UNA NUVOLA DI POLVERE... UN GRIDO DI MORTE... ARRIVA SARTANA
監督: ジュリアーノ・カルニメーオ
音楽: ブルーノ・ニコライ
出演: ジャンニ・ガルコ、ニエヴェス・ナヴァロ、ピエロ・ルリ、ブルーノ・コラッツァリ、マッシモ・セラート、サル・ボージェス
1970年 イタリア/スペイン映画

 

 

 

ブームもすっかり過ぎ去った70年代にあって、この時期のマカロニ・ウェスタンにしては異例の世界的ヒットを記録した
「サルタナ」シリーズの4作目にして最高傑作の誉れ高い作品。
でも、60年代にはあれだけマカロニが公開された日本では見向きもされず、TV放映もされなかったといわれる不遇な作品でもあります。
「二匹の流れ星」等のマカロニ・ウェスタンで知られるジャンニ・ガルコの代表作がこの「サルタナ」シリーズです。
中身はアイデア満載で、荒唐無稽ではあるもののアクション活劇としては十分楽しめる内容になっています。
めっぽう強い「サルタナ」(こいつが善人なのか悪人なのかよく分からん出で立ちでカッコいい)が悪い奴らをバッタバッタと倒すお話ですが、
ストーリーの詳細はkazzpさんのブログで詳しく紹介されていますので、そちらをご覧下さい。
              ↓

 

 

http://ameblo.jp/kazzp0610/entry-10132321148.html


いろんなアイデア満載の殺しの小道具が登場しますが、クライマックスの「皆殺しオルGUN」が最高!
パイプオルガン型の手動バルカン砲だと思ってもらえば分かりやすいかと・・・・パイプの真ん中の4、5本が前に折れて銃身になります。
これで200人近い悪党を皆殺しにするのですから凄すぎます(^^;)
このシリーズは、日本でDVDになっているのはこの4作目だけ。
シリーズの他の作品はビデオにもなっていません。
こんなに面白いなら、他の作品も是非観てみたいなあ。
ちなみにオリジナル・タイトルは、「ちぎれる雲、死の叫び、サルタナがやってくる」という意味だそうです。
サルタナは、ジャンゴなどと同様に、他のマカロニ監督たちに真似されて、数々の亜流作品が作られました。

 

音楽は、ブルーノ・ニコライ。
モリコーネとのタッグで培ったマカロニ・アイテム(楽器)がめいっぱい登場する、まさに金太郎飴なスコアです。
独特のオーボエや「カッコー」みたいな音、エレキ、生ギター、情熱的なトランペット・・・・およそマカロニ・ウェスタンのスコアで使わそうな楽器はほとんど登場します。
無いのは、モリコーネ流の「奇声」コーラスくらい(^^;)。
元々サントラ盤は存在しなかったようで、最近になってスペインのレーベルから
「The Western Film Music of Bruno Nicolai Volume 2 」という形で初音源化されました。
ベスト盤みたいなタイトルですが、中身はまるまる本作のフルスコアです。
これまで音源化されていなかったため、どの曲もタイトルがなく、Sequence1とか2とかいうタイトルで識別されています。
全24曲、マカロニの美味しいところが満載の好スコアです。
本編同様、本邦未発売なのがとても惜しい。
マカロニ晩期の70年代には、このような正統派スコアが意外なところに隠れているのでやめられません。