な▷  ご訪問ありがとうございます。
今日は、腸内フローラと免疫との関連についての話です。

何かと、最近、話題の多い理研の研究報告です。
内容はひどく難しくて説明するのは非常に大変ですが、極々簡単に言ってしまえば、腸内細菌と自己免疫との間には相互に助け合い強め合う関係にある、ということではないでしょうか?

こんな風に表層的に言ってしまえば、素人の域を出ませんが、科学者の方々の研究報告は、専門用語がも多いですし、論理構成も綿密にできているので、どうしても、難しくなりますね。

▷  わたしも今回の報告で新たに知ったのは、免疫不全や自己免疫疾患には、制御性T細胞がうまく働かないためにIgA抗体が上手く作れないので細菌のバランスが崩れ様々な病気がおこる、という事でした。

逆に、腸内細菌のバランスの良い細菌を摂取すれば、免疫力にも影響し、免疫疾患の改善につながるということらしいのです。

▷  ならば、腸内細菌のバランスを整える発酵食品や、細菌の餌となる食物(繊維)などを摂取することも、充分意味があることだとわかりますね。

しかし、腸内細菌の分布は、外から善玉菌を取り入れただけでは、なかなか改善しないようです。善玉菌が定着しないので、元々存在している善玉菌を強くして、悪玉菌を追いやる力を持たせることが大切のようです。

最近では、腸にまで届く乳酸菌がよく宣伝されていますが、大抵の乳酸菌ば胃酸にやられて死んでしまいます。腸にまで届くのは、ごく僅か。だから、菌のえさになる物を取り入れることが大切なので、ヨーグルトばかり食べていても、改善はするでしょうが、食べなくなると、元に戻ってしまう。ヨーグルトが問題なのではなくて、中の菌を如何に腸内に定着させるかが、問題なのです。

引用開始
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腸内細菌と免疫系の支えあいを発見 !!



▶︎   米科学誌Immunity7月10日付のオンライン版で発表された、理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター(横浜市)の
シドニア・ファガラサン
(Sidonia Fagarasan)チームリーダーと
東京大学大学院新領域創成科学研究科の
服部正平(まさひら)教授らの共同研究チームの研究報告に依れば、

腸内に生息する膨大な細菌と免疫系との間で、支えあうように相互の制御が行われていることマウスの実験で確かめた。

腸内細菌を利用した健康維持や治療法につながる発見といえるという。


▶︎  ヒトの腸管内には、500~1000種類、総数100兆個もの腸内細菌が共存している。

この腸内細菌叢が腸管の免疫系を適切に活性化して、ヒトの健康は維持されているが、

バランスのとれた腸内細菌叢を形成・維持するのに免疫系がどのように作用しているのか、

逆に、バランスのとれた腸内細菌叢が免疫系にどのような影響を及ぼしているのか

について詳細な仕組みは分かっていなかった。


 共同研究チームは、免疫系が機能していない免疫不全マウスで、腸内細菌叢と免疫系との関係を調べたところ、


▶︎   免疫不全マウスでは、正常マウスに比べて腸内細菌叢の多様性が顕著に減少し、その構成も大きく変化していた。 

   免疫系(特にT細胞、B細胞を中心とした獲得免疫系)が腸内細菌叢のバランスを維持するのに非常に重要な役割を果たしていることが判った。


・ 次に、免疫系がどのような仕組みで腸内細菌叢のバランスを維持しているかを探るために、

免疫反応を抑制すると考えられている制御性T細胞に注目した。

T細胞が欠損した免疫不全マウスに、制御性T細胞を移入したところ、

腸内細菌叢の多様性が増加し、バランスのとれた腸内細菌叢を再構築することができた。 

 この実験で、制御性T細胞はIgA抗体の産生を介して、腸内細菌叢のバランスを制御していることが裏付けられた。


▶︎   免疫不全や自己免疫疾患では、
制御性T細胞がうまく働かないために、IgA抗体の産生に支障をきたして、腸内細菌叢のバランスが乱れ、さまざまな病気を起こしている可能性が浮かび上がった。


▶︎ 更に、腸内細菌叢のバランスが免疫系に与える影響を調べた。

通常の環境で飼育している3週齢のマウスに、バランスがとれた腸内細菌叢を投与すると、バランスが乱れた腸内細菌叢を投与した場合に比べて、IgA抗体が効率よく産生されることを見いだした。


 これまで、免疫系は病原菌などの細菌から身を守るために、細菌を排除していると考えられてきた。

しかし、従来の概念とは一見反対に、免疫系は腸内細菌叢を排除しないだけでなく、代わりに腸内細菌叢のバランスを積極的に維持することでも、ヒトの健康を保っていることが明らかになった。

 

河本新平研究員によれば、「我々の研究で『腸内細菌叢と免疫系との間の双方向制御によって健康が保たれている』という新しい概念を示せた意義は大きく、

この新知見は、腸内細菌が影響を及ぼすと考えられるさまざまな疾患の予防や新治療法を考えるのにも役立つだろう」と期待しているという。


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引用終わり