にはやらなかったというか、まったく損をしたものです。

・エッジボイス始動の「ドレミレド」の音階練習
音源は少し遅めのドレミレドです。
これは声帯閉鎖やエッジ感を声に入れる練習です。エッジボイスから急にピッチを上げるので前筋もよく使いますが、閉鎖のポジションを保ったままピッチ調整する練習という感じですね。

よく高音に行くとぱっと閉鎖が緩んでしまったりするのを防いで、声の芯をしっかり持たせる効果があるようです。これも地声と裏声でやります。上の音階練習とは声質を変えてエッジ感がある声でやろうとします。

これも喉の上下は避けたいところです。まだあまり上手く出来ないですが、声帯閉鎖の感覚も前筋のように綺麗に分離されるんじゃないかと試しています。

・コツや工夫

・使う母音
メイントレの方は母音を何でやるかが結構大事です。平時なら「あ」ですが、調子が良くて難度を上げるなら「い」、逆に調子が悪い時は力まないように「マモマモ」、静かにやりたいときは「う」かMハミングでやります。

「い」は喉が上がりやすく力みやすい母音なので「い」が綺麗な人は歌が上手いと思います(高音の「い」は「イー!」みたいな芯だけの響きのない音になったりしますからねぇ)。メイントレはそんなに声量を出さなくても良いですし、Mハミングだと隣室から気にならないレベルでできるので場所を選びません。

・音程は正確に
音感は一夕一朝で身につかないので、チューナーアプリで確かめたりストリングスの和音の中から逸脱しないようにして地道に鍛えるのが良いんでしょうね。

・はやり伸展の意識
声帯をとにかく引き伸ばして使います。地声感がどうのという人がいますが、縮めたり締めたりしたら別に作れるので、やっぱり引き延ばすことが基本だと思います。

・このメニューが本当に30分出来るのか?
詰め込んでいるので空白時間がなく結構急ぐ感じです。メニューをきちんとこなせるようになるまでも一つの練習と思ってやっていればテンポよく出来るようになりました。多少忙しいですが苦労がある方が成果が出ると思います。

・成果ってどれくらいで出ますか?
この3週間はほぼ毎日出来てますが、少しルーチンになりがちで効果が下がっているように思えます。飛び飛びでも試行錯誤しながらやっていた時期の方が同じ1周間でも変化が感じられた気がします。使い方を覚えたら後は筋トレで音域を少しつづ伸ばす感じなので、はやり手探りで使い方を覚える段階が一番成果が感じられると思います。「急に〇〇が出来るようになった!」というのは気持ちのいいものですが、実際使いこなせるようになるまでは地道な練習がいると思います。そういうのを繰り返しているうちにまた新たな発見があるんじゃないでしょうか。


後は気づいたらまた何か追記します。