Se incontri Sartana prega per la tua morte
監督:フランク・クレイマー
音楽:ピエロ・ピッチョーニ
主演:ジャンニ・ガルコ、クラウス・キンスキー、フェルナンド・サンチョ、ウィリアム・バーガー、シドニー・チャップリン、ジャンニ・リゾ、アンドレア・スコッティ
1968年 イタリア映画


マカロニ・ウェスタンも下火になってしまった頃に製作された、「マカロニ・ウェスタン界の007」といわれる「サルタナ」シリーズ。
本作は、その記念すべき第1作です。
主人公のサルタナが、毎回いろんな武器を使って敵を倒すことからこのような呼ばれ方をするようです。
「皆殺しオルGUN」とか・・・・・(^^;)
主演のジャンニ・ガルコは、このシリーズが代表作となりました。
本国を始め世界的にヒットしたので、合計4作のシリーズが製作され、亜流まで生まれた人気作。
それなのに、日本ではビデオをおろかTVでも放映された形跡の無い不遇なシリーズです。
唯一、シリーズ4作目「サルタナがやってくる 虐殺の一匹狼」だけが本邦でDVD化されています。
海外では、本作を含めて結構DVDになっているので、日本でも発売して欲しいものです。
監督は「西部悪人伝」のフランク・クレイマー・・・・実は本名はマカロニ監督のジャンフランコ・パロリーニ。
サルタナはいわゆる殺し屋なので、善人なのか悪人なのか今ひとつ判然としないキャラで描かれています。
ストーリーは、黄金を強奪した強盗団をサルタナが追跡して壮絶な銃撃戦の末に全滅させてしまうというお話らしいです。
マカロニの悪役と言えばこの人、フェルナンド・サンチョとクラウス・キンスキーが出ています。
変わったところでは、チャップリンの息子シドニー・チャップリンも出ていました。
なお、「西部悪人伝」でバンジョーにライフルを仕込んだ殺し屋を演じたウィリアム・バーガーは、後の亜流作品「Sartana Nella Valle Degli Avvoltoi(死の谷のサルタナ)」では主演になっています。サルタナを演じてるのでしょうか。


音楽は、イタリアの巨匠ピエロ・ピッチョーニ。
ピエロ・ピッチョーニとマカロニというとなんとなくしっくり来ない気もしますが、
やはり、マカロニ・ウェスタンなのにアッパー・ラウンジなモンド系サントラになっています。
およそマカロニ・ウェスタンのスコアには似合わない、かつての渋谷系のみなさんが飛びつきそうなジャジーなスコアが含まれていたりします。
しかし異端な音でありながら、69年という年代を考えると新機軸という意味で斬新なスコアだったと思います。
さすがに巨匠だけあって、マカロニの定番「口笛」などもしっかり使ってマカロニの雰囲気を壊すことなく、ジャジーなウェスタン・スコアに仕上げています。
テーマ曲は、マカロニにありがちなこけおどし的な瞬発力はなく、
どこか牧歌的で静かに幕を開ける感じのじっくり聴かせるタイプの曲。
テーマ・モチーフはメロが長めでインパクトは小さいながらも、何度も聴くと味わいが出てくる独特のメロディを持っています。
このシリーズには欠かせない、オルガン(笑)が使われていたりもします。
劇伴もどちかかと言えばオーソドックスで控えめな音。
派手なアクション・スコアを期待すると肩すかしを食らいますが、
モンドなオルガンが使われているマカロニ・サントラということで面白いスコアだと思います。
サントラ盤は10年以上前にイラスト・ジャケットのものが発売されていましたが、
先頃、イタリアから久々にサントラが発売されました。
全28曲、しっかり収録されています。
ジャケに写るサルタナのバックには、あのオルガンが・・・・(^^;)



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