プロ意識のめざめ | 交心空間

交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 ドラマや小説を考えたり書いているとき「楽しさ」を感じる余裕はありませ
ん。あるのは「作品自体や登場人物との葛藤」です。楽しみや喜びは、書き上
げて放送化や出版化され、私の作品で楽しむ人を見てやっと湧いてくるといっ
たところでしょうか……。


 さて今年の大きなニュースのひとつに、トリノ五輪で女子フィギュアスケー
ト初の金メダルを獲得した荒川静香さんがあげられます。
 その後プロスケーターに転身し、夏にはメダリストだけが出場を許されるア
メリカ・アイスショー『チャンピオンズ・オン・アイス』のツアーに参加しま
した。そのときの様子を伝える番組を観ていると、演出家から三つの点を注意
されのです。「演技中に(自分が)歌わない」「視線は客席の五段目以上に注
ぐ」「笑顔を絶やさない」です。アマチュア時代の荒川さんは、演技をしてい
て乗ってくると音楽に合わせて口ずさむときがあったようです。それを即座に
指摘、改めるよう注意されたのです。
 また先日、演出家の宮本亜門さんとの対談番組を観ていても、プロになると
アマチュア以上に練習し、どう魅力的に見せるかを考える……などの意識変化
について話していました。


荒川静香 オフィシャルサイト
特集アメリカ・アイスショー紀行「チャンピオンズ・オン・アイス」


 ──事が起こって意識を変えるか、事が起こる前に意識改革するか。人それ
ぞれでしょうし、少なからずとも、また遅かれ早かれ、プロには「自分ではな
くお客さんのために」という意識が求められるのです。


      *--------------------------------------------------------*
      この一年のご訪問ご愛好ありがとうございました
                       良いお年をお迎えください

                              坂本 博