▷  私は、今まで牛乳の飲料については、反対の立場を20年ほど前からとって来た。
その理由は
❶  新谷弘実先生の書物からのデータ。

      乳製品を多食する人の腸内の様子と、多食しない日本人のような米穀中心の人の腸内の様子を比較した場合、乳製品を多食する人の腸内が汚く、また、ガンの発生率も高く、骨粗鬆症の発生率も高い、というデータから、それまでの日本の常識に反して勇気を持って本に書かれた新谷先生に敬意を表している。

❷  日本で牛乳を飲むようになった戦後の経緯。

私の世代では、当たり前のことですが、丁度給食が始まった頃で、当時、牛乳ではなくて、脱脂粉乳と呼ばれるものが出されていた。今考えると、とても飲めたもんじゃない味の、豚や家畜に出すえさのレベルの飲み物だった。アメリカで余って始末に困った残滓を日本に送り付け、日本は、それをありがたがって飲んでいたらしい。まずくて私はいつも、残していた。
この後、日本でも酪農が始まり現在の生産体制になってきたのだが、本来日本人には、牛乳を飲む習慣は無かったし、乳糖を分解する酵素を持たない人も日本人には多いのだ。無理をして飲むものではない。
日本の栄養士や保健所のかたがたは、洗脳 されていて、牛乳そのものの功罪を疑ったこともないのではなかろうか?

❸  牛乳や乳製品の消費とアレルギー疾患の発生数との関連が明らかになって来た。

❹  乳牛に与える餌の中に、たくさんの抗生物質や成長促進剤などを混ぜていることがわかってきた。
そして、生産量を増やすために、本来草を食べる牛に、穀物を食べさせ、尚且つ妊娠中にも関わらず搾乳できる体制を作り上げて、乳牛をボロボロになるまで乳を絞り取る、この体制がゆえに、その牛乳を飲んだ人は、確かに体が大きくなることに多少寄与したかもしれないが、それよりも、マイナス面の方が大きいことがわかってきた。

   つまり、牛乳の中にエストロゲンが高濃度で混入していて、昨今の若い女性の巨乳現象や、初潮の低年齢化、極端な女子の早熟化現象など。明らかに、エストロゲン作用であること。このエストロゲン過剰状態が、乳がんや子宮ガンの増加を呼び、それに環境ホルモン作用なども加わって、現在の体内ホルモン異常状態を出現しているとかんがえる。

❺  本能が退化した生物が人間だ。食べていいもの、食べて悪いものが、本能で嗅ぎ分けられない。野生動物は、本能で食べ物を嗅ぎ分けられる。

だからこそ、乳が出ている間は妊娠しないし、子供が育てば乳は止まる。いつまでも 母親の乳を飲んでいる動物はいないのである。人間だけが、大人になっても他種の乳を飲んでいる。生物界の原則から言ってもおかしなことだ。牛乳は、子牛が早く成長するための栄養素を含んでいるのであって、人間が必要としている特に頭の形成に必要な脂肪酸が全然足りない。
それを、ありがたがって、何処かの保健所や栄養士などが、完全栄養食品のようなことを未だに書いているから、恐れ入ってしまう。
国をあげての、策略としか、私には思えない。酪農家には申しわけないが、国民のためにならないから、職業替えしてください。実際に、牛乳の消費量は減っていると何処かで読んだ。当然だと思う。

以上これらの理由で、私は、反対している。

今回の下りは、HPの最後に当たるところで、しかも、かなり専門的な記述が多いので難しいですね。

要点だけでも掴んでいただければ、と思います。

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(どこだか、わかりますよね!)

引用開始
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4. 乳・乳製品を通して子どもの体内に入る女性ホルモンは許容摂取量を超えている


現代の牛乳が抱える最も大きな問題は牛乳中の成長因子(IGF-1)と女性ホルモンである。

牛乳に含まれている女性ホルモン ーエストロジェン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)ー は人間のものと同一である。

本物のホルモンだから、牛乳のホルモン作用は環境ホルモン(外因性内分泌撹乱物質)などと呼ばれる化学物質のホルモン作用に比べて桁違いに大きい。

とくに、前思春期の子どもは性ホルモンの影響を受け易い5

それにもかかわらず、
酪農業界と関係の深い学者たちは

「牛乳のホルモンは、女性の体内を流れているホルモンの量に比べれば微々たるものである」という。この人たちは、現代の牛乳が「妊娠したウシの白い血液」

であるということを忘れている。

彼らの反論根拠は、
アメリカ食品医薬品局(FDA)が定めた性ホルモンの許容摂取量(安全摂取量)(http://www.fda.gov )にある。

彼らは、牛乳を通して人間の体内に入る女性ホルモン量はFDAの許容摂取量に比べると少ないと主張する。

だから、牛乳は安全であると言うのである。本当にそうなのか。

体内の女性ホルモン濃度が最も 低いのは前思春期の男の子(小学生:6~11歳)である。FDAは、前思春期の男の子の体内で1日につくられる女性ホルモン量(体内産生量)の1%を食品 からの女性ホルモンの許容摂取量と定めている。このこと自体に問題はない。

ところが、FDAは実際の安全量をはるかに超える数値を許容摂取量と決めている のである。

なぜこんなことになってしまったのか。エストロジェンの一つであるエストラジオールを例にとって説明しよう。

FDAは、許容摂取量の設定にあたって、前 思春期男子のエストラジオールの体内産生量として6・5マイクログラム(マイクログラム=100万分の1グラム)という数値を採用した。
この数値は「食品 添加物に関するFAO/WHOの合同食品添加物専門家会議(JECFA)が提案した数値6である。
したがって、 6・5マイクログラムの1%である65ナノグラム(ナノグラム=10億分の1グラム)がエストラジオールの許容摂取量となる。
しかし、FDAが許容摂取量 の算出根拠に用いた前思春期の男の子のエストロジェンの体内生産量は極めて疑わしい数値で、その許容摂取量には多くの疑問が寄せられている[7-9]。
あるホルモンの体内産生量は、そのホルモンの血漿濃度と代謝クリアランス(MCR:ホルモンが血液中から代謝によって除去される速度で、単位時間に除去されるホルモンを含む血漿量で表される)から次式で求められる。
体内産生量(マイクログラム/日)=血漿濃度(マイクログラム/ミリリットル)
x MCR (ミリリットル/日)

したがって、前思春期 の男の子のエストラジオールの体内産生量の推定値は、このホルモンの男の子の血漿濃度の測定値に大きく左右される(血漿濃度が高ければ体内産生量の計算値 が大きくなる)。

JECFAは、前思春期の男の子のエストラジオール産生量の計算に、
1)古い方法で測定した著しく高い男の子の血漿エストラジオール濃度 を用い、2)前思春期の男の子に比べて非常に大きい、成人女性の代謝クリアランスを採用した。

したがって、JECFAが計算した前思春期の男の子のエスト ラジオールの体内産生量は実際の数値に比べて100~200倍も高くなっている[7]。

つまり、FDAは、実際の数値より100~200倍も高い数値を許容摂取量と定めているのである。

クライン(Klein)の新しい測定値[10,11]に基づいて計算しなおすと、前思春期男子のエストラジオールの体内産生量は0・04~0・1マイクログラム(=40~100ナノグラム)になる7。体内生産量を0・04マイクログラムとして計算すると、許容摂取量は0・4ナノグラム(=0・04マイクログラムの1%)となる。仮に体内産生量が0・1マイクログラムであるとしても許容摂取量は1ナノグラム(=0・1マイクログラムの1%)である。
前思春期の子どものエストラジオー ル産生量に関して完全に意見の一致がみられているわけではないが、

最近の研究はすべて前思春期のホルモンレベルがかつて信じられていたよりもずっと低いこ とを明らかにしている。

さらに将来、成人女性の代謝クリアランス(MCR)ではなく子どものMCRが計算に用いられるようになったら、実際の許容摂取量は さらに低くなるであろう。

因みに現在の日本の前思春期~思春期の子ども(7~14歳)は平均して1日320グラムの乳・乳製品を摂っており、1日当りのエストロン摂取量は100ナノグラムに達する(「日本人と牛乳 」 で述べたように、この320グラムという摂取量は国民健康・栄養調査の数値で、実際の乳・乳製品の摂取量はこの1・5倍の500グラム)。

すなわち、エス トロンだけで計算しても、現在の日本の子どもたちは体内産生量と同等量あるいはそれ以上の女性ホルモンを乳・乳製品から毎日摂りつづけているのである。

牛乳中の女性ホルモンが小児に吸収されることを見事に証明したMaruyamaたちの研究がある[12]。 

牛乳を飲んだ後に尿中に排泄されるエストロジェンが増えれば、牛乳のエストロジェンが吸収され、身体をめぐりめぐって腎臓から尿中に排泄されたことの証明 になる。Maruyamaたちは7歳3ヶ月から9歳9ヶ月の前思春期の子ども7人(男子3人、女子4人)に単位体表面積当たり600ml(飲用量 490~640ml)の市販牛乳を10分以内に飲ませて、飲用前後に尿中に排泄されるエストロン・エストラジオール・エストリオールを測定した。

1名の女 子は490mlを飲むべきところ180mlしか飲めなかった。この1名を除いた6名についての牛乳飲用前後の尿中エストロジェン濃度が測定されている(下図)。

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 尿中に排泄されるエストロン・エストラジオール・エストリオールは牛乳飲用の1時間後から増加しはじめ4時間以内にピークに達した。

その増加は統計学的に 有意であった。牛乳には多量の脂肪が含まれているために全乳のエストロジェン濃度を測定することは難しい。

しかし、尿中のエストロジェン濃度の測定は容易 である。本人と保護者が承諾し、倫理委員会の許可が得られたら、乳・乳製品の摂取による尿中エストロジェンの増加を追試・確認して欲しい。

牛乳製造工場で加熱処理をしているから、牛乳中の性ホルモンは活力を失っている」という驚くべき意見を述べる酪農団体の御用学者もいる。

しかし、ステロイド骨格の性ホルモンは現行の125~130度の高熱滅菌で壊れないことはすでに実証済みである[13]。

事実、以下に述べるように、日本で市販されている高温滅菌の牛乳はホルモン作用を示す。牛乳の女性ホルモンが高温によって破壊されないことを示す何よりの証拠である。



5. 市販の牛乳には女性ホルモン作用がある

1960~70年代に乳児用調 整粉ミルクで子どもを育てることが流行した。

この粉ミルクの原料の70%は牛乳であった。

今となっては測ることはできないが、この調整粉乳にも相当量の女 性ホルモンが含まれていたに違いない。第二次ベビーブームと呼ばれた1970年代前半に生まれた世代(団塊ジュニア)の相当数は乳児用粉ミルクで育てられ たことだろう。

そしてその後も保育園・幼稚園・小学校・中学校で女性ホルモン入りの牛乳をほぼ強制的に飲まされた。

この子たち(とくに男の子)はまともに 性発達を遂げただろうか。960万人もいる団塊ジュニアは2010(平成22)年には35~40歳になる。

この世代が第三次ベビーブームをもたらすことは 絶望的である。

それでは、市販の牛乳にホルモン作用があることを確認した研究[14]を 紹介しよう。

女性ホルモン作用を実験的に確認する方法に子宮肥大試験という方法がある。卵巣を摘出した成熟雌ラット(子宮が萎縮する)あるいは未成熟の雌 ラット(子宮が未発達)に試験物を注射あるいは飲ませて子宮が大きくなるかどうか確認する試験法である。この方法は、まるごとの動物を使う試験法なので培 養細胞などを用いる試験法に比べて信頼性が高い。

この方法で、妊娠しているウシから搾られた市販の高温で滅菌された牛乳が飲用で女性ホルモン作用を示すこ とが確認された。

すなわち、牛乳を与えると、卵巣摘出によって萎縮した成熟ラットの子宮が大きくなり、未成熟ラットの子宮がより速やかに成長した。

牛乳の 影響は成熟ラットより未成熟ラットに強く現れた。すなわち、牛乳ホルモンの影響はおとなよりも、性的に未熟な子どもに強く現れるのである。

この研究結果は ロイターヘルス(Reuters Health)に取りあげられたが、日本のマスコミはこれを無視した。

なお最近、妊娠しているウシから搾られた市販牛乳の子宮肥大作用(女性ホルモン作用)はモンゴルの、妊娠していないウシから搾られた牛乳の作用より有意に大きいことが報告されている[15]。

世の中のお母さん方は、自分の 子どもが飲んだり食べたりしている牛乳や乳製品がよもや妊娠しているウシから搾られた牛乳を原料にしているなどとは夢にも思わないだろう。

母親は、自分の 妊娠・出産・授乳の経験から、子どもが母乳を飲んでいる間は妊娠しないことを知っているからである。

ところが現実には、遺伝的に改変された乳牛は泌乳中に 妊娠し、妊娠中にもかかわらず大量のミルクを分泌するのである。

妊娠しているウシの体液(ミル ク)を子どもに飲ませる母親がいるだろうか。前思春期の子どもに毎日、女性ホルモン入り牛乳を大量に飲ませるということは、極言すれば、前思春期の子ども に低用量避妊ピルを毎日飲ませているようなものである。

年端もいかぬ子どもに避妊ピルを飲ませる母親が果たしてこの世にいるだろうか。

繰り返すが、牛乳中のホルモン は本物のホルモンであるから(ウシの女性ホルモンは人間のものと同じ)、そのホルモン作用は外因性内分泌撹乱物質(環境ホルモン)などとは比べようがない ほど強いのである。

覚えておられる方も多いだろうが、1990年代に、環境ホルモンをめぐって世界中が大騒ぎしたことがあった(シーア・コルボーン、ダイ アン・ダマノスキ、ジョン・ピーターソン著、長尾力訳『奪われし未来』翔泳社、1997年9月;デボラ・キャドバリー著、井口泰泉監訳・古草秀子訳『メス 化する自然-環境ホルモン汚染の恐怖』集英社、1998年2月)。

日本でも、子どもを育てるのに母乳(微量のPCB・ダイオキシンが含まれている)がいい か、人工ミルク(哺乳瓶から環境ホルモンのビスフェノールAが溶出する)がいいかなどという不毛かつ罪作りな議論がメデイアを賑わせた。 
文献 

1. Sharpe RM, Skakkebaek NE. Are oestrogens involved in falling sperm counts and disorders of the male reproductive tract? Lancet 341: 1392-95, 1993.
2. Frink CR, Waggoner PE, Ausubel JH. Nitrogen fertilizer: retrospect and prospect. Proceedings of National Academy of Science USA 96: 1175-80, 1999.
3. Ganmaa D, Wang P-Y, Qin L-Q, Hoshi K, Sato A. Is milk responsible for male reproductive disorders? Medical Hypothesis 57: 510-4, 2001.
4. Heap RB, Hamon M. Oestrone sulphate in milk as an indicator of a viable conceptus in cows. Br Veter J 135: 355-363, 1979.
5. Aksglaede L, Juul A, Leffers H, Skakkebaek NE, Andersson A-M. The sensitivity of the child to sex steroid: possible impact of exogenous estrogens. Human Reproduction Update 12: 341-9, 2006.
6. The Joint FAO/WHO Expert Committee on food additives (1988) Evaluation of certain veterinary drug residue in food. World Health Organization, Geneva. WHO Technical Report Series 763.
7. Andersson AM, Skakkebaek NE. Exposure to exogenous estrogens in food: possible impact on human development and kealth. European Journal of Endocrinology 140: 477-85, 1999.
8. Dexenberger A, Ibarreta D, Meyer HH. Possible health impact of animal oestrogens in food. Human Reproduction Update 7: 340-55, 2001.
9. Partsch CJ, Sikppel WG. Pathogenesis and epidemiology of precocious puberty. Effects of exogenous oestrogens. Human Reproduction Update 7: 292-302, 2001.
10. Klein KO, Baron J, Colli MJ, McDonnell DP, Cutler GB Jr. Estrogen levels in childhood determined by an ultrasensitive recombinant cell assay. J Clin Invest 94:2475-80, 1994.
11. Janfaza M, Sherman TI, Larmore KA, Brown-Dawson J, Klein KO. Estradiol levels and secretory dynamics in normal girls and boys as determined by an ultrasensitive bioassay: a 10 year experience. J Pediatr Endocrinol Metab 19: 901-909, 2006.
12. Maruyama K, Oshima T, Ohyama K. Exposure to exogenous estrogen through intake of commercial milk produced from pregnant cows. Pediatrics International 52, 33-8, 2010.
13. Qin LQ, Xu JY, Wang PW, Ganmaa D, Li J, Wang J, Kaneko T, Hoshi K, Shirai T, Sato A. Low-fat milk promotes the development of 7,12-dimethylbenz(a)anthracene (DMBA)-induced mmammary tumors in rats. International Journal of Cancer 110: 491-496, 2004.
14. Ganmaa D, Tezuka H, Enkhmaa D, Hoshi, Sato A. Commercial cows’ milk has uterotrophic activity on the uteri of young ovariectomized rats and ummature rats. International Journal of Cancer 2006, 118: 2363-5.
15. Zhou H, Qin LQ, Ma DF, Wang Y, Wang PY. Uterotrophic effects of cow milk in immature ovariectomized Sprague-Dawley rats. Environ Health Prev Med 2010, 15: 162-168.


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引用終わり