パチンコ店の決算書を見る② マルハンは儲かっているのか? | 数字で考えるパチスロ理論

数字で考えるパチスロ理論

パチスロを可能な限り理論的に分解して考えていきます。よくある勝てる立ち回りではなく、確率や噂などを理論的に検証していきます。打ち手の希望的推測ではなく店側の立場から逆算して考えていきます。

さて、マルハンの決算書を見ていきましょう。


マルハンといえば、言うまでもなく業界最大手のホールです。


注意すべき点は


マルハンはホール営業に加え、アミューズメント施設運営や海外での銀行業など多様化しています。

よって、この決算書はパチンコ部分だけではないという事。ただし、現状では主要事業はパチンコホール営業ですから、誤差の範囲といっていいかもしれません。




数字で考えるパチスロ理論-マルハン

売上げ約2兆。文字通り桁が違いますね。


売上げ原価に関して、決算報告の注釈に、パチンコ、パチスロの機種代金を原価に計上してあると書いてありました。

これは前回の決算の話で少し触れましたが、これら機種代金は考え方によっては原価にも減価償却にもなりえます。マルハンは原価として計算しているということです。

売上原価の大半は、客への還元(法律上還元はできないので、特殊景品の仕入れのはず)と機種代金でしょうね。


売上から原価を引いたものが粗利でしたね。


私は以前から、パチンコ店の粗利は5%程度と仮説を立てておりますが、やはり近似値になりますね。

機種代金を原価に含まなければ5%近くになるはずです。


販管費は、様々な経費ですが、人件費の割合が最大のはずです。


粗利から販管費を引いたものが、営業利益で491億ですね。


ここから、ジュース販売など本業以外の利益である営業外収益を足し、主に銀行から借りている借金の利息である営業外費用を引くと、税金を払う前の最終利益である経常利益(よく見ると画像は誤字ですね・・・暇なときに修正します)で488億円です。


ものすごく簡単に説明すると


マルハンでは


2兆円の売上げのうち、約97%は客への還元と機種購入に使っています。その結果、500億の利益を出す事ができました。


2兆つかって、500億の利益だって?


粉飾。捏造。


アンチパチの人は絶対にこうなります。


客に90%以上還元しているわけがない、みんな負けてるもん。なぜかここは主観です。


それに2兆も売上げがあるのに、500億ぽっちの利益のはずがない!もっと儲かっているはず!


日本を代表する企業であるパナソニックの2012年3月決算は


売上げが7.8兆で、経常利益が-8000億です。


2兆も売上げがあれば1兆くらい軽く儲かっている気がしますが、現実は厳しいのです。


私はパナソニックマニア(ジョーバなどマニアックな奴まで保有するほど)で、家の中の家電は殆どパナソニック製です。年間数十万円分は軽く買っています。

私の主観でいうと、パナソニックはものすごく儲かっていそうですが、実際はとんでもない赤字なのです。


個人の主観でお金を使っているとか儲かっているとかがどれだけ当てにならないかということが判ると思います。


[問題]

P社は売上7.8兆で、M社は売上2兆です。さて、どちらの会社のほうが儲かっているでしょうか?


[答え]

M社(P社は-8000億、M社は+500億)


こんな問題、判る訳ないのです、売上だけで儲かっているか否かなど誰にも判りませんから。


パチンコの売上規模だけで、パチが法外に儲かっているという輩はこの問題が解けることになります。


売上げだけで市場を語る事がナンセンスと何度も言っていますが、少し伝われば幸いです。



結論を書き忘れましたが、パチンコ19.3兆の売上げの5%(粗利部分)である約1兆がパチンコの実態経済規模であるといえます。


↑この部分は2012年8月28日に以下の記事にて訂正しました。

パチンコ産業全体の粗利は?