第3話 カリテ・プリ(高品質・低価格)なワイン達
③シャトー カップ サン・マルタン キュヴェ プレステージ 2002 (フランス/ボルドー地方/A.O.C.)
Château Cap Saint-Martin Cuvée Prestige 2002 Premières Côtes de Blaye
皆さん、
ソムリエ歴20年目の私でも知らないシャトーは山ほどあります。
いえ、知らない方が多いと言った方が正確ですね。
古代、ローマの詩人が
「ギリシャの葡萄品種を数えるより、海岸の砂を数える方が容易である」と
ギリシャの葡萄品種の多さを嘆いたそうですが、
現代ならこうなるでしょうか。
「日本に上陸するワインを数えるより、海岸の砂を数える方が容易である」と。
まさに日本市場に溢れるワインは星の数ほどあります。
どうせ飲むならおいしい方がいいですよね?
シャトーカップ サン・マルタン。
無名のシャトーです。言わば「掘り出し物」。
熟成した証のレンガやオレンジのカラーが見えます。
香りにもシガーや古い木、レザーのニュアンス、
なんとも言えないイイ香りです。
それは味わいのフレーヴァーにも反映されていて、
熟成したボルドーワインの典型を見るようです。
これで千五百円前後ですからかなり「カリテ・プリ」なワインです。
セパージュはメルロ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。12ヶ月の樽熟。(40%新樽)
A.O.C.はプルミエール・コート・ド・ブライ。
船で5分のジロンド河を挟んだ対岸が、あの有名なポイヤック、サン・ジュリアンの村々です。
と言えば位置関係が分かるでしょうか?
牛肉が食べたくなりました。脂ののった豊満なリブが合いそうです。
星の数ほどもあるワイン。
イギリスのワイン評論家ヒュー・ジョンソンはこう言っています。
「人生は短い。マズイワインを飲んでいる暇はない」 拍手!
<輸入元>稲葉 (郡山市清水台平野屋にてゲット)