動作性の弱い「言」はひらがなで | 交心空間

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◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 文章例にある「○○と言う※※」「だからと言って」「そう言えば」などの
漢字表記「言」は、具体的な(実際に音声や文字によって意思や事柄を表に出
す)動作性に対する用法からすれば誤用になります。つまり『動作性の弱い場
合にはひらがなで表記する』のが通例です。漢字表記として正しいのは、文章
例(17)文末の「……を言っていた」 (18)中間の「……を言うなと思っていた
が……」 (30)文末「……と言って貰える……」の三箇所です。


 それをどう判断するかですが、問題の語句自体(「という」など)を、ある
いは伝えたい内容(文意)を踏まえ周辺も含めて、別表現に換えてみると語句
の持つ意味が明確になります。
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(1) ドラマというものに
    ↓
(1) ドラマと呼ばれるものに
(1) ドラマなるものに    ※「なる」は断定の助動詞「なり」の連体形
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(1) ドラマというものに興味がある。
    ↓
(1) 娯楽のひとつに「ドラマ」があり、その創作過程となる「脚本執筆」に
   興味がある。
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(2) だからといって
    ↓
(2) だけれども
(2) そうではあるが
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(3) ということで
    ↓
(3) そんなわけで
(3) それで
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(17) そういえば
    ↓
(17) それについて思いつくことがあるのだが