INDIO BLACK
監督: フランク・クレイマー
音楽: ブルーノ・ニコライ
出演: ユル・ブリンナー、ディーン・リード、ジェラルド・ハーター、サル・ボージェス、ペドロ・サンチェス、フランコ・ファンタシア、ジョセフ・P・ベルスアド、サルヴァトーレ・ビラ
1971年 イタリア映画


70年代のマカロニ・ウェスタン「西部悪人伝」のヒットに気を良くしたフランク・クレイマーことジャンフランコ・パロリーニ監督が再び手がけた「サバタ」シリーズ第2弾。
今回はなぜかリー・ヴァン・クリーフとはまるでタイプが違うユル・ブリンナーを「サバタ」に起用しています。
まあカッコいいんだけど、全身黒づくめの出で立ちは「荒野の7人」や「ウエストワールド」のイメージそのまんま。
もう少しヒネリがあってもよかったかなと思います。
タフでクールなキャラクターなんですが、ブリンナーの場合、根はいい人というのがにじみ出ていて、
実はワルだという匂いをあからさまにプンプンさせているリー・ヴァン・クリーフに比べて迫力に欠けるのがちょっと残念。
メキシコ革命の時代を背景に、革命軍と戦うオーストリア軍の大佐は、腕利きの賞金稼ぎサバタを買収します。
しかし、サバタはメキシコ人びいきでウラで革命軍に通じていて、途中から加わった仲間と一緒にオーストリア軍の砂金輸送計画を入手、
革命軍と一緒にまんまと砂金を強奪しますが、あけてビックリ、中には砂しか入っていませんでした。
実は途中で砂金を砂にすり替えた人間がいることを知り、サバタはネコババされた砂金の強奪に動く・・・・というお話。
今回サバタが持っている武器は、銃身を短く切りつめたライフル。
またこれがただのウィンチェスターじゃなくて、横一文字の弾倉が付いていて、連射が可能なところがミソ。
こういう面白い小道具にワクワクするのもマカロニ・ウェスタンの楽しみの一つですね。



音楽は、かつてはエンニオ・モリコーネの盟友であったブルーノ・ニコライ。
この人、モリコーネ作品の指揮をずっと手がけていた時期があったためか、
ほとんど作風がモリコーネと一緒、というよりむしろマカロニ・ウェスタンに関してはモリコーネの美味しいところだけを凝縮したようなストイックな作風が特徴的です。
今回もモリコーネのマカロニでお馴染みのアレッサンドロ・アレッサンドリーニの口笛、イ・カントリ・モデルニのコーラスといった常連を演奏に起用しています。
テーマ曲は、盛り上がる展開が「夕陽のガンマン」や「荒野のドラゴン」あたりにも似たカッコいい曲。
ブルーノ・ニコライのマカロニ・ウェスタン・スコアの中でも屈指のカッコ良さと言えるでしょう。
70年代のブルーノ・ニコライのマカロニ・ウェスタンはほんとハズレが少ないですね。
この人が手がけた「サルタナがやってくる 虐殺の一匹狼」なんかも、マカロニのカッコいいエッセンスだけを抽出したようなサントラだもんなあ。
劇伴もこのテーマのバリエーションを中心に、ブルーノ・ニコライが結構得意としているマリアッチ風なメキシコ音楽も入っています。
なお、サントラは現在24曲入り59分収録の長尺盤が入手可能です。
なんとヴェリタ・ノーテから日本盤が出ています。いい時代になりましたね。
元々のマスターに起因するものだと思いますが、若干ノイズが目立ったりしますが、
この中にはかつて日本盤で出ていたシングルの両面も収録されており、大変お買い得です。




大西部無頼列伝/ブルーノ・ニコライ

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